講談社学術文庫作品一覧

純粋理性批判(3)
講談社学術文庫
前巻で論じた「分量」「性質」「関係」「様相」という四種の範疇を手引きとして、カントは四種の二律背反を設定する。 いかにしてこれらの矛盾する認識を調停していくかが本巻の読みどころである。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
前巻で論じた「分量」「性質」「関係」「様相」という四種の範疇を手引きとして、カントは四種の二律背反を設定する。こうした矛盾に対して懐疑的絶望に惑溺したり、あるいは無謀なる独断論を振るって自説を頑強に固守するのは、いずれも健全な哲学の死であるとする著者が、いかにしてこれらの矛盾する認識を調停していくかが本巻の読みどころである。「純粋理性の理想」では、、最高存在体たる「神」の存在は果たして証明できるかという問いに挑戦する。。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、iPadでの閲読を推奨します。

長安の春
講談社学術文庫
名著、復刊。
石田博士は、長安の都、ならびにその時代に生きた人々の生活を、みごとに再現してみせてくださった最初の学者である。私は『天平の甍(いらか)』、『楊貴妃伝』その他何篇か、唐時代の長安を取り扱った小説を書いているが、いつも「長安の春」の恩恵を蒙ること大なるものがある。私にとって、この本は辞書であり、参考書であり、そしてそれ以上に、長安を書く場合に座右からはなすことのできない護符のようなものである。――(井上靖氏解説より)

禅とはなにか
講談社学術文庫
今日、禅に対する人々の関心はますます高く、禅は、もはや我が国のみならず全世界的なものとなりつつある。だが、禅を知り、禅を理解し、禅を行なうことは極めてむずかしい。本書は、著者自らの真摯な禅修行の体験と仏教学者としての深い学識に裏付けられた研究成果をもとに、禅の思想とその歴史、禅の生活、さらに禅を現代にどう生かすか、その具体的な修行方法にいたるまで、禅とはなにかを平易に説き明かした待望の入門書である。

純粋理性批判(2)
講談社学術文庫
カントの思考方法をもっとも忠実に日本語に置き換えた天野訳の妙味がいかんなく発揮された珠玉の名篇。本巻では「純粋悟性とはいったい何か」「純粋理性とはいったい何か」が明らかにされ、範疇としての純粋悟性概念、理念としての純粋理性概念の論理体系が、徹底的に追及される。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
カントの批判哲学の真髄を余すところなく伝える天野貞祐訳『純粋理性批判』は、わが国の哲学界にとって、まさに時代の金字塔であった。前巻に引き続き、カントの思考方法をもっとも忠実に日本語に置き換えた天野訳の妙味がいかんなく発揮された珠玉の名篇。本巻では「純粋悟性とはいったい何か」「純粋理性とはいったい何か」が明らかにされ、範疇としての純粋悟性概念、理念としての純粋理性概念の論理体系が、徹底的に追及される。※。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、iPadでの閲読を推奨します。

純粋理性批判(1)
講談社学術文庫
カント哲学の厳密な方法と徹底性の精神を忠実に日本語に置き換え、論理的形式性においてとくに優れている点が天野訳の特徴である。第一巻には、訳者の解説と、先験的原理論のうち、先験的感性論、先験的論理学第一篇がふくまれる。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
三十年の歳月をかけて、天野貞祐が取り組んだカントの『純粋理性批判』の全訳は、長く絶版となっていたが、電子書籍となってふたたび世にでることになった。カント哲学の厳密な方法と徹底性の精神を忠実に日本語に置き換え、論理的形式性においてとくに優れている点が天野訳の特徴である。第一巻には、訳者の解説と、先験的原理論のうち、先験的感性論、先験的論理学第一篇がふくまれる。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、iPadでの閲読を推奨します。

今昔物語集(二)
講談社学術文庫
今昔物語集巻二は主として釈尊の説法霊験説話を収める。巻一が釈尊伝に続き、釈尊の姿・行動すなわち身相によって衆生を救い導く話を中心に釈尊の偉大性を示そうとするものであったが、本巻は説法すなわち口相によって衆生済度(しゅじょうさいど)を行なう話を主に釈尊を賛嘆する。その説法は過去・現在・未来にわたる人々の因果を教えるものであり、そこに天竺の国王・長者から乞食・奴隷に及ぶさまざまな人間の苦楽の人生が興味深く捉えられている。

経済学の学び方
講談社学術文庫
「私は、普通の教科書ではひじょうに簡単にしか書かれていないようないくつかの基礎的な問題を、ていねいに解説してみることにしました。……この本のもう一つの特徴は、いわゆる近代経済学か、マルクス経済学か、というような原理体系の対立に一つの解決をつけていることです。……しかし、もっと重要なことは、この本が、応用可能な原理をみずから体得してもらおうという姿勢で書かれていることです」(著者「まえがき」より)

近世日本国民史 開国日本(4)
講談社学術文庫
嘉永・安政の時代、露・米・英・仏諸国は東洋における覇権の中心を日本に向けているのか観を呈し、しかもその間、露国対英・仏のクリミヤ戦争が出来、日本を交戦国の舞台たらしめんとする危険を生ず。時に露国、米国との条約締結をたてにして開国を迫りその交渉最も繁多、葛藤最も難渋、衝突最も激甚を極む。かくて日本は米に次いで露・英・蘭との条約を締結。ここに徳川鎖国制度は打ち破られ、開国日本の曙は招来されたのだった。

存亡の条件
講談社学術文庫
西欧・アメリカ・中ソ――我々には常に先達があり、その模倣こそが我々の生きる唯一の方法論であった。しかし模倣ですむ幸福な時代は去った。苛烈な国際社会を自らの思考と方法で生きねばならぬ今日、一等必要なのは明確な自己把握とその他国への伝達である。そのような視点か試みられた日本再認識の企てが本書である。ここでは著者の犀利な筆によって思いがけない日本文化の基本型が明らかにされ、鮮烈な自己規定が実現されている。

ニコライの見た幕末日本
講談社学術文庫
ニコライ堂で知られるロシア正教の宣教師ニコライは、幕末・維新時代の激動の渦中に日本に渡り、函館を本拠地に布教活動を行った。本書は、そのニコライがつぶさに見た日本の事情を、祖国の雑誌に発表したものである。日本の歴史・宗教・風習を、鋭い分析と深い洞察を駆使して探求し、日本人の精神のありよう、特質を見事に浮き彫りにしている。「日本人とは何か」を考える上に、多くの示唆を与える刮目すべき書である。本邦初訳。

近世日本国民史 開国日本(3)
講談社学術文庫
安政元年正月八日露艦長崎を去る。十四日ペルリ急遽艦船七隻を率いて再び江戸湾に来航、日米条約草案を幕府に手交。水戸齊昭ここに至って攘蝦論を譲るも、交易・通信の二条反対を立て、自ら天下の志士の望みを繋ぐ。三月、幕閣は鎖国の祖法を棄て、神奈川条約を締結。時に吉田松陰・金子重輔、米艦に乗じて密航を企つも志成らず、不運を悲しみつつ、蕭然として舷を降りる。提監、両名に対する日本政府の寛典を希いつつ日本を去る。
安政元年正月八日露艦長崎を去る。十四日ペルリ急遽艦船七隻を率いて再び江戸湾に来航、日米条約草案を幕府に手交。水戸齊昭ここに至って攘蝦論を譲るも、交易・通信の二条反対を立て、自ら天下の志士の望みを繋ぐ。三月三日、幕閣は鎖国の祖法を棄て、神奈川条約を締結。時に吉田松陰・金子重輔、米艦に乗じて密航を企つも志成らず、不運を悲しみつつ、蕭然として舷を降りる。提監、両名に対する日本政府の寛典を希いつつ日本を去る。

とりかへばや物語(3) 秋の巻
講談社学術文庫
平安末期成立の『とりかへばや』は、女性的な気質の兄君と男めいた気性の妹君とが、それぞれ女装男装して、華やかな宮廷生活に悲劇喜劇の渦をまきおこす物語。第3冊秋の巻は、妊娠した男装の姫君が、相手の男の宇治の別荘に身を隠し女装にもどって出産。妹の身を案じ男装にもどって京を脱出した兄君と再会し、吉野山で日をすごすが、兄は妹の演じていた右大将に、妹は兄の演じていた尚侍になりすまして京にもどるまでの話(全4巻)

近世日本国民史 開国日本(2)
講談社学術文庫
嘉永六年六月、ペルリ提督軍艦四隻を率いて浦賀に闖入。威嚇された幕府は挙措を失し、老中阿部正弘諸侯に対策を諮問、幕府の権威ここに失墜。時に家慶死し、家定将軍職を襲ぐや蝦夷派の巨魁水戸齊昭幕政に参与。ここに高島秋帆ひとり鎖攘の非を指斥し、開国意見書を提出。幕府の対外政策なお飯上の蠅を追うがごとくその退帆を願うのみ。七月、露国プッチャーチン長崎に入港。交易を乞う。開明派官僚川路聖謨らその渉に当る。
嘉永六年六月、ペルリ提督軍艦四隻を率いて浦賀に闖入。威嚇された幕府は挙措を失し、老中阿部正弘諸侯に対策を諮問、幕府の権威ここに失墜。時に家慶死し、家定将軍職を襲ぐや蝦夷派の巨魁水戸齊昭幕政に参与。ここに高島秋帆ひとり鎖攘の非を指斥し、開国意見書を提出。幕府の対外政策なお飯上の蠅を追うがごとくその退帆を願うのみ。すでにして七月、露国プッチャーチン長崎に入港。交易を乞う。開明派官僚川路聖謨らその渉に当る。

神話の話
講談社学術文庫
われわれの記憶のなかには、淡く太古の痕跡が生き残っている。何んの本で読んだともなく、だれから聞いたともなく知っている話、そこには神話の世界につながる或るものが棲んでいる。本書は、このような今も生きている世界各地のいろいろな神話、人類の起源にもつながる多種多様な神話を、箇々の神話の具体例を通して、人類文化史上に占める地位、神話の意味などを考察し、要所には分布図を入れて、大観しながらやさしく概説した。

日本霊異記(中) 全訳注
講談社学術文庫
日本霊異記(上・中・下)3巻は、日本最古の仏教説話集で、奈良末期に成った。全篇約120話が年代順に配列されており、この中巻の説話は、聖武天皇ごろの42話。第1話は長屋親王(ながやのおおきみ)(天武天皇の皇孫、太政大臣)の冤罪、服毒自殺事件だが、卑賤の僧を傷つけた罪の報いと説く。第3話では、九州に遺された武蔵国多摩郡(むさしのくにたまのごおり)の防人が、若妻を愛する余り、母親を殺害しようとして地獄に落ちる。この種の腥(なまぐさい)い強烈な因果応報談が多い。

中国古典名言事典
講談社学術文庫
中国文学の碩学が8年の歳月をかたむけ、厖大な中国の古典のなかから4800余の名言を精選、簡潔にして分かりやすい解説を付した卓越せる名言名句集。どの章句にも古典の英知・達人の知恵・人間のドラマが宿っており、人生を生きる指針にみちている。激動の時代を生きる現代人が座右に置いて、あらゆる機会に再読・三読すべき画期的な辞典である。実用の便に詳細な目次と索引、人物略解を付した。

近世日本国民史 開国日本(1)
講談社学術文庫
ペルリ来航は、我が国が徳川鎖国政策を破り近代国家へ進む象徴的事件であった。が、時代を語るには、その以前を語らねばならぬとする蘇峰は、来航以前の形勢を論ずるに、幕府の対外防備の嚆矢を寛政の松平定信に見「定信の遺志を紹成する者であらば、嘉永の末、安政の始めに至りて、周章狼狽をしなかったであろう」と嘆じ、開国前夜の内憂外患、警鐘乱撞に対する当局の拱手怠慢を指摘し、その崩壊は内部に胚胎していたと洞察する。
ペルリ来航は、我が国が徳川鎖国政策を破って近代国家へ進む象徴的事件であった。が、時代を語るには、その以前を語らねばならぬとする蘇峰は、来航以前の形勢を論ずるに、幕府の対外防備の嚆矢を寛政の松平定信に見「定信の遺志を紹成する者であらば、嘉永の末、安政の始めに至りて、周章狼狽をしなかったであろう」と嘆じ、開国前夜の内憂外患、警鐘乱撞に対する当局の拱手怠慢を指摘し、その崩壊は内部に胚胎していたと洞察する。

十六夜日記・夜の鶴
講談社学術文庫
歌道家の名誉を守り、一家の生活を支えるため、亡夫の遺産は横領されてはならない。必死の思いで、阿仏は高齢60歳に近い身を、訴訟のため鎌倉にはこぶ。異郷滞在4年、判決を見ぬまま阿仏は死んだ。が、書きのこされた『十六夜日記』は、訴訟に勝つことよりもずっと高い価値をもって、文学史の上に生きている。『夜の鶴』は、阿仏がさる貴人の依頼で書いた和歌の入門書。具体的で平易な記述の中に、確かな知識と信念がうかがわれる。

平家物語(一)
講談社学術文庫
「おごれる人も久しからず」と物語冒頭に語るように、権力を握り、専横を極めた平清盛の行動は、平氏一門の運命を栄華の座から、滅亡へと回転させた。『平家物語』はこの滅びの過程を、歴史的動乱の全体像として語り、その変革期に固有多様な行動的人間を登場させている。日本史上もっともあざやかな転換期の全容を語る叙事詩『平家物語』は中世を代表する古典であり、かつ民族的遺産として命長く読みつがれるであろう。(全12巻)

言志四録(2) 言志後録
講談社学術文庫
第2巻には、「言志後録」255条をおさめる。佐藤一斎が、57歳からの約10年間に記した語録であり、人が日々の生活のなかで決して忘れてはならない心得、また、豊かな人生を送るための心構えが味わい深く説かれる。全編にちりばめられた、これら珠玉の言葉に触れるとき、読者は心の琴線が高鳴るのを覚えずにはいられない。巻末に「重職心得箇条」を付す。人の上に立ち、部下を統率して行く者の心掛けが、余す所なく説かれる。