講談社学術文庫作品一覧

武士の家訓
武士の家訓
著:桑田 忠親
講談社学術文庫
乱世を生きた武将の体験にもとづく叡智の結晶、家訓。教養の深さと死生観念の鋭さとが表れたその教えには、武士の処すべき正しい道が説かれている。本書は、北条早雲、毛利元就、武田信繁、織田信長、豊臣秀吉、黒田如水、加藤清正、徳川家康ら23人の代表的家訓を現代語訳し、解説を施した。戦国の雄たちは、子孫や家臣に何を伝えようとしたのか。 元就・早雲・信長・秀吉・如水・清正・家康―― 乱世を生きた武将たちの経験にもとづく教えとは 乱世を生きた武将の体験にもとづく叡智の結晶、家訓。教養の深さと死生観念の鋭さとが表れたその教えには、武士の処すべき正しい道が説かれている。本書は、北条早雲、毛利元就、武田信繁、織田信長、豊臣秀吉、黒田如水、加藤清正、徳川家康ら23人の代表的家訓を現代語訳し、解説を施した。戦国の雄たちは、子孫や家臣に何を伝えようとしたのか。 わが国においては、家を重んずる立場から、家法や家訓と称するものがたくさん作られた。それらの掟や教えは、家々を守り抜く力でもあり、生命でもあった。ことに、系統にかかわらず、世襲になずまず、力をもって自家の前途を開拓することによって、世を率い国を治めんとした武士の家においては、家法や家訓は、なくてはならぬものであった。――(本書「序説」より)
電子あり
龍馬の手紙
龍馬の手紙
著:宮地 佐一郎
講談社学術文庫
動乱の幕末、激しく逆巻き流動する時代の潮流の中、志高く歴史の舵をきり、駆け抜けていった坂本龍馬。自由な発想、並外れた機智、豁達な行動力、奔放な活躍。壮大な国家構想から姉や姪あての心暖まる私信まで、時に茶目気を見せ、喜びや苦悩などの真情も吐露する、計139通の手紙を網羅。関係文書や詠草も収録。幕末の異才、龍馬の青春の軌跡が鮮やかに浮かび上がる。
「いき」の構造
「いき」の構造
著:九鬼 周造,その他:藤田 正勝
講談社学術文庫
粋とは何か―― 日本文化を読み解く独創的哲学を懇切な注・解説でやさしく読む 「粋」とは何か? 横縞より縦縞が、赤・黄色より茶・鼠色が「いき」なのはなぜか? 著者はヨーロッパの哲学を下敷きに、歌舞伎、清元、浮世絵、文様等々の芸術各ジャンルを横断し、この美意識に潜む「異性への媚態」「江戸文化の意気地」「諦めと恬淡」を解読していく。生きた現実を哲学的に解明した名著に、豊富な注・解説を施して読む全注釈版。 生きた哲学は現実を理解し得るものでなくてはならぬ。我々は「いき」という現象のあることを知っている。しからばこの現象はいかなる構造をもっているか。「いき」とは畢竟わが民族に独自な「生き」かたの一つではあるまいか。現実をありのままに把握することが、また、味得さるべき体験を論理的に言表することが、この書の追う課題である。――(本書より)
パイオニア・ウーマン
パイオニア・ウーマン
著:ジョアナ・ストラットン,訳:井尾 祥子,訳:当麻 英子
講談社学術文庫
女性たちが輝いていた時代 アメリカ開拓は男たちだけの仕事ではない 米国生活史の貴重な記録 一人の女学生が祖母の家の屋根裏部屋で、偶然発見した書類の束。それはカンザスの開拓女性たちの喜びと悲しみの記録だった――。大草原の開墾、自然の猛威、先住民との衝突。次々と迫りくる開拓の困難と、それを克服した家族やコミュニティーの絆を、800人の貴重な証言をもとに鮮やかに描き出す。アメリカがまだ若かった頃、女性たちは輝いていた! 開拓民の女性たちは、自分の若さ、活力、勇気というこのうえなく大切なものを、この広大な西部の文明化に捧げました。つらいこともいとわず、ただ確実に一歩一歩前進し、どんな困難も正面から取り組んで乗りこえていったのです。……この勇敢な女性たちの冠には、天に輝く星をつけてもまだ足りないと私は思うのです。――(本書・第15章より)
「魔」の世界
「魔」の世界
著:那谷 敏郎
講談社学術文庫
闇に蠢く者たち サタン、メドゥーサ、鬼子母神、龍…… 世界の半分を支配する闇の帝王たち 人間が人間となって以来、自らの想像力によって生み続けた闇の住人――「魔」たち。ギルガメッシュ、メドゥーサ、サタンから鬼子母神、龍、座敷童子まで。浩瀚な文献渉猟と精力的な現地調査により、古今東西を跳梁する膨大な超自然的存在たちがここに集められた。その風貌、性格、能力を通し、彼らを生んだ風土、社会、民俗の差異を浮き彫りにする。 人間によって創られた古い魔、怪物たちは、なかなか強くて、並列的に創られた神々ともよく拮抗し得た。時には争って神に勝つことさえあった。……既存の魔怪たちは、大宗教によって、異端、呪われたものとして極めつけられた。そして大宗教自身が新しく生みだした怪物たちと共に、大宗教の言う、インフェルノ、ヘル、ナラカ(奈落・無赦の地)、地獄の涯に放逐され、闇に蠢くものとして沈淪する。――(本書より)
江戸幕末滞在記
江戸幕末滞在記
著:スエンソン,E.,訳:長島 要一
講談社学術文庫
王政復古直前に来日したデンマーク人が、フランス公使ロッシュの近辺で見聞した貴重な体験を綴る。将軍慶喜との謁見の模様やその舞台裏、横浜の大火、テロに対する緊迫した町の様子、また、日本人のきれい好きから悪習や弱点までも指摘。旺盛な好奇心、清新な感性、鋭い観察眼と洞察力。若き海軍士官が幕末日本の姿を鋭く鮮やかに描く。(講談社学術文庫) 旺盛な好奇心、鋭い観察眼 王政復古直前の日本を描く ロッシュ付添武官の幕末見聞記 王政復古直前に来日したデンマーク人が、フランス公使ロッシュの近辺で見聞した貴重な体験を綴る。将軍慶喜との謁見の模様やその舞台裏、横浜の大火、テロに対する緊迫した町の様子、また、日本人のきれい好きから悪習や弱点までも指摘。旺盛な好奇心、清新な感性、鋭い観察眼と洞察力。若き海軍士官が幕末日本の姿を鋭く鮮やかに描く。
電子あり
倭人と韓人
倭人と韓人
著:上垣外 憲一
講談社学術文庫
古代、日本列島と朝鮮半島は対等な立場で交易を営んでいた。その交易によって繁栄していた日本海側から大和へと権力が移動していく過程(プロセス)。そして、百済・新羅・高句麗との国際関係を中心に論じた4、5世紀の大和王朝の動向――。 神話・伝承を“歴史”として読み直し、倭と半島の交流の実際や国家形成期の倭を復元する、刺激的かつダイナミックな論考。
正法眼蔵随聞記
正法眼蔵随聞記
編:懐 奘,その他:山崎 正一
講談社学術文庫
道元には、2歳年長の弟子がいた。二祖・懐奘である。懐奘は20年にわたり師・道元に近侍し続け、その間、道元が折にふれ弟子たちに説き聞かせた言葉を克明に筆録していた。それが『正法眼蔵随聞記』である。仏道修行者のあるべき姿を示した道元の言葉は、実生活に即して平易かつ懇切丁寧であり、道元の人と思想を知るための恰好の書ともなっている。
茶の精神
茶の精神
著:千 玄室
講談社学術文庫
裏千家四百年の歴史と伝統 十五世家元が説く茶の湯の理想とは 中国を源とし、わが国へ伝播した喫茶の風習は、歴史的な曲折を経たのち、世界に比類ない茶の湯という独自の文化体系へと昇華した。村田珠光に始まり、武野紹鴎を経て、千利休により大成された茶の湯が志向するところとは何か。裏千家四百年の伝統を継承する十五世家元が、数々の古典のうちに先匠の思索の跡を追いつつ、茶の湯の究極の理想を追究する。
戦艦ポチョムキンの反乱
戦艦ポチョムキンの反乱
著:リチャ-ド・ハフ,訳:由良 君美
講談社学術文庫
1905年6月末、ロシア海軍の誇る最大・最強の戦艦ポチョムキン号上で、水兵による反乱が勃発した。ロシアを席巻する革命の気運が、ついに皇帝の軍隊にまで及んだのだ。反乱に成功し、意気上がる水兵たちは、討伐に乗り出した黒海艦隊と対峙しつつ、僚艦との共闘をはかるが……。 気鋭の海軍史家が「洋上の革命」の実相に迫ったノンフィクション。
ギリシア・ローマ哲学者物語
ギリシア・ローマ哲学者物語
著:山本 光雄
講談社学術文庫
人の心から宇宙の果てまで、「知」を限りもなく追究した古代の巨匠たち。哲学の祖タレス、史上最も壮麗な師弟、ソクラテス・プラトン・アリストテレス、ローマ政争の日常に耐えたキケロ、憂鬱なる哲学者皇帝マルクス・アウレリウス。その鋭く深い思考、豊かな人生の知恵、不思議な奇行などを描き、全哲学の源泉、ギリシア・ローマ哲学を一望する。
天皇制の基層
天皇制の基層
著:吉本 隆明,著:赤坂 憲雄
講談社学術文庫
天皇制とは? その支える原理とは一体何なのか?戦後思想の巨大な導き手と、日本人の心の本性の探究に果敢に挑んできた研究者との気迫に満ちた対談。自己の切実な体験から天皇制の根底を問う吉本。歴史学と民俗学の研究成果を踏まえ、宮廷儀礼の大幅な変更と作為、二重王権としての天皇制等を指摘する赤坂。新旧2人の論客が天皇制の問題に鋭く切り込む。
江戸お留守居役の日記
江戸お留守居役の日記
著:山本 博文
講談社学術文庫
根まわしに裏工作――現代社会の原像 藩の命運を賭けてたたかう外交官 時代は江戸初期。江戸藩邸に詰めて幕府・諸藩との折衝にあたった萩藩江戸留守居役、福間彦右衛門の日記『公儀所日乗』。そこには二千人の藩士が暮らす藩邸の生活の様子や留守居役の実像が細かく記されている。由井正雪の乱や支藩との対立など、迫りくる危機を彼らはどのように乗り越えたのか。第一級史料が描き出す、藩の命運を賭け奮闘する外交官の姿。 江戸時代初期の環境の中で、幕藩間をむすぶ留守居役の活動は、藩にとって死活をとわれる緊張した重要任務であった。のちの留守居役のように、糸目をつけない交際費を使って、吉原でどんちゃん騒ぎをしていられる時代ではなかったのである。……当時の社会の雰囲気と江戸藩邸の実態を、留守居役とかれをとりまく人々をとおして感じとっていただきたい。――(本書「はしがき」より)
豪商列伝
豪商列伝
著:宮本 又次
講談社学術文庫
住友・三井・鴻池――巨富の哲学 近代巨大財閥の礎を築いた三井・住友・鴻池各家の創業者。豪富・蕩尽でその名を残す紀伊国屋文左衛門、奈良屋茂左衛門――。農工生産の向上、流通改革、土木、治水、土地投資と開発、金融業。時代が彼らを生み、彼らが時代を作った。豊富なエピソードを交え、時代の繁栄を演出した豪商たちの姿を追い、その巨富の哲学と経営手法を探る異色の商業史。
ライシャワー大使日録
ライシャワー大使日録
著:エドウィン・O・ライシャワ-,著:ハル・ライシャワ-,監:入江 昭
講談社学術文庫
ケネディ暗殺、原潜寄港、日韓条約、ベトナム戦争…… 内外に緊張高まる60年代 「学者大使」の苦悩と決断 1960年代初頭、ケネディ政権下に異色の駐日大使が誕生した。その名はライシャワー。東京生まれの日本育ちで、米国きっての知日家として知られ、ハーヴァード大学教授であった彼に、このときから外交官という新たな顔が加わった。沖縄返還、ケネディ暗殺、ベトナム戦争等、内外に緊張が高まりゆくなか、「学者大使」が5年余の苦闘を綴った滞日記録。
易の話
易の話
著:金谷 治
講談社学術文庫
神秘の書にして思想の書 『易経』入門・読みやすい大文字版 儒教の重要な経典として五経の筆頭におかれた『易経』は、神秘的「占い書」であるとともに、深遠な哲学をもつ「思想書」でもある。陰陽わずか2つの要素を複雑に重ね合わせることにより、人間存在の本質と全宇宙の摂理を読みとろうとする。二千余年来の具体的な占い方を解説しながら、易とともに歩んだ中国人の自然・人生・運命観を探る。
医学の歴史
医学の歴史
著:梶田 昭
講談社学術文庫
人類の歩みは絶えざる病との格闘であった。患者への温かい眼差しをもって治療に当たり、医療・医学の根源からの探究を志した病理学者が、人間の叡智を傾けた病気克服の道筋とそのドラマを追う。興味深い挿話、盛り沢山の引例、縦横に飛ぶ話柄。該博な知識と豊かな教養をもつ座談の名手が、洗練された名文で綴る人間味溢れる新鮮な医学史。(講談社学術文庫) 人類の歩みは絶えざる病との格闘であった。患者への温かい眼差しをもって治療に当たり、医療・医学の根源からの探究を志した病理学者が、人間の叡智を傾けた病気克服の道筋とそのドラマを追う。興味深い挿話、盛り沢山の引例、縦横に飛ぶ話柄。該博な知識と豊かな教養をもつ座談の名手が、洗練された名文で綴る人間味溢れる新鮮な医学史。
電子あり
老荘と仏教
老荘と仏教
著:森 三樹三郎
講談社学術文庫
西域より移入以来、二千年の歴史をもつ中国仏教。中国人はこの外来思想をどのように受容したのか?老荘の「無」の思想を通じた、仏教の根本義「空」の理解に始まり、自力の道「禅」・他力の道「浄土」という二大中国的仏教の誕生へ。老荘思想を中心に中国の知の歴史をたどりつつ、インド・中国思想のダイナミックな交流を深く、また明晰に追究する。
日中戦争見聞記
日中戦争見聞記
著:コリン・ロス,訳:金森 誠也,訳:安藤 勉
講談社学術文庫
廬溝橋での軍事衝突に始まる日中戦争。それは、軍国日本が東アジアに影を落とす時代の象徴的な事件である。1939年、この緊張高まる日本・朝鮮・中国・モンゴルをドイツのジャーナリストが訪れた。彼は、各地で会見した要人の人物像を犀利に語り、過酷な時局を生きる庶民の姿にそれぞれの民族性を洞察する。太平洋戦争前夜の極東を描く貴重な記録。
トウ小平
トウ小平
著:矢吹 晋
講談社学術文庫
「綿中に針を蔵す」(当たりは柔らかく芯は硬い)と毛沢東に評された稀代のリアリスト、トウ小平。「白猫黒猫」論の徹底した柔軟思考と、「発展」を目指す鉄の意志とが、百年変わらなかった中国を巨大経済国家に変えた。若き日のパリ留学。蜂起。3度の失脚を乗り越えて世界を牽引する経済建設へ。毛路線を覆し、現代中国の父となった「小さな巨人」の全貌。(講談社学術文庫) 「綿中に針を蔵す」(当たりは柔らかく芯は硬い)と毛沢東に評された稀代のリアリスト、トウ小平。「白猫黒猫」論の徹底した柔軟思考と、「発展」を目指す鉄の意志とが、百年変わらなかった中国を巨大経済国家に変えた。若き日のパリ留学。蜂起。3度の失脚を乗り越えて世界を牽引する経済建設へ。毛路線を覆し、現代中国の父となった「小さな巨人」の全貌。
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