講談社文芸文庫作品一覧

公園/卒業式 小島信夫初期作品集
公園/卒業式 小島信夫初期作品集
著:小島 信夫
講談社文芸文庫
著者十六歳、岐阜中学校校友会誌に掲載された小品から、昭和二十年代までの初期作品を集成。第一高等学校時代の透明感溢れる心象風景を綴った伝説的佳品「裸木」や、同人誌「崖」に発表された「往還」「公園」などの戦前作品、また、著者固有のユーモアの深淵を示す「汽車の中」「卒業式」「ふぐりと原子ピストル」など、〈作家・小島信夫〉誕生の秘密に迫る十三篇を収録。 著者十六歳、岐阜中学校校友会誌に掲載された小品から、 昭和二十年代までの初期作品を修正。第一高等学校時代の 透明感溢れる心象風景を綴った伝説的佳品「裸木」や、 同人誌「崖」に発表された「往還」「公園」などの戦前作品、 また、著者固有のユーモアの深淵を示す「汽車の中」「卒業式」 「ふぐりと原子ピストル」など、〈作家・小島信夫〉誕生の 秘密に迫る十三篇を収録。小島文学入門のための貴重な一書。
電子あり
英国の青年 吉田健一未収録エッセイ
英国の青年 吉田健一未収録エッセイ
著:吉田 健一
講談社文芸文庫
同時代の海外文学からシェイクスピア、探偵小説、文学と神の問題まで。 文壇デビュー直後の20~30代及び晩年期の文章を中心に収録。
私の万葉集 二
私の万葉集 二
著:大岡 信
講談社文芸文庫
新元号「令和」の出典、 『万葉集』の魅力を 現代詩の巨人が説きあかす! 現代詩人・大岡信の先見性に満ちた『万葉集』論、第二巻。 新元号の出典となった「梅花の宴」について、 日本文学史とこの宴との重要な関連を指摘。 『万葉集』を現代人が味わい楽しむ「生きた」歌集として読み解く。 第二巻は巻二の補遺及び、巻五から巻七までを取り上げる。 巻五は、『万葉集』全二十巻の中でも特異であり、 大伴旅人と山上憶良の二人に尽きると言っても過言ではなく、 しかも濃密かつ心に残る和歌の叙情の魅力が詰まった巻として有名。 『万葉集』の面白さを存分に感じる一冊。
電子あり
有田川
有田川
著:有吉 佐和子
講談社文芸文庫
私は川上のどことも知れぬところで誰とも知れぬ親に産んでもらった――けれども人間はいずれ生れて川に流されるものではないのか。どんな人でも多かれ少なかれ水に流されながら生きて行くのではないのか――。有田川の氾濫のたびに出自を失いながら、流れ着いた先で新たな生を掴み取る紀州女、千代の数奇な生涯。『紀ノ川』『日高川』に並ぶ、有吉文学における紀州三部作。 私は川上のどことも知れぬところで誰とも知れぬ親に 産んでもらった――けれども人間はいずれ生れて 川に流されるものではないのか。どんな人でも多かれ少なかれ 水に流されながら生きて行くのではないのか――。 有田川の氾濫のたびに出自を失いながら、流れ着いた先で 新たな生を掴み取る紀州女、千代の数奇な生涯。 『紀ノ川』『日高川』に並ぶ、有吉文学における紀州三部作。
電子あり
ザボンの花
ザボンの花
著:庄野 潤三
講談社文芸文庫
家庭や生活のいとおしさ。生活を愛し慈しみ、多くの人の心をつかんだ庄野文学の「家庭小説」の始まりであり、のちに名作『夕べの雲』に発展していく魅力の長篇小説ーー『ザボンの花』から庄野潤三独特の家庭小説が始まる。これは、著者にとって最初の長篇小説であり、麦畑の中の矢牧家は、彼がまさに創りつつある、新しい家庭であり、生活を愛し育んでいく本質と主張を、完成度の高い文学作品にしあげている。一生のうち、書くべき一番いい時に書かれ、やがて『静物』『夕べの雲』へ続く作品群の起点でもある。
電子あり
かかとを失くして 三人関係 文字移植
かかとを失くして 三人関係 文字移植
著:多和田 葉子
講談社文芸文庫
独特な作風と言語・文化への鋭く繊細な洞察から生まれる多和田ワールドの魅力が横溢する作品集。「かかとを失くして」「三人関係」「文字移植」 群像新人賞受賞作を含む初期中編3作。 独特な作風と言語・文化への鋭く繊細な洞察から生まれる多和田ワールドの魅力が横溢する作品集。 【底本】 かかとを失くして/三人関係……『三人関係』(1992年3月 講談社刊) 文字移植……『文字移植』(1999年7月 河出文庫刊)
電子あり
ああ玉杯に花うけて 少年倶楽部名作選
ああ玉杯に花うけて 少年倶楽部名作選
著:佐藤 紅緑
講談社文芸文庫
昭和2年に『少年倶楽部』に連載され、大反響を呼んだ少年小説の金字塔。いじめや暴力、友情等、普遍的テーマに切り込む爽やかな傑作。 昭和2年に『少年倶楽部』に連載され、大反響を呼んだ少年小説の金字塔。 いじめや暴力、友情等、普遍的テーマに切り込む爽やかな傑作。 ※本書は、『ああ玉杯に花うけて/少年賛歌』(講談社大衆文学館、1997年10月)および『ああ玉杯に花うけて』(講談社少年倶楽部文庫2、1975年10月)を底本としました。
電子あり
柄谷行人インタヴューズ2002-2013
柄谷行人インタヴューズ2002-2013
著:柄谷 行人
講談社文芸文庫
単行本未収録インタヴュー集成の第二巻である本書は、NAMから『世界史の構造』『哲学の起源』を経て反原発へと至る思考の軌跡を辿る。 ※本書収録の十二篇は、初出紙誌を底本としました。
福島の文学 11人の作家
福島の文学 11人の作家
編:講談社文芸文庫,その他:宍戸 芳夫
講談社文芸文庫
2011年3月11日、東日本大震災による被災・福島第一原発事故に伴う故郷喪失の悲劇は、続いている。 福島を故郷としている作家の、福島への思いを、その自然の豊かさと、文学の息吹を精選。 草野心平・水野仙子・久米正雄・宮本百合子・中山義秀・東野邊薫・吉野せい・斎藤利雄・真船豊・島尾敏雄・埴谷雄高。 一一人の作家による福島の精神を伝える作品集。
西海原子力発電所/輸送
西海原子力発電所/輸送
著:井上 光晴
講談社文芸文庫
原子力発電所をかかえる閉鎖的な地域社会のなかで起きた一件の不審火。原発の危険性と経済的依存との葛藤を劇的に描きつつ、〈原爆文学〉と〈原発文学〉とを深く結びつけた記念碑的労作「西海原子力発電所」。チェルノブイリ原発事故を受け、核廃棄物輸送事故による被爆と避難生活がもたらした生活の破壊と人間の崩壊を予言した「輸送」。3・11でフクシマ原発事故を経験した現在から、先駆的〈核〉文学はいかに読み解かれるか。
電子あり
珈琲挽き
珈琲挽き
著:小沼 丹
講談社文芸文庫
平穏な日常、花鳥風月、友人たちと師との交流。 遠い風景や時間の流れを、淡いユーモアで見事に描く、 大正・昭和・平成を生きた作家、小沼丹。 移ろいゆく心象風景の中に、人生のドラマを明るく描く、 『小さな手袋』につづく生前最後の随筆集。 「狆の二日酔い」などの秀逸な作品を含み、 上質な文章で心優しく読者を誘う、85篇収録。
青天有月 エセー
青天有月 エセー
著:松浦 寿輝
講談社文芸文庫
黄昏と暁闇、反射と点滅など、光を主題としたエセー。「文学」とは光であることを、稀代の表現者が知性と感性を尽くして綴る、珠玉編ーー黄昏と暁闇、反射と点滅、傷と紐、月と放心、死……モンテーニュ『エセー』にいざなわれ、心をよぎる思いを、筆に随うままに綴った、<光>をめぐる15の変奏。ゴダール、スタンダール、ボードレール、シェイクスピア、吉田健一、西脇順三郎、李白、バルト、アンデルセン……。先人たちのイメージと自らの知性と悟性と感性で、光=言葉が生まれる一瞬を描写した、思索と詩魂の結晶。
電子あり
柄谷行人インタヴューズ1977―2001
柄谷行人インタヴューズ1977―2001
著:柄谷 行人
講談社文芸文庫
単行本未収録インタヴュー集第一弾。 イェール大学での講義を終えてからNAMでの活動を始める21世紀初頭までの発言と軌跡を辿る。 ※本書収録の13篇のうち「不可知の“階級”と『ブリュメール十八日』」は、情況出版編集部編『マルクスを読む』(1999年11月、情況出版)を底本とし、それ以外は初出紙誌を底本としました。
幼年 その他
幼年 その他
著:福永 武彦
講談社文芸文庫
「幼年」は、堀辰雄の『幼年時代』の影響の下に描かれ、福永武彦の「幼くして失った母」という原風景である。そして「母」は、はかなく淡い観念として、この作家に、美しくも深く悲しい旋律を奏でる。意識と無意識、現実と夢の境を行きつ戻りつ、ロマネスクな二重奏組曲。福永文学の輝ける魅力をたたえた、詩情豊かな10編の作品集。
電子あり
おたのしみ弁当 吉田健一未収録エッセイ
おたのしみ弁当 吉田健一未収録エッセイ
著:吉田 健一
講談社文芸文庫
様々な紙誌に掲載された単行本未収録エッセイを集成。 酒食、身辺雑記から政治、文学・書評まで、機知とユーモアに満ちた待望の一冊。
東京オリンピック 文学者の見た世紀の祭典
東京オリンピック 文学者の見た世紀の祭典
編:講談社
講談社文芸文庫
世紀の祭典が生んだ、煌びやかな文学者の競演!  三島由紀夫、井上靖、檀一雄、小田実、安岡章太郎、大江健三郎、阿川弘之、石原慎太郎―― 錚々たる当代の名手たちが、文学者の視点で五輪に沸いた一九六四年東京のすべてを活写し、話題をさらった貴重なルポルタージュ集。 東京オリンピック開催決定を機に、待望の刊行。
老残/死に近く 川崎長太郎老境小説集
老残/死に近く 川崎長太郎老境小説集
著:川崎 長太郎
講談社文芸文庫
60歳を過ぎての結婚から、83歳の死まで、自らの「老い」と「病」を見つめた、晩年20年にわたる珠玉の短篇をの集成。30歳年下の女性との結婚に至る葛藤と顛末を描いた「彼」「老残」。その後の結婚生活の波乱を記す「老坂」。病と向き合う「海浜病院にて」「七十歳」。死を身近に感じる「夕映え」、そして絶筆「死に近く」――最期まで文学への情念の炎を燃やし続けた「私小説家」川崎長太郎の神髄に迫る。
日本の沙漠のなかに
日本の沙漠のなかに
著:深瀬 基寛
講談社文芸文庫
T・S・エリオットなどの研究・翻訳で知られる英文学者が綴る知的営みと身辺雑記。 文学から酒、交遊録まで、詩ごころ溢れる好随筆。 ※本書は、1957年7月刊『日本の沙漠のなかに』(筑摩書房)を底本としました。
幽界森娘異聞
幽界森娘異聞
著:笙野 頼子
講談社文芸文庫
五感で選び取った世界を唯一無二の絢爛たる文章で描き、今も熱心に読み継がれ愛される作家、「森娘」。 春の日、雑司ヶ谷の路上で主人公は彼女の姿を? 「贅沢貧乏を読むまで人は死ねない」と断言する著者が無上の愛と敬意をもって織りなし、時空を振るわす、作家同士、魂と言葉の一大セッション。 泉鏡花文学賞受賞作。
北愁
北愁
著:幸田 文
講談社文芸文庫
幼くして母を亡くし、継母と文筆家の父に育てられた才気煥発な娘あそぎ。そのまっすぐな気性は時に愛され、時に人を傷つける。婚家の没落、夫婦の不和、夫の病――著者・幸田文自身を彷彿とさせる女性の波乱の半生を、彼女を取り巻く人々とのつながりの中でこまやかに描きあげた長編小説。
電子あり