講談社現代新書作品一覧

米軍再編
講談社現代新書
「外交の『八方塞がり』はついに日米関係に及んだ。在日米軍再編問題をめぐり生じている日本の危機を、徹底的に解明した必読書である」――佐藤優氏(『国家の罠』の著者)絶賛
隠された全容に迫る驚愕のドキュメント!
密室での迷走
日本政府は米国の攻勢にボールを投げ返せないまま、受け身の姿勢に終始してきた。……さまざまな構想が米国側から提示されたにもかかわらず、日本政府は「何ら具体的な提案はない」「米国と自由な意見交換をしている」と繰り返し、提案の内容を公式には一切伏せてきたのである。……政治が総力をあげて取り組んできた形跡もなく、交渉にのぞんだごく一握りの官僚たちの場当たり的な対応が、問題を複雑にし、協議を長期化させた。国民の目に触れることのない密室で、どのような攻防が繰り広げられてきたのだろうか。――<本書より>

対話・心の哲学
講談社現代新書
「我思う、ゆえに我あり」って、本当はそういうことだったんだ!
デカルト、ロック、カントらの「心の哲学」が、フッサール、クワイン、ローティら現代の哲学者たちの最重要課題に、いかにつながるのか。楽しくわかりやすい対話で読み解く。
「基礎づけ主義」の成否を問う
絶対確実なものを手にしなければ、世の不幸はなくならないという思いが基礎づけ主義の根底にあるとすれば、この思いは、自分(たち)が正しいと思っているものこそが、その絶対確実な真理であるという思い込みへとすぐに転じる傾向を、常に持っています。こうした思い込みは、意見を異にする者を抑圧し、共に生きるための基盤を破壊してしまいます。この具体例は、日々私たちが目にしているとおりです。デカルトの見かけ上の基礎づけ主義的方向性が、多くの人たちを悪しき思い込みへと導いたとするなら、本書で私は、デカルトが本当は何であったかを示し、人間の思考の別の在り方を提示したいと思います。この在り方は、本書最終章で、現代社会の問題へと接続します。――<本書より>

企業買収の焦点
講談社現代新書
楽天、村上ファンドとは?敵対的買収はマネーゲーム?企業価値という新基準!読めば明日からの経済が見えてくる!
企業価値を中心にする
個人の美や健康といったものが、「適正な管理」によって保たれるように、企業の健康もまた適正な管理が必要なのです。そして適正な管理の第一歩が体重計に乗ることであるのと同じように、企業の第一歩は企業価値に注目することなのです。(中略)グラム単位の体重を気にするボクサーは、頭の中に体重計ができあがってしまい、何をするとどのくらい自分の体重に影響があるかすぐにわかるようになるといいます。会社も同じで、いつも自社の企業価値を気にしていると、自分たちの行動がどう企業価値に影響するのかが、即座にわかるようになります。こうした状態の企業は非常に健康な企業ということができるでしょう。そうやって健康を保ちながら、必要に応じて人事・組織改編などといったハリ・整体療法、報酬制度改革・情報化などといった食餌・ホルモン療法、あるいはM&Aを含む脂肪摘出・整形などの外科療法をしていくことが、これからの会社のあり方のような気がしています。――<本書より>

<変態>の時代
講談社現代新書
南方熊楠、宮武外骨、中村古峡、そして江戸川乱歩、梅原北明
検閲、発禁と闘って変態研究に熱中した男たち
「変態」の語に性的な意味はなかった?知の最前線は、変態の研究だった?変態心理、変態広告、変態結婚とは?「変態」をキーワードに近代を読みかえる!

週末作家入門
講談社現代新書
日々の苦労こそ「ネタ」になる!
堺屋太一、高杉良、幸田真音、山田智彦、江上剛……みんな働きながら作家になった。「ビジネス書」「経済小説」をあなたも。
あなたはどのタイプ?
1.会社はOKだし、仕事もおもしろい
2.会社はOKだが、仕事はつまらない
3.会社はNOだが、仕事はおもしろい
4.会社はNOだし、仕事もつまらない
自分のポジションを知って戦略を立てよう!
作家への近道は「仕事体験」をテーマにすること
ひとくちに「ものづくり」といってもいろいろあります……なかでも「ものを書く」という行為は、手軽に自分らしさを表現できる手段です。もしもあなたに「仕事」の体験があれば、そのノウハウ、技術、知恵などを活用してまとめる「ビジネス書」にチャレンジするといいでしょう。ビジネス書づくりは、仕事をもつ人にとってはもっとも身近な「ものづくり」となります。あなたには、すでに「仕事」という貴重な素材がありますから、テーマ探しも難しいことではありません。……週末に小説を書いてみるのもいいでしょう。その場合でも、いきなり恋愛小説や時代小説、ミステリーなどに向かうのは、ちょっと荷が重いのでお勧めできません……まずは「経済小説」を書いてみてください。経済活動を視点にすえて、事件や人間模様を描く「経済小説」なら、あなたのサラリーマン生活がそのまま題材として活用できますので、リアリティのある作品に仕上がります。――<本書より>

検証・山内一豊伝説
講談社現代新書
新書版『功名が辻』
「千代」の内助の功はどこまで本当か?「土佐藩主」は大出世ではなかった!
新史料で謎多き武将の実像に迫る
山内一豊の「伝説」とは
●一豊に名馬を買わせるために妻・千代はへそくりの黄金十両を差し出した。
●関ヶ原前夜、千代が届けた「密書」で一豊は家康の信頼を得た。
●そのおかげで一豊は土佐二十四万石の藩主となり大出世をとげた。
土佐山内家宝物資料館長が真偽を明かす!
「大出世伝説」に異議あり
一豊の生涯において土佐入国は、いわば出世物語の上がりの場である。その出世を具体的に数字で証明するのが、転封を重ねるごとに増加を続ける領知高である。近江唐国四百石を振り出しに漸次増石を続け、掛川で五万九千石を領したことはすでに見てきたとおりである。そして一豊の土佐入国こそは「掛川五万石から土佐二十四万石へ」の大出世といわれている。この通りならば約5倍の増加率であり、掛川の領知高を正式の五万九千石として計算しても、4倍強の出世となる。これが「一豊大出世伝説」の根拠なのだが、私はこの伝説に異を唱えたいと思う。――<本書より>

歴史を学ぶということ
講談社現代新書
過去と向きあい、現在を俯瞰する。9.11後、世界は本当に変わったのか? 戦後の混乱期に渡米し、ハーバードで長年教鞭をとってきた歴史家は現代をどう見ているか。初めて明かされる研究者修行時代、そして思考遍歴。渾身の書き下ろし! (講談社現代新書)
9.11後、世界は本当に変わったのか? 戦後の混乱期に渡米し、ハーバードで長年教鞭をとってきた歴史家は現代をどう見ているか。初めて明かされる研究者修行時代、そして思考遍歴。渾身の書き下ろし!

わが子に教える作文教室
講談社現代新書
こうすれば、子どもは必ず作文上手になる! 「作文親父」(もちろん母親もOK)としての家庭での指導法アノ手コノ手を楽しい例文つきで紹介。基本からユーモアのある文章まで、実は親までうまくなる名講座。(講談社現代新書)
こうすれば、子どもは必ず作文上手になる! 「作文親父」(もちろん母親もOK)としての家庭での指導法アノ手コノ手を楽しい例文つきで紹介。基本からユーモアのある文章まで、実は親までうまくなる名講座。

畑村式「わかる」技術
講談社現代新書
畑村流理解力・創造力アップの秘訣を公開。人が「わかった!」と思う仕組みを解き明かし、さらに理解力向上のための基礎レッスン、理解から創造へつなげるための具体的な方法を「わかりやすく」解説。『失敗学のすすめ』『直観でわかる数学』の著者によるまったく新しい知的生産の技術。
なぜ「わからない」のか どうすれば「わかる」のか
『失敗学』『直観でわかる数学』の著者による まったく新しい知的生産の技術
なぜ授業の説明がわかりにくいのか
私たちが食べ物を食べたときに「おいしい」と感じるときの一要素として「うま味」の存在があります。和食のベースに使われるだし汁の素材といえばまず思い浮かぶのが昆布やかつお節でしょうが、昆布とかつお節にもうま味成分が豊富に含まれています。(中略)現在では昆布のうま味成分がグルタミン酸ナトリウム、かつお節のうま味成分がイノシン酸ナトリウムであることがわかっています。それでは、「うま味って何ですか?」と訊かれたとき、あなたならどのような説明をしますか?「だし汁などに含まれる、人がおいしいと感じるもの」といった説明をする人もいるでしょうし、「グルタミン酸やイノシン酸を適度に人の好みに合わせて混ぜたもの」といった説明をする人もいるかもしれません。もちろん後者のような説明でも間違いではなく、「正しい」ことです。しかし、グルタミン酸やイノシン酸という言葉にふだん馴染みのない人にとっては、そんな説明を受けても、うま味についてわかるようになるはずはないでしょう。私にはこの説明が、数学の授業の説明にそっくりに聞こえます。――<本書より>

大学院へ行こう
講談社現代新書
「もっと」「もう一度」学びの場へ
誰も教えてくれない大学院入試の基礎知識と人気・注目コースのガイドを1冊に!
臨床心理士指定大学院/法科大学院/会計専門職大学院/公共政策/MBAスクール/MOTスクール/ファイナンス
身近になった大学院
第一にいえるのは、以前に比べて大学院が格段に身近になったということです。これは、学部学生以外の人にとってとくに顕著な動きです。大学院が多様な人材育成を心がけるようになった結果、社会人が新たな入学対象者として明確に意識されるようになったのです。一例を挙げると、近年「社会人入試」を行う大学院が増えました。(中略)新制度が次々に導入され、社会人が大学院へ進学しやすい環境が急速に整いました。これらの要因が複合的に作用して、大学院の量的拡大、とくに社会人大学院生の増加が実現したと考えられます。――<本書より>

ジャズの名盤入門
講談社現代新書
この50枚を聴けばジャズの真髄がわかる! BGM代わりに聴くだけでは気づかない、名盤ならではの魅力とは。今なお刺激的なジャズの必聴盤を厳選し、その聴きかたをつぶさに教える。最上のジャズ入門書。(講談社現代新書)
この50枚を聴けばジャズの真髄がわかる! BGM代わりに聴くだけでは気づかない、名盤ならではの魅力とは。今なお刺激的なジャズの必聴盤を厳選し、その聴きかたをつぶさに教える。最上のジャズ入門書。

「戦争学」概論
講談社現代新書
「愚かな戦争」は「愚かな政治家」が起こす! 日本軍の敗因を著書『参謀本部と陸軍大学校』で喝破した著者が、戦史から導いた「戦争回避」の原理。「平和」を守りたいなら「戦争」を学ぼう。大学で軍事学を教えないのは、先進国では日本だけである。地政学から見た国防戦略の理論、ナポレオンからイラク戦争までの戦争態様の変化など、必読の戦争入門書。
「愚かな戦争」は「愚かな政治家」が起こす!
日本軍の敗因を前著『参謀本部と陸軍大学校』で喝破した著者が、戦史から導いた「戦争回避」の原理
戦争学を学んでいないのは日本の政治家だけである
多くの日本人は誤解しているが、暴走するのは軍人だけではない。世界の歴史を見れば、戦前の日本は特異な例とすら言えるのだ。政治家がみずからの野望や誤った判断によって戦争を起こし、無用な犠牲の拡大をきたした例のなんと多いことだろうか。こうした事態を防ぐために、欧米の大学には戦争学あるいは軍事学の講座がある。ロンドン大学のキングズ・カレッジには戦争学部も設けられている。こうして少なくとも戦争学の基本を大学で学んだ者たちが、政治や外交での指導的立場についていく。だから、日本のような幼稚な議論はまず見られないのである。――<本書より>

議論のウソ
講談社現代新書
「わかる」ことより、「わからない」ことを自覚していることの方が、はるかに重要である。何事にもスピードが要求されてきたこれまでの社会では、すぐに正解を求める。しかし世の中のことは、そう簡単に白黒つけられない。それを無理につけようとすると、どうしても、ありきたりの決まった答えに収まりがちになる。――<本書より>
ベストセラー『大学生のためのレポート・論文術』で論理の組み立て方をわかりやすく解説した著者が「情報に騙されない」方法を平易に懇切に論じる。
いつも言い負かされてしまう
いつも人の意見を鵜呑みにしてしまう
いつも反論できない
いつも情報に翻弄されてしまう
……そんなあなたに。
「わかりやすさ」のワナ
しかし、わかるということは、単に文字面を追い、それを記憶に留めることではない。それを自分自身の問題として受け止め、かかわってみることである。「わかる」というのは、「かかわる」ことである。(中略)それができないときは、とりあえずわかることを留保することである。「わかる」ことより、「わからない」ことを自覚していることの方が、はるかに重要である。何事にもスピードが要求されてきたこれまでの社会では、すぐに正解を求める。しかし世の中のことは、そう簡単に白黒つけられない。それを無理につけようとすると、どうしても、ありきたりの決まった答えに収まりがちになる。――<本書より>

人類進化の700万年
講談社現代新書
知能に勝るクロマニョン人が作った石器と同じくらい工夫を凝らした石器(石刃)が、ネアンデルタール人の3万数千年前の化石とともに見つかっている。ネアンデルタール人も巧妙な石器を作っていたらしい。ネアンデルタール人は約20万年前に誕生してから、このころまで原始的な石器を作り続けてきた。そんな彼らが急に自らの力で進歩的な石器を作り出したとは考えにくい――<本書より>
ネアンデルタール人とクロマニョン人
4万~3万年前のヨーロッパ。ネアンデルタール人と現生人類のクロマニョン人が共存していたらしい。両者の交流を示唆する痕跡が、フランスなどに残されていた。(中略)知能に勝るクロマニョン人が作った石器と同じくらい工夫を凝らした石器(石刃)が、ネアンデルタール人の3万数千年前の化石とともに見つかっている。ネアンデルタール人も巧妙な石器を作っていたらしい。ネアンデルタール人は約20万年前に誕生してから、このころまで原始的な石器を作り続けてきた。そんな彼らが急に自らの力で進歩的な石器を作り出したとは考えにくい。「ネアンデルタール人が、クロマニョン人に教えてもらったのか、まねをしたのか」と考えられている。彼らが交流していた可能性があるということだ。(中略)想像は膨らむが、少なくともネアンデルタール人とクロマニョン人が混血して現代にネアンデルタール人の遺伝子が残っている可能性は低いようだ。――<本書より>

サバがトロより高くなる日
講談社現代新書
「豊かな食卓」を支える驚きの実態!!
漁獲量が147万トンから2万トンになったサバ
100万トンから26トンになったイカ
トロ90%のマグロを「生産」する
日本人の食べるウナギの70%がヨーロッパ生まれの中国育ち
貝の不当表示は業界の常識!?
「白身魚」は深海魚からアフリカの淡水魚の時代へ
「本物のシシャモ」は全体の5%以下
日本は世界一の魚消費国。しかし生産量(漁獲+養殖)ではすでに世界第6位まで落ちている。乱獲が進み、養殖も環境破壊など問題山積。私たちはいつまで魚を食べ続けることができるのか。身近な話題でありながら、知られてこなかった現実を明らかにする。
トロ90%のマグロを作る
畜養されるマグロは、数ヵ月から半年の間にイワシやサバ、イカなどを粉末にした濃厚な飼料を大量に与えられ、丸々と太り、脂が乗った体になる。(中略)天然のマグロは、寒い時でないと脂が乗らず、いいトロが取れる時期も海域も限られるが、畜養は違う。濃厚な飼料を与えることで、霜降りの松阪牛のように全身に脂が乗ったトロを「生産」することができる。天然物では体重の20%もトロがある魚はそうはいないのだが、畜養だと90%近くがトロかトロに近い状態というマグロも作れるそうだ。最近では、飼育期間を長くしてさらに太らせたマグロを作ろうとの試みも進んでいる。餌はイワシやサバなど脂の多い魚を与えてトロの多いマグロに育てるというのが一般的らしく、赤い色を付けるためにサクラエビのようなエビを餌に混ぜることもあるという。あまり大量にイワシなどを与えると魚肉が生臭くなってしまうので、与える餌の量や出荷時期と餌の加減などに業者は工夫を凝らしているらしい。――<本書より>

性愛奥義
講談社現代新書
われわれはなんと貧困な性愛しか知らなかったか!
誘惑の作法から爪と歯の使い方まで いまこそ学ぶ、古代の智恵
卓抜な比喩と精緻な分類から豊穣なカーマの世界が浮かび上がる!
●男のなすべき行為(9段階)
……/摩擦/圧迫/一撃/猪の一撃/牡牛の一撃/雀のたわむれ
●抱擁(12種類)
接触/媚態/摩擦/圧迫/蔓草の纏わり/木登り/……
●爪のたて方(8種類)
……/半月/環状/線状/虎の爪/孔雀の脚/兎の跳躍/蓮の葉
●女性からの愛情表現の見抜き方
愛の技術
インドの愛の指南書『カーマ・スートラ』は、有名なわりに意外と読まれていない。一般には性愛の体位を集めたいわゆる四十八手の指南書のように誤解されているが、その論ずるところはもっとはるかに深い。『カーマ・スートラ』が西欧に紹介されてから100年ちょっと経つわけだが、いまだに誤解されたままであり、ポルノグラフィーなみに扱われることが多いのが現状だ。しかし、まず最初にお断りしておかなければならないが、『カーマ・スートラ』で語られているのは「愛の技術」である。人間同士が出会って、お互いに言葉を交わし、魅かれ合い、愛し合うための手引書とでもいうべきものなのである。――<本書より>

日本語の森を歩いて
講談社現代新書
日本で暮らして4半世紀のフランス人言語学者フランス・ドルヌ。彼女の目には「行ってきます」「痛っ!」「助けて!」なにげない普通の日本語の背後に深い働きが見える。2つの言語を合わせ鏡に、夫・小林康夫との対話からうまれた日↔仏往復言語学。
水ではなく「お湯を沸かす」のはなぜ?
「よく来たね」の「よく」は何が良いの?
「ねぇ、貸して」の「ねぇ」って何?
「すごいよな」はOKで「すごいねな」はNG?
「しまった!」「ちょっと待った!」は過去形?
発話からはじめて……
あるひとつの個別言語は、それを学ぼうとする外国人にとっては、未知の規則によって支配された不思議な現象として現れます。(中略)どの日本人にとっても、あまりにもあたりまえで、いかなる不思議からも遠そうな「行ってきます」という表現が、とても不思議なものと映ります。自分の母語による関係網の形成の枠のなかにうまくおさまらないものがあると感じる。そこに日本語固有のローカルな表現があると見るのではなく、そこには自分の母語にはそのままの形で現れてはいないが、しかし別の回路を通ってつながっているような一般化可能な関係設定が現れているのではないか――それが探究の出発点なのです。――<本書より>

子の世話にならずに死にたい
講談社現代新書
介護、葬式、そして墓…「娘だけ」の家ではどうするか?自由葬を行うには?夫側の墓に入りたくない!継承者のいらない墓とは?老後と死後の自立のために
「子が世話して当然」から「子の世話になりたくない」へ
人が老いて死んでいくためには、精神的な「安心」と「安全」なシステムの両方の要素が必要である。かつての「家」には、子や孫に精神的に支えられる「安心」と、家の内部で介護や死者祭祀を担っていくという「安全」なシステムの両方が備わっていた。現在は後者が社会化し、家族の役割は精神的な「安心」を与える方に、より力が注がれている。(中略)「死後」の死者祭祀にも「子の世話にならない」という同様な意識が見受けられるようになってきた。死者本人には、自分の遺体の処理はできない。それを担ってきたのは「遺族」と呼ばれる人たちである。しかしこの「死者と遺族」の関係が刻々と変化を見せている。――<本書より>
実行のための関係団体連絡先リスト付き!
●樹木葬
●桜葬
●散骨
●墓のリフォーム・引越し
●遺骨の手元供養(器/アクセサリー)
●生前契約

昭和零年
講談社現代新書
20歳になった 日本が敗けた
戦争から平和へ 貧困から飽食へ 「ふたつの国」を生き抜いた1925年=昭和零年生まれの30人が戦後60年に贈る痛切の証言!

和田の一三0キロ台はなぜ打ちにくいか
講談社現代新書
打たれないストレートを投げよ!
こうすれば、あなたも速くなる?!これが和田毅の秘密だ!
(特別付録)卒業論文全文掲載!
甲子園ベスト8投手として早稲田大学進学。入学時には130キロも出なかった左腕は、学生トレーナー・土橋恵秀と運命的に出会う。2人3脚のハードトレーニングで、球速は半年で140キロを超えた。江川卓氏の持つ東京6大学の奪三振記録を更新して、プロ入り。多くの打者が「なぜ打てないのか」と首をかしげる独特の球質の正体とは何か。「まだ、本当に納得できる1球を投げたことがない」という高い志の向かう先には何があるのか。野球の現場の息づかいが聞こえてくる、野球好きによる野球好きのための力作!
バットの上を通るボール
しかしながら、彼の球速は、たまに140キロを超えることはあっても、そのほとんどが130キロ台の後半にすぎない。野茂英雄や佐々木主浩のようなものすごいフォークボールがあるわけでもない。同い年のライバルである松坂大輔(西武ライオンズ)が150キロ台の豪速球で三振の山を築いているのとは、あまりに対照的なピッチングスタイルなのである。しかも、プロ入り1年目は14勝で新人王、2年目もアテネ五輪に参加したことで約1ヵ月間ペナントレースを欠場しながら10勝をあげた。2004年の被安打率2割2分8厘はパ・リーグの最小――。つまり、リーグでもっとも打ちにくいピッチャーだったということだ。「あの130キロ台のボールで、なぜ?」――<本書より>