講談社学術文庫作品一覧

大日本人名辞書(2)
大日本人名辞書(2)
編:大日本人名辞書刊行会,装丁:菊池 薫,その他:蟹江 征治
講談社学術文庫
「大日本人名辞書は、国史大系と共に、故田口博士が我学界に遺される二大偉業たり。想うに本書は、単に本邦人名辞書の嚆矢たるのみならず、その代表的のものとして殆ど唯一のものたり。その博綜網羅、殆ど遺す所無く、版を重ねるに随うて屡々訂正増補を加え、その利用の範囲いよいよ広くして、ただに学者文人のみならず、また好古玩古の士の座右必須の伴となり、日常暫くも欠くべからざる書となれり」」(辻善之助氏序文より) 「大日本人名辞書は、国史大系と共に、故田口博士が我学界に遺される二大偉業たり。想うに本書は、単に本邦人名辞書の嚆矢たるのみならず、その代表的のものとして殆ど唯一のものたり。その博綜網羅、殆ど遺す所無く、版を重ねるに随うて屡々訂正増補を加え、その利用の範囲いよいよ広くして、ただに学者文人のみならず、また好古玩古の士の座右必須の伴となり、日常暫くも欠くべからざる書となれり」(辻善之助氏序文より)
電子あり
大日本人名辞書(1)
大日本人名辞書(1)
編:大日本人名辞書刊行会,装丁:菊池 薫,その他:蟹江 征治
講談社学術文庫
本書は、明治十九年初版発行、昭和十一年新訂版発行、昭和四十九年に小社より復刻版を刊行した『大日本人名辞書』(全五巻)をそのままの内容で縮刷し、学術文庫に収録するものである。本書はもと田口卯吉の編集にかかり、独創的な名辞典として広く流布普及した。以来半世紀にわたって改訂増補を重ね、ここにみる「新訂版」として完成した。人物の網羅、記事の精確、収録の広汎等我が国人名辞典の王者として不朽の名著である。
電子あり
社会主義
社会主義
著:マックス・ウェ-バ-,訳:浜島 朗
講談社学術文庫
マルクスは、所有理論に基づいて資本主義を批判し社会主義への展望を打ち出したが、それは「支配の社会学」を閑却していた。本書は、歴史は合理化の過程であるという観点から、社会主義のもつ歴史的宿命、すなわち、官僚制の強大化を指摘したウェーバーの講演の全訳・解説である。ウェーバーの洞察は、現代社会主義の抱える諸問題を鋭くつき、われわれを驚嘆せしめる。社会主義に対決するウェーバーの姿勢を知るうえの格好の書である。
ギリシャ正教
ギリシャ正教
著:高橋 保行
講談社学術文庫
キリスト教といえば西洋のものと考える人が多い。しかし、キリスト教初代からの伝統をいまなお保持しているギリシャ正教を知ると、その見方が誤まりであることに気がつく。ビザンチン文化やドストエフスキイの思想などを通して断片的に知られているにすぎないこのギリシャ正教の全貌を、本書はわが国で初めて体系的に紹介するとともに、西洋のキリスト教とその文化の原泉を問い、私たちの通念そのものをただす注目の書である
茶器と懐石
茶器と懐石
著:桑田 忠親,装丁:志賀 紀子,その他:蟹江 征治
講談社学術文庫
(本書では)茶の湯をおこなううえにおいて欠くべからざる茶器の起源・変遷、名物茶器の由来、それにまつわる逸話などを紹介してみた。そして、唐物、高麗・李朝物、南蛮物、和物など、あらゆる茶器の名品が、いかなる茶人たちによってその真価を認められ、珍重されたかなどについて詳述した。また、懐石のほうは、史上における一流茶人の懐石料理や器具の実例を紹介し、現代の懐石のありかたについて、一言批判を添えた。(「まえがき」より)
仏陀のおしえ
仏陀のおしえ
著:友松 円諦
講談社学術文庫
著者は、明治・大正・昭和を通じ、二千五百年の伝統ある仏教を、再び世に活かしえた天才であった。本書は、実践と学問を通じて現代人の真の仏教とは何かを把握した著者が、日本仏教諸宗派を総括し、仏教の内容をなす三つの不変なるもの、すなわち、仏・法・僧の「三宝」を中心にして、仏陀のおしえの根本義を誰にでも理解できる平易な言葉で著した最高の仏教入門書である。仏教という巨大なおしえの最重要の問題点が説かれている。
近世日本国民史 西南の役(五) 熊本城攻守篇
近世日本国民史 西南の役(五) 熊本城攻守篇
著:徳富 蘇峰,その他:平泉 澄,その他:蟹江 征治,装丁:志賀 紀子
講談社学術文庫
「天下人心の向背は、この一挙にあり!」、熊本城を抜くか、これを守備するか。瀑布の落下するごとく城下に雪崩込む薩軍の前に、鎮台司令長官谷千城は「守備戦略」をもって対峙。しかも、政府軍は有栖川宮をいただき、第一、第二旅団を派遣、掎角の策に出る。対する薩軍の眼中には熊本城はなく、鎧袖一触、これを蹴破すべしとなし、何ら計画準備なくいたずらに精兵を堅城の下に疲困せしめ、ついに消極戦をもて始終するに至った。
電子あり
類語の辞典(下)
類語の辞典(下)
編:志田 義秀,編:佐伯 常麿
講談社学術文庫
収録語例【酒】竹葉(ちくよう)、玉友(ぎょくゆう)、甘波(かんぱ)、花露(かろ)、雲泉(うんせん)、香泉(こうせん)、春蟻(しゅんぎ)、黄雲(こううん)、杏村(きょうそん)、天乳(てんにゅう)、如華(じょか)、白玉(はくぎょく)、真一(しんいつ)、忘憂(ぼうゆう)、洞庭春(どうていしゅん)、慶雲香(けいうんこう)、養生主(ようじょうしゅ)、大平君子(たいへいくんし)など、約200の類語を収録。さらに157項目にわたって、地酒(じざけ)、雪見酒(ゆきみざけ)、古酒(こしゅ)、錦絲主(きんししゅ)、菊酒(きくざけ)、菖蒲酒(しょうぶしゅ)、薄荷酒(はっかしゅ)、清白酒(せいはくしゅ)、拳酒(けんざけ)、黒酒(くろき)、聞酒(ききざけ)、延命酒(えんめいしゅ)、礼酒(れいしゅ)、など、酒にまつわる各種用語を分類・解説する。古語・俗語・方言・敬語・美称・謙称をあまねく網羅し、語彙・文章表現力が飛躍的に高まる。
類語の辞典(上)
類語の辞典(上)
編:志田 義秀,編:佐伯 常麿
講談社学術文庫
本書は、明治42年に初版発行、昭和49年に小社より復刻刊行した『日本類語大辞典』を、そのままの内容で上下2巻に分かち、学術文庫に収録するものである。本書は、我が国における「類語辞典」の嚆矢としての名誉を担うばかりでなく、質量ともに空前絶後、今日なおこれを凌ぐ「類語辞典」は世に出ていない。豊富な語彙とすぐれた解説は、現代語と鮮明度の限界を補って余りあり、今後も決して生命を失うことのない名辞典である。
明治維新と日本人
明治維新と日本人
著:芳賀 徹,その他:蟹江 征治,装丁:千葉 雅哉
講談社学術文庫
幕末明治の日本人は、襲いかかる西洋文明の大波に、どう対応したのだろうか。また、欧米列強に伍して国を立ち行かせるために、どう苦心したのだろうか。著者は、“比較文化”という視点から明治日本の「近代化」現象を透視し、清新な史眼と溌刺たる文体とによって、幕末維新史の類(たぐい)稀れな見取図を描き出すことに成功した。ことに維新・「近代化」の根源に、幕末明治日本人の「『内発的』な要請」を見出し、論証し、従来の通説を一歩深めた。
中国思想
中国思想
著:宇野 哲人
講談社学術文庫
本書は、中国哲学を論ずるに西洋哲学の方法をとり入れ、漢学の再構成を試みた著者が、上古より清朝末にいたる中国思想の大要を、極めて平易簡明に叙述した。劃期的な名著。なかんずく、清朝における学術思想の変遷が、いかに暗々裏に清朝の滅亡を招き、共和政体の建設をなすにいたらしめたるか、という歴史的考察は、学問思想が一見したところ、社会とは無関係のようでありながら、実は重要な関係にあることを指摘したものといえよう。
中国古代の民俗
中国古代の民俗
著:白川 静
講談社学術文庫
魯迅の弟、周作人に始まる中国の民俗学研究の歴史は浅く、研究方法もいまだ模索の段階にある。本書は「古代文字の構造を通じて考えられる古代人の生活と思惟、古代歌謡としての詩篇の発想と表現とを通じてみられる生活習俗のありかた、そしてそれによってえられたところのものをわが国の古代の民俗的な事実と対応させながら比較」考察するという3つの方法をもって、未開拓の中国民俗学研究という分野に正面から取組んだ労作である。
日本人の言霊思想
日本人の言霊思想
著:豊田 国夫,装丁:菊池 薫,その他:蟹江 征治
講談社学術文庫
古代の人は言葉に精霊が宿ると信じ、霊妙な力が人の幸不幸を左右すると考えた。これらの痕跡を、文献・伝承等に探り、祝詞の言霊・万葉人の言霊・仏教の言霊・名に宿る精霊・近世国学者の言霊観などの諸相に捉え、「言事融即」の観点から精細に考察する。外からの押付け言語政策、民族語のもつ母語固有の言霊、自国憲法に言語規定をもつ諸国、言語不信をかこつ言論、汎言語主義の病弊など、爼上に究明して言霊思想の回帰点に及ぶ。
近世日本国民史 西南の役(四)
近世日本国民史 西南の役(四)
著:徳富 蘇峰
講談社学術文庫
今般政府へ尋問の筋これ有り! 西郷は刺客事件を名分として遂に立った。自ら手を拱して、官兵の来討を待つか、進んで我自ら蹶起するか。弾薬奪掠事件により、矢はすでに弦を離れ、砲丸はすでに砲口を飛び出していた。今更、西郷一人が沈吟、狐疑すべき場ではなかった。が、果たして西郷の本意は、私学校党に擁せられたるか、自らの意思でか。史家の公平なる観察は、騎者が犠牲者ならば、虎もまた犠牲者だったと結論する。 今般政府へ尋問の筋これ有り!、明治十年二月、西郷は刺客事件を名分として遂に立った。自ら手を拱して、官兵の来討を待つか、進んで我自ら蹶起するか。弾薬奪掠事件により、矢はすでに弦を離れ、砲丸はすでに砲口を飛び出していた。今更、西郷一人が沈吟、狐疑すべき場ではなかった。が、果たして西郷の本意は、私学校党に擁せられたるか、自らの意思でか。史家の公平なる観察は、騎者が犠牲者ならば、虎もまた犠牲者だったと結論する。
電子あり
言志四録(3) 言志晩録
言志四録(3) 言志晩録
著:佐藤 一斎,その他:川上 正光
講談社学術文庫
第3巻には、「言志晩録」292条をおさめる。佐藤一斎が、67歳より78歳までのおよそ12年間に書き記した文章である。学問修養・倫理道徳から政治法律・風流韻事に至るまで、人間生活のあらゆる局面における身の処し方・心構えが説かれている。政治家も実業家も学者も若者も、それぞれの立場に応じて味読すべき金言の宝庫である。異色の訳注者の手になる現代語訳と解説は、溌刺自在。古典を現代に活き活きと甦えらせた。
近世日本国民史 西南の役(三)
近世日本国民史 西南の役(三)
著:徳富 蘇峰
講談社学術文庫
征韓論争に敗れた西郷は飄然として薩南に帰り悠々自適高士の境地に消光していた。彼の一身は極めて静的であったが、彼の周辺は頗る動的であった。即ち、西郷出でずんば蒼生を如何せんと、天下を挙げてその蹶起を促すの時を待つ。時に川路大警視は薩摩郷士中原を密偵として鹿児島に潜入せしめ私学校党の難間を策す。他方、政府は火薬庫移転の挙を断行。これが導火線となって弾薬椋奪事件を惹起。遂に事情切迫の事態を招くに至る。 征韓論争に敗れた西郷は飄然として薩南に帰り悠々自適高士の境地に消光していた。彼の一身は極めて静的であったが、彼の周辺は頗る動的であった。即ち、西郷出でずんば蒼生を如何せんと、天下を挙げてその蹶起を促すの時を待つ。時に川路大警視は薩摩郷士中原尚雄を密偵として鹿児島に潜入せしめ私学校党の難間を策す。他方、政府は火薬庫移転の挙を断行。これが導火線となって弾薬椋奪事件を惹起。遂に事情切迫の事態を招くに至る。
電子あり
日本霊異記(下) 全訳注
日本霊異記(下) 全訳注
その他:中田 祝夫
講談社学術文庫
日本霊異記(下)は、中巻の時代の後を受け、奈良時代末期稱徳天皇(764)から平安時代初頭嵯峨天皇(822)にわたる説話を載せる。全39話。凄惨激烈な血族間の政権争奪と権力闘争―その結果として、平城京から長岡京遷都、さらに平安京への再遷―の難世相が説話の隙ににじみ出ている。編者景戒という一人格の、艱難に苦吟した人生の告白が、烈々の句となり、深沈たる文章となって読者を魅きつけるのも(第38話)巻下の特色といえる。
和泉式部日記(上)全訳注
和泉式部日記(上)全訳注
その他:小松 登美
講談社学術文庫
『和泉式部日記』は、情熱の女流歌人和泉式部と冷泉天皇第四皇子敦道親王との恋の始まりから、和泉が宮邸に迎えられて入り、宮の北の方がついに宮邸を去るまで約10ヶ月の恋を描いてる。全編140余首に及ぶ2人の愛の歌によって彩られ、盛り上げられて行くこの日記は、歌日記と呼ばれるとともに、女主人公和泉式部を三人称的に記述している点や、和泉式部の視界外の世界の描写をも含む点で、物語的様相をも示している。(全3巻)
近世日本国民史 西南の役(二) 神風連の事変篇
近世日本国民史 西南の役(二) 神風連の事変篇
著:徳富 蘇峰,その他:平泉 澄,装丁:蟹江 征治,レイアウト・その他:志賀 紀子
講談社学術文庫
幕末の肥後に甚大なる感化をおよぼした横井小楠と林櫻園。共に時習館に学ぶも己の主張により門戸を開く。小楠は天を説き政教一致に及び、攘夷論より一変して開国論に転じ凶刃に倒る。櫻園は神を説き神人一致に及ぶ。櫻園の遺志を継ぐ太田黒伴雄らは神風連を結成、明治九年十月蹶起。が、彼らの死を賭した欧米化への一大抗議も全国的にはほとんど閑却、やがて来らん薩南一隅の黒雲が天を圧しつつあったことがその主な理由だったか。
電子あり
近世日本国民史 西南の役(一) 萩秋月等の事変篇
近世日本国民史 西南の役(一) 萩秋月等の事変篇
著:徳富 蘇峰,その他:平泉 澄,装丁:蟹江 征治,レイアウト・その他:志賀 紀子
講談社学術文庫
征韓論の破裂によって明治政府の基礎は動揺。大久保・木戸と相容れざる西郷と前原は野に在って政治を牽制。天下の不平党皆西郷出でずんは蒼生を如何せんと、随所に天下の変を待つ。前原起つか、西郷起つか。時に肥後・秋月・萩の同盟成り、九年十月二十四日上風連蹶起、次いで秋月起ち、二十八萩も起つ。然るに同盟の藩々遅疑反覆、遂に鎮圧さる。世間これを内乱の前奏曲と視、天下いずれも領を延ばし西郷の早晩蹶起するを期待す。
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