講談社文芸文庫作品一覧

深夜の酒宴・美しい女
講談社文芸文庫
なぜ人間は生きねばならないのか――?
戦後文学のカリスマ椎名麟三の代表的2篇!
焼け残った運河沿いの倉庫を改造したアパートに蠢く住民達。瀕死の喘息患者、栄養失調の少年、売春婦の救いのない生態を虚無的な乾いた文体で描き、「重い」「堪える」の流行語と共に作家椎名麟三の登場を鮮烈に印象づけた「深夜の酒宴」。電車の運転の仕事を熱愛する平凡な男が現実の重さに躓きつつ生き抜く様を特異なユーモアで描く「美しい女」(芸術選奨)。戦後の社会にカリスマ的光芒を放った椎名文学の代表作2篇。
井口時男
この地上にあっては、「愛」も「自由」も「幸福」も相対的で不十分な偽物でしかありえない。しかし、「ほんとうにほんとう」のものとしての「美しい女」は、地上の偽物性や相対性を裁き糾弾するのではない。むしろそれは、まがい物たらざるをえない地上の存在の卑小さや滑稽さを許容し、ゆるめ、やわらげてくれるものだ。裁き糾弾するのは旧約の神だが、ゆるめ、やわらげてくれるのはキリストの「ユーモア」である。――<「解説」より>

夏の栞―中野重治をおくる―
講談社文芸文庫
文学的友情で支え合った中野重治との永遠の別れ。熱く深い思いで綴る感動の名作。ーー1979年8月、作家中野重治が逝去した。中野重治に小説家として見出された佐多稲子は、この入院と臨終に至るまでの事実を、心をこめて描いた。そして50年にわたる、中野重治との緊密な交友、戦前、戦中、戦後と、強いきずなで結ばれた文学者同士の時間を、熱く、見事に表現した、死者に対する鎮魂の書。毎日芸術賞・朝日賞を受賞した、感動の文学作品。※本書は、新潮文庫『夏の栞―中野重治をおくる―』(1989年)を底本として使用いたしました。
〇山城むつみ 佐多稲子はこの世界の誰よりも先に、佐多自身よりも先に中野にとって小説家だったのだ。中野を前にする彼女は何よりもまず小説家でなければならなかったはずである。そんな彼女が中野に向き直って中野を追悼するエッセイ、というよりもすぐれた批評文はすべて追悼文であるという意味での追悼文を書いてそれが小説になっても不思議はないのだ。中野が佐多のなかに見出したのは「小説家」であって「1人の女」ではなかった。――<「解説」より>

書物の解体学
講談社文芸文庫
欧米を代表する文学者思想家に批評の直感で挑んだ画期的作家論集! バタイユ、ブランショ、ジュネ、ロートレアモン、ミシェル・レリス、ヘンリー・ミラー、バシュラール、ヘルダーリン、ユング――現代の世界に多大な影響を与えた欧米の作家・詩人・思想家9人の著作は、翻訳を通じて、どこまで読み解くことが可能なのか。批評家としての経験のみを手がかりに、文字通り縦横無尽に論じた画期的作家論集。
◎三浦雅士<1960年代から70年代、さらに80年代にかけて、吉本隆明は、いまではちょっと想像もつかないほどの特異なオーラに包まれていた。片言隻句も聞き漏らすまいとする熱心な読者がひしめいていた。(略)小林秀雄を教祖と呼んだのは坂口安吾だが、小林の後に青年たちの教祖になったのが吉本だったと言って誤りではない。(略)読む者は、その理論の切れ味に、また感情の必然に、陶然とした。その指し示す方向に進みたいと願った。吉本には小林にはない実践者としての魅力があったのである。>(「解説」より)

箱庭
講談社文芸文庫
戦後20年、経済的にも物質的にも豊かになった日本社会。東京山の手を舞台に、一つのの屋敷内に住む、父母、長男夫妻、次男夫妻の世代の異なる3カップルが繰り広げる悲喜劇。主人公の長男・木俣学と、弟・修の妻・百合子の情事をきっかけに、「箱庭のようにせまく、息苦しくそのくせ形だけはととのっている」家族が、ゆっくりと、静かに崩壊してゆく姿と、その荒涼とした心の風景を描く力作。幸福な「家族」の静かな崩壊を描く長篇小説。
〇富岡幸一郎 この木俣家の人々は、「1億総中流」の時代のただなかで、あたかも「幸福」な家族の共同体を演じながら、すでにそこでずっと以前から残骸になっていたのではないだろうか。そして、それはただこの小市民的なインテリ家族のみならず、戦後の日本人の「家族」というものの、あまりにも戯画的な空洞の象徴といえるのではないだろうか。――<「解説」より>

常識的文学論
講談社文芸文庫
歴史小説、推理小説は「文学」に値するのか? ーー大衆文化の隆盛とともに、文学の世界においても、大衆小説や中間小説が文壇の主流へと登場しつつあった1960年代初頭。こうした流れを、純文学にとってかわるものとして擁護する批評家の言も含め、歴史小説や推理小説の実体を根底的に批判した、ポレミックな文学論。<『蒼き狼』論争>となった井上靖への批判、深沢七郎の『風流夢譚』批判、松本清張批判など、スリリングな文芸時評16篇。
「昨年中から大衆文学、中間小説の文壇主流進出を認容する論調があった。現象自体は現代の大衆文化進展の一環であり、別に不思議もないが、われわれの伝統や世界文学史に基いた文学の理念をこわしてまでこれを擁護しようとする批評家が一部にあった。(略)私はそれらに対して、文学の原理を争うのではなく、諸君の礼拝している淫祠邪教の実体はこれなのだ、と摘発する方法によった。」(「序」より)

青春の賭け 小説織田作之助
講談社文芸文庫
熱き友情と冷徹な作家の目が捉えた親友織田作の反逆と死!
戦後、虚脱と混乱の世相を体現するかのような烈しい生を、「可能性の文学」に殉じて壮絶な死で終わらせた織田作之助。三高での出会い、関西から東京へと共にした街歩きの青春、文学への熱情とデカダンスに駆られ自滅への道をひた走る流行作家の貌……。4篇の実名小説は、著者が親友に捧げた鎮魂の書であり、その文学の火種を95歳で亡くなるまで燃やし続けた“最後の無頼派”青山光二自身の青春の書である。
高橋英夫
戦争直後に太宰・織田・坂口らが担った「無頼派」「デカダン」という旗じるしを、文壇的に1歩2歩遅れて引き継ぐかたちとなった青山光二が、そっくりそのまま担ぐのではなく、人物たちに捻りを入れてばくち打ち、やくざに焦点を合わせ、色合いを変えたと見ることができる。もしそうだとすれば、この時期の青山光二は「新・無頼派」だったとも呼べなくはない。織田の死のあとで、織田との友情の残光のなかで、新しいジャンルが生まれたのである。――<「解説」より>

文学の楽しみ
講談社文芸文庫
本を読む喜び。大人のための文学案内。
「言葉を使うというのは言葉を生かすことであり、生きた言葉は喜びを覚えさせないではいない。」――言葉の可能性を最大限に生かすことに、文学の喜びがあり、文学が生命の表現であると定義する。既成の文学概念にとらわれない自由な姿勢と、鋭く豊かな感性を駆使し、古今東西の文学作品に親しんだ著者が、生きた言葉に出会う喜び、本を読むことの楽しみに読者を誘う。大人のための文学案内。
長谷川郁夫
言葉、言葉、言葉、と言葉のもつ本来のはたらきとその可能性を信じて、著者は文学のあるべき姿を描いて自在の境地に遊んだ。「文学の楽しみ」一書は、読者を精神の自由へと導くのである。「心をその常態に戻す」ことが文学の目的だった、と。至福の哲学。それが文学論の垣根を超えて、独自の人間論となったのは当然の帰結だった。――<「解説」より>

刻
講談社文芸文庫
二つの国と二つの言語。夭逝した芥川賞作家の内面の葛藤を描く長篇小説ーー若くして亡くなった、在日韓国人女性作家。日本で生まれ育ち、韓国人の血にわだかまりつつも、日本人化している自分へのいらだちとコンプレックス。母国に留学し直面した、その国の理想と現実への想い。芥川賞作家の女の「生理」の時間の過程を熱く語る長篇と、「私にとっての母国と日本」という1990年にソウルで、元原稿は直接韓国語で書かれた講演を収録。
◎アイデンティティを追求した李良枝の私小説は、「目に見えない」心のミステリーを解明しようとした鮮烈なテキストなのである。日本から、見知らぬ「母国」へやってきた「刻」の主人公は、だから、母語ではない母国語の文字の前で落ち着きを失う。その「私」の1日においては、だから、一刻一刻、親近感と距離感の間で心のゆらぎを覚えて、最終的には選ぶことができないのだろう。<リービ英雄「解説」より>

中原中也の手紙
講談社文芸文庫
若き日の手紙に遺された稀有なる友情の証!
中原中也を取り巻く青春群像の中で例外的に安定した温かい交友を持続させた安原喜弘。その手元に遺った100通は、現存する最多の中也書簡である。同人誌を共に立ち上げ、詩集『山羊の歌』出版のために献身、小林秀雄、大岡昇平、富永太郎等すべての仲間が中也と諍い去って行った後も、傍らに寄り添い、傷ましい魂の遍歴を見守りつづけた。中也の書簡と自身の回想で織りなす稀有なる友情の証。
秋山駿
手紙、手紙を書くということが、こんなに大切なものだったとは。1日、1日ずつが心の戦いの場であるような詩人にとっては、1日を乗り越えるために、大袈裟に言えば、1日を生き延びるために、手紙を書くことがある。(略)この本が明らかにしてくれるのは、「友」の物語である。こんなに深い「友」の存在があり、友との交流をこんなに深く描いたもの、というと、他にあまり類例がないのではないか。――<「群像」より>

ゴーストバスターズ 冒険小説
講談社文芸文庫
謎のゴーストを探し求めてアメリカ横断の旅に出るブッチ・キャシディとサンダンス・キッド。そしてBA-SHOとSO-RAもアメリカを旅し、「俳句鉄道888」で、失踪した叔父を探すドン・キホーテの姪と巡り合う。東京の空を飛ぶ「正義の味方」超人マン・タカハシは、ついにゴーストからの呼び出しを受ける……。隠されたゴーストの正体とは? 時空を超え、夢と現を超え、疾走する冒険小説。
時空を超え夢と現を超え疾走する痛快無比なる小説
謎のゴーストを探し求めてアメリカ横断の旅に出るブッチ・キャシディとサンダンス・キッド。そしてBA-SHOとSO-RAもアメリカを旅し、「俳句鉄道888」で、失踪した叔父を探すドン・キホーテの姪と巡り合う。東京の空を飛ぶ「正義の味方」超人マン・タカハシは、ついにゴーストからの呼び出しを受ける……。隠されたゴーストの正体とは? 時空を超え、夢と現を超え、疾走する冒険小説。
奥泉光
小説とは何か。小説はなぜ小説でなければならないのか。小説を書くことが、同時に小説というジャンルの秘密を探求する営みとなる。(略)「ゴーストバスターズ――冒険小説」は、小説というジャンルへの問いの痕跡がはっきりとみてとれる小説である。高橋源一郎はここで、自分が実際に書くことで、小説――とりわけ長編小説の秘密に迫ろうとしている。――<「解説」より>

折口信夫文芸論集
講談社文芸文庫
釈迢空の別名を持ち、学者にして詩人、詩人にして学者という生涯を送った折口信夫は、古代から近代にいたる日本文化を貫く本質をとらえ、詩歌、小説、文学研究、民俗学研究と他の追随を許さない多岐にわたる業績を残した。源氏物語、隠者の文学、短歌の滅亡、近代文学など折口が関心を寄せた日本文学の諸相を多彩な切り口で整理し、批評家としての全体像に迫る画期的評論集。

流域へ 下
講談社文芸文庫
ソ連崩壊前夜、故郷を追われた「同胞」の壮絶な体験を聞くために中央アジアを訪れた在日朝鮮人小説家・林春洙は西ドイツでの恋を思い出す。それは背徳の恋であり、祖国の分裂という問題が暗い影を落とす恋でもあった。政治の力に蹂躙された人々との出会いを経て、林春洙は民族、そして人間そのものに思いを馳せる。東西冷戦終結後の世界を見すえ、いち早くなされた文学的達成。
ひとりの在日朝鮮人作家がめぐる人間性回復をめざす旅。
解説、姜尚中
ソ連崩壊前夜、故郷を追われた「同胞」の壮絶な体験を聞くために中央アジアを訪れた在日朝鮮人小説家・林春洙は西ドイツでの恋を思い出す。それは背徳の恋であり、祖国の分裂という問題が暗い影を落とす恋でもあった。政治の力に蹂躙された人々との出会いを経て、林春洙は民族、そして人間そのものに思いを馳せる。東西冷戦終結後の世界を見すえ、いち早くなされた文学的達成。
李恢成
この小説は、中央アジアの高麗人(コリョイン)の問題を基軸にしながら朝鮮半島の南北問題、サハリン、さらには体制下の個人の恋愛問題なども含まれている。人間の心の中の「流域」はそれほど広漠としているということであろうか。――<「著者から読者へ」より>

流域へ 上
講談社文芸文庫
共産党一党独裁が終焉を迎えつつあった1989年夏のソ連、在日朝鮮人の小説家・林春洙とルポライター・姜昌鎬は中央アジアを当局の招待で旅している。スターリン体制下の1937年、極東沿海州を追われ中央アジアに強制移住させられた「高麗人」たちを訪ねるのが目的である。2人は故国喪失者の哀切の日々を知る――日本語文学として、世界的視野での表現への挑戦が始まる。
ソ連崩壊前夜の中央アジアで作家が見聞した「同胞」の苦難。世界を見すえた文学的達成!
共産党一党独裁が終焉を迎えつつあった1989年夏のソ連、在日朝鮮人の小説家・林春洙とルポライター・姜昌鎬は中央アジアを当局の招待で旅している。スターリン体制下の1937年、極東沿海州を追われ中央アジアに強制移住させられた「高麗人」たちを訪ねるのが目的である。2人は故国喪失者の哀切の日々を知る――日本語文学として、世界的視野での表現への挑戦が始まる。
姜尚中
『流域へ』という作品は、まさしく「在日文学」あるいは「日本文学」という「ホーム(故郷=家庭)」の「安全圏」を超えて、滔滔と流れる「世界文学」の「流域へ」と合流していく。李恢成文学の、そして在日文学、さらに日本文学の金字塔的な作品だ。――<「解説」(下巻に収録)より>

現代アイヌ文学作品選
講談社文芸文庫
言葉と文化への抑圧に抗しアイヌの魂を謳い上げた現代の叙事詩人(ユーカラクル)たち
口承文芸の精華・ユーカラを生み出したアイヌ民族は、近代以降、文化や言葉を抑圧され、長く沈黙を強いられた。そんな中から、神謡の日本語訳に若い命を燃やした知里幸恵、短歌にアイヌの苦悩と誇りを籠めたバチェラー八重子や違星北斗、民族と自己のアイデンティティを追求した鳩沢佐美夫、アイヌ語の弔詞に民族の世界観を凝縮した萱野茂などが現れた。現代アイヌ文学を代表する9人の作品を精選する画期的なアンソロジー。
川村湊
この本は、アイヌ民族の出自であることを明らかにしている筆者たちの作品を、文芸的なジャンルにこだわらず集めたものだ。(略)バチェラー八重子や知里幸恵の孤立した営みが、それぞれ違星北斗や森竹竹市が、また知里真志保が、その精神を受け継いだように、点は線となり、線は太い絆となって、「現代アイヌ文学」が成立したと私は考える。この本は、その初めてのアンソロジーの試みである。――<「解説」より>

画家小出楢重の肖像
講談社文芸文庫
画家小出楢重は、大阪生れの洋画家である。しかし、絵だけでなく名随筆家でもあった。彼の代表作である『Nの家族』『帽子を冠れる肖像』『蔬菜静物』『横たわる裸身』から、最後の作品『枯木のある風景』まで、楢重の生涯を、そして彼が離れられなかった関西の土地と文化を、大阪育ちの作家が見事に描きあげた平林たい子賞受賞作。

神屋宗湛の残した日記
講談社文芸文庫
闊達自在な老耄の境地を示す井伏文学の真髄。豊臣秀吉に寵愛された、博多の豪商茶人神屋宗湛の日記から、秀吉の茶会の人間模様を浮き彫りにした表題作他「うなぎ」「質流れの島」「雷鳥」など七作品を収録。
闊達自在な老耄の境地を示す井伏文学の真髄
豊臣秀吉に寵愛された、博多の豪商茶人神屋宗湛の日記から、秀吉の茶会の人間模様を浮き彫りにした表題作他「うなぎ」「質流れの島」「雷鳥」など七作品を収録。

詩とダダと私と
講談社文芸文庫
吉行文学の抑えた描写に垣間見える詩情――学生時代、萩原朔太郎に影響を受けての詩作が、その文学的出発となった作家の、生涯変わらぬ本質の現れであった。若き日に書いた詩の数々、苦悩の中で文学を志した戦中戦後の回想、昭和初期文壇で異彩を放った父エイスケの詩篇、恩師が翻訳した「ダダの歴史」をあわせて収録。吉行淳之介の全体像把握に必須のユニークな詩文集。
吉行文学の原点というべき若き日の詩篇
小説作品において性を媒介とした人間関係を描きつづけた作家の原点には、若き日に綴った詩の数々があった。
ダダイストの父・吉行エイスケの詩篇もあわせて収録。

桃の宿
講談社文芸文庫
少年のような純粋さと熟成した観察眼。阿川弘之のユーモアと達意の文章の厳選随筆。

野菜讃歌
講談社文芸文庫
丘の上の家に移り住んで幾十年が経ち、“禿山”だった庭には木々や草花が育ち、鳥達が訪れる。巣立った子供や身近な人々の間を手作りや到来の品が行き交い、礼状に温かく心が通い合う。「野菜が好き」と語り出す食べ物の話、父母や師友への追懐、自作の周辺等、繰り返しとみえてその実同じではあり得ない日常を、細やかな観察眼と掌で撫でさする慈しみを以て描き静かな感動を誘う随筆43篇に、中篇「私の履歴書」を併録。
平穏な日常を描き続けた庄野文学の最終章!
『夕べの雲』など、家族の平凡な日常を静かな筆致で描く庄野文学。
小説と随筆の間の独特の世界はその死まで変わることなく続いた。
「私の履歴書」併録の随筆集。

冬の宿
講談社文芸文庫
暗い日々から抜け出し春へ向かう感動の作品
大学生の「私」が、下宿する一家の暗い日常。不安な世相の中で、「冬」という季節感を背景に見事に描かれた、昭和十年代前半の感動的なベストセラー小説。