講談社現代新書作品一覧

「身の丈起業」のすすめ
「身の丈起業」のすすめ
著:一橋総合研究所
講談社現代新書
それでも独立したい人へ 「自分に合った仕事」へのAtoZ 自分の「身の丈」に合ったリスクを取る 取れるリスクのレベルは人それぞれです。人にはそれぞれ「リスク許容度」というものがあります。体力の衰えている人に強い薬を打ってはいけないように、リスクを取る懐が浅い人は大きなリスクを背負ってはいけません。最初はローリスク・ローリターンから始めればよいのです。(中略)最近は、「中小企業挑戦支援法」とかなんとかいって、資本金1円でも会社が作れてしまい、銀行も中小企業育成とかなんとかいってお金を貸してくれますが、借金をすると、事業を畳むことができなくなりますから、実力からいって許されるリスク許容度以上の負債を背負い込んでしまうことになります。日本の起業家が、アメリカと比較してどうも軽やかでなく、悲壮感が漂うのは、実力以上にお金を借りることができてしまう日本の金融風土によるところ大でしょう。――<本書より> 起業なんてうまくいくわけないと思っているあなたに ●自分にとって「嫌なこと」は何なのかを見つめる ●いいこと貯金をする ●会計の勉強をしておく ●スローなモードに染まらない ●(起業直後は)理不尽を許容する ●(最初は)法人化にこだわらない ●「人・モノ・金」ではない ●頭の中身を現金主義にする ●「バズワード」に逃げこまない ●たとえば、毎日掃除しましょう ●「飽き」に負けない などなど、リスクを減らして成功するヒントが満載!
女帝の古代史
女帝の古代史
著:成清 弘和
講談社現代新書
画期的論考!「女性天皇」はなぜ必要だったか 女帝の本質 古代日本における女性統治者の歴史的変遷をふまえて、女帝(王)の本質を考えねばならない。すると、通説のように女帝(王)を単なる中継ぎとしてはとらえ切れないことが了解できるだろう。なかでも、記紀に最初の女王として明記された推古は、むしろ彼女自身の資質が評価されて大王に推戴されたわけである。また、皇極の場合もその子の中大兄王子が次に即位するとは、必ずしも約束されていたわけではなかった。単なる中継ぎとしての女帝は、持統天皇が律令天皇制下の皇位継承ルールとして嫡系継承を実現して以降の、元明・元正の2女帝のみに限定されるのではないだろうか。――<本書より>
「特攻」と日本人
「特攻」と日本人
著:保阪 正康
講談社現代新書
7000名に及ぶ特攻戦没者。長い間、政治的なバイアスがかかり、彼らの真意は伝えられなかった。志願か、命令か。英霊か、犬死にか。主導したのは海軍か、陸軍か――昭和史研究の第一人者が、残された遺書・日記を丹念に読み解き、特攻隊員の真意に迫る。 昭和史最大の「悲劇」を問う! 7000名に及ぶ特攻戦没者。長い間、政治的なバイアスがかかり、彼らの真意は伝えられなかった。昭和史研究の第一人者が、遺書・日記を新しい視点から読み解く 志願か、命令か。英霊か、犬死にか。主導したのは海軍か、陸軍か。 ――昭和史研究の第一人者が、残された遺書・日記を丹念に読み解き、特攻隊員の真意に迫る。
電子あり
自我の哲学史
自我の哲学史
著:酒井 潔
講談社現代新書
デカルト、カント、ライプニッツからハイデッガー、レヴィナスまで…宮沢賢治や西田幾多郎の自我論とは? 日本人に自我はいらない! 重荷になった自我 あらかじめ見通しをいえば、われわれが通常、社会生活で是とする自我概念は、基本的には西洋近世の自我概念の上に成り立っており、日本人は近代化においてそれを受容したのである。しかし元々それは体型に合わないスーツみたいなものではなかったか。それが露わになりだしたのが、今日の思想的・社会的・文化的状況なのではないだろうか。自我が主体として、自由と責任の担い手たらんと意識することが、かならずしも人間の自己解放を意味するとは断定できまい。もしかしたら自我の確立は幸福のための絶対的な条件ではないかもしれないのだ。――<本書より>
現代小説のレッスン
現代小説のレッスン
著:石川 忠司
講談社現代新書
村上龍、村上春樹、高橋源一郎、保坂和志、阿部和重、舞城王太郎、いしいしんじ、佐川光晴、水村美苗… ブンガクはこう読め!
反米の世界史
反米の世界史
著:内藤 陽介
講談社現代新書
ハワイ革命からソヴィエト、キューバ、ベトナム、イラン、イラクそして安保闘争まで アメリカの大義の裏側! 世界の実像に迫る「郵便学宣言」 良くも悪くも、われわれ日本人は、基本的に、アメリカを中心とした西側経由で世界の情報を得ている。したがって、その是非善悪は別として“反米国家”(ないしは反西側国家)の主義主張に情報として接する機会は、アメリカの“大義”を見聞きするのと比べると、きわめて限られているというのが実情だ。それゆえ、われわれの日常生活に身近な切手や郵便物を通じて、彼らの側から見た“アメリカ”の歴史を、具体的なモノの手触りをもって示すことができれば、それは、読者の視野を広げる上でも有用な結果をもたらすことになるだろう。同時に、郵便学者である筆者としては、切手というフィルターを通じて、新事実の発見や歴史的事実の新解釈という点でのオリジナリティはともかく、いささかなりとも従来とは異なった視点からの歴史絵巻を展開することができれば、これに勝る喜びはない。――<本書より>
トヨタモデル
トヨタモデル
著:阿部 和義
講談社現代新書
世界を制した「哲学」の全貌 不死鳥のような再起 トヨタ自動車がこのように、いったんは倒産の危機に追い込まれながら、不死鳥のように立ち直り世界一になろうとしている一番の秘訣は、いつも危機感を社員に与えて改善に取り組んでいることである。奥田碩会長の「変えないことは一番悪いことである」という言葉であらわされているように、いつも前進するという意識が7万人の社員に叩き込まれている。また、「車を作ることは人作りをすることである」という張富士夫副会長の考え方もこの危機感から来ている。――<本書より>
テレビアニメ魂
テレビアニメ魂
著:山崎 敬之
講談社現代新書
あの感動と笑いには理由があった! ●星飛雄馬は、最終回で死ぬはずだった。 ●『オバケのQ太郎』は人気絶頂のときに打ち切られた。 ●苦しくったって…の歌詞は二日酔いの男が作った。 ●消える魔球の謎を考えるための合宿が行われた。 ●『天才バカボン』は再放送のほうが視聴率が高かった。 ●宮崎アニメの秘密は「動画枚数」にある。 ●『ベルサイユのばら』監督は声優に交代させられた。 ●素人が描いた顔1枚だけが原作のアニメがある。 テレビアニメの「へぇ」満載! ゼロから作る苦しみ なぜそんなに悩むことがあるのか?読者はそう思うかもしれない。原作に忠実に作ればいいだけじゃないか、と。たしかに、皆さんご存じのとおり『巨人の星』には原作がある。『週刊少年マガジン』連載、原作・梶原一騎、作画・川崎のぼるによる劇画『巨人の星』は、これも劇画史上に残る不朽の名作である。なにもわれわれが苦悶しながら別のストーリーをひねり出さなくても、原作を忠実にシナリオにすればいいに決まっている。だが、ないのである。忠実にシナリオにしようにも、その原作が……。――<本書より>
道路の経済学
道路の経済学
著:松下 文洋
講談社現代新書
アクアラインは800円でよい! 「必要な道路」「ムダな道路」はどう見分けるのか?よくわかる公共投資分析 日本の公共事業を「民営化」するために 道路公団が保有・管理してきた高速道路には、「ネットワーク型」と「バイパス型」があります。まずはバイパス型の道路資産の一部について、改良・維持管理・料金徴収などの運営事業を、民間企業に売却するのです。たとえば、東京―名古屋間は東名と中央高速が並行していますが、どちらかを(バイパスとみなして)民間に売却し、官と民の競争を促進させるのです。そのとき、私はDBFOやBOTの考え方を採り入れることを提案します。一定の契約期間ののちに国に無償で返還させ、以後は無料道路とするわけです。ネットワーク型の場合も、工夫次第で売却は可能でしょう。――<本書より>
カーニヴァル化する社会
カーニヴァル化する社会
著:鈴木 謙介
講談社現代新書
2000年代の若者達のリアルを鮮かに斬る。「やりたいこと」を探し続けるニートたち、自己確認をするデータベースとしての監視社会、そして「ケータイ依存」。これらを支える社会のメカニズムを分析する。 分断される自己イメージ、データベース化する人間関係… ネット世代の論客が解き明かす「僕たちの日常」 「日常の祝祭化」の中を生きる 私たちの生きる社会は、上述してきたような「祭り」を駆動原理にし始めているのではないか、と私は考えている。本書では、そうした祭りのメカニズムについて、様々な事例に分け入りながら明らかにしていきたい。祭りといっても、季節とともに訪れる、伝統的な祝祭のことではない。21世紀に入って以降の我が国で、そしておそらく欧米では20世紀の終わり頃から顕在化し始めた、日常生活の中に突如として訪れる、歴史も本質的な理由も欠いた、ある種、度を過ぎた祝祭について、それはいったい何なのか、なぜ今になってそうした祭りが頻発するのか、といった問題を、様々な角度から論じたのが、この本である。結論を先取りして述べることになるが、私が本書で論じる「日常の祝祭化」は、近代化と、そしてその徹底として生じる「後期近代」に特有な現象として説明することのできるものだ。また、そうした「日常の祝祭化」の中を生きる私たちのライフスタイルも、これまで近代のシステムが前提にしてきた、確固たる自己像とはまったく異なった種類の自己モデルを要請し始めている。本書で取り扱うのは、こうした、日常に祝祭がビルトインされることによって可能になる、社会や自己の仕組みや、その要因についてなのだ。――<本書より>
電子あり
人生に意味はあるか
人生に意味はあるか
著:諸富 祥彦
講談社現代新書
本気で考え始めると、抜け出られなくなってしまいそうで、何となく、怖い。そんな気がして、あまり考えないようにしてきた、という方も、少なくないようです。……そんなあなたがこの問題について真剣に考え抜き、そして、心の底から納得できる「人生のほんとうの意味と目的」を探し求める旅に出るための、ガイドブックのような本です。――<本文より> 文学、心理学、哲学からスピリチュアリティまで これが「答え」だ! 人生の「目的と意味」は何か? 本気で考え始めると、抜け出られなくなってしまいそうで、何となく、怖い。そんな気がして、あまり考えないようにしてきた、という方も、少なくないようです。……そんなあなたがこの問題について真剣に考え抜き、そして、心の底から納得できる「人生のほんとうの意味と目的」を探し求める旅に出るための、ガイドブックのような本です。――<本文より>
電子あり
自民党と戦後
自民党と戦後
著:星 浩
講談社現代新書
「50年」の意味を問う 政治部記者の目で描く長期政権の成功と限界 自民党は日本人そのものの姿 敗戦から立ち上がるときのたくましさ、高度経済成長を支える勤勉さ、冷戦構造の枠内で、できることなら血を流したくないという平和志向。その一方で、冷戦とバブル経済が崩壊した後の激動に十分対応しきれない保守性。自民党は、日本人そのものといってもよい特性を持っている。その自民党も、結党から半世紀を経て多くの点で限界を見せるようになってきた。それは、戦後半世紀余にわたり成功体験を重ねてきた日本の限界とも重なる。この機会に自民党という巨象を、さまざまな角度から眺めてみようというのが本書の狙いである。――<本書より>
はじめての金融工学
はじめての金融工学
著:真壁 昭夫
講談社現代新書
天候デリバティブって何?経済物理学とは? これならわかる金融工学の基本理論 正直に告白しますと、私は文科系の出身ということもあり、ある時期までは、経済や金融の勉強をしていて、難しげな数式を伴った理論に出くわすと、どうしても「引いて」しまいがちでした。それだけに、かつての私のような人が、一見難しそうなイメージのせいで金融工学に近づこうとしないことは、容易に想像できます。しかし金融工学は、順を追って学んでいけば、決して難解なものでも、取っつきにくいものでもありません。世界のさまざまな動きに直接結びつくと同時に、知的な好奇心も満足させる、実にスケールが大きくて刺激的な考え方、それが金融工学なのです。――<本書より> 金融工学はこう考える/1+1<2の不思議な世界/都合のよい前提条件/タダ飯はない?/わかりやすい統計と確率の話/人間は本当に合理的か/リスクって何だ?/正規分布を疑う
数学的思考法
数学的思考法
著:芳沢 光雄
講談社現代新書
数学で学ぶ考え方のなかには、経済やビジネスだけでなく、社会問題であれ政治的問題であれ、身のまわりのさまざまな問題を考えるときにヒントになるものがたくさんある。そして「説明力」においても、算数や数学で学んだ論理性が大いに役立つはずだ。数学者の立場から、そうした思考と説明の技術やヒントをふんだんに紹介しようというのが本書の主眼である。 もっと試行錯誤を!!本当に考えるためのレッスン 試行錯誤のすすめ 数学で学ぶ考え方のなかには、経済やビジネスだけでなく、社会問題であれ政治的問題であれ、身のまわりのさまざまな問題を考えるときにヒントになるものがたくさんある。そして「説明力」においても、算数や数学で学んだ論理性が大いに役立つはずだ。数学者の立場から、そうした思考と説明の技術やヒントをふんだんに紹介しようというのが本書の主眼である。ただ、その入り口として、現在の算数・数学教育の抱えている大きな問題を是非とも指摘しておかなければならない。考える力を養い、論理的な説明力をはぐくむために必要なことが、そこではまったくなおざりにされているからである。――<本書より>
電子あり
スピノザの世界
スピノザの世界
著:上野 修
講談社現代新書
スピノザの思想史的評価については多くのことが言われてきた。デカルト主義との関係、ユダヤ的伝統との関係。国家論におけるホッブズとの関係。初期啓蒙主義におけるスピノザの位置。ドイツ観念論とスピノザ。現代では、アルチュセール、ドゥルーズ、ネグリ、レヴィナスといった名前がスピノザの名とともに語られる。スピノザはいたるところにいる。が、すべては微妙だ。――<本書より> 神は制作者ではない。神にも人間にも自由な意志は存在しない。 すべての事物を必然ととらえたスピノザ哲学の魅力! スピノザの思想史的評価については多くのことが言われてきた。デカルト主義との関係、ユダヤ的伝統との関係。国家論におけるホッブズとの関係。初期啓蒙主義におけるスピノザの位置。ドイツ観念論とスピノザ。現代では、アルチュセール、ドゥルーズ、ネグリ、レヴィナスといった名前がスピノザの名とともに語られる。スピノザはいたるところにいる。が、すべては微妙だ。たしかにスピノザについてはたくさん言うべきことがある。そのためにはスピノザの知的背景と時代背景、後代への影響、現代のスピノザ受容の状況を勉強する必要がある。けれども、まずはスピノザ自身の言っていることを知らなければどうしようもない。そのためには、スピノザがどこまで行ったのか、彼の世界を果てまで歩いてみるほかない。彼が望んだようにミニマリズムに与し、彼の理解したように事物の愛を学ぶほかないのである。――<本書より>
電子あり
受験勉強の技術
受験勉強の技術
著:和田 秀樹
講談社現代新書
生涯役立つ「ノウハウ学力」を身につける 脳を鍛える勉強法! ●覚えた内容(コンテンツ)よりも、覚える能力(ノウハウ)を伸ばせ! ●「受験戦争は心に悪い」のウソ! ●目標に特化した勉強法とは? ●出力トレーニングのすすめ ●暗記と理解のバランス ●記憶力を高め、記憶を残す方法 ●やる気をどう維持するか?
世界のイスラーム建築
世界のイスラーム建築
著:深見 奈緒子
講談社現代新書
煌めく宮殿から発掘遺構まで イスラーム建築で世界一周! イスラーム建築に魅せられて このとき、私を強く捉えたのは……外からは想像さえつかない、今まで体験したことのないような空間であった。仰ぎ見れば、天井には連なるアーチの列が交差し、頭上に架かるドームを導いていた。どうしたらこんな形ができるのかと、アーチの数を数え、幾何学と建築の関係の深さにため息をついた。……イスラーム教を信ずる人々は、7世紀から今日まで、ユーラシア大陸のスペインから東南アジア、さらには日本やアメリカまで、長い時代にわたって、そして広い地域に、その足跡たる建物を残している。茫漠たるイスラームの広がりのなかで、私が垣間見た建造物はごくわずかな片鱗にすぎない。とはいえ、なるべく私が自分で実際に訪れたことのあるものを主軸にして、イスラーム建築の秀作を紹介したい。――<本書より> イスラームの歴史と美学が結実した名建築 カーバ神殿/預言者のモスク/アル・ハンブラ宮殿/フェズの旧市街/岩のドーム/ガーワーン学院/トプ・カプ宮殿/ヤサヴィー廟/王の広場/西安の清真寺/イスファハーンのバーザール/クアラルンプールのモスク/ウマイヤ・モスク/東京ジャーミ/サーマーン廟
鉄理論=地球と生命の奇跡
鉄理論=地球と生命の奇跡
著:矢田 浩
講談社現代新書
生命誕生は鉄のおかげ!? 鉄が進化を演出した!? 地球温暖化は鉄で解決できる!? 鉄の奇跡 人類が金属の鉄を使いだしたのは、たかだか5000年前のことにすぎない。しかし元素としての鉄は、40億年前に生命が誕生したときから、生命になくてはならないものであり、その後の生命の発展を陰で演出してきた、と言ったらみなさんは驚かれるだろうか。(中略)このいずれの鉄のはたらきも、1つの奇跡的な偶然から生み出された。鉄はすべての元素のなかでもっとも安定な原子核を持ち、その1つの帰結として、地球では質量比でもっとも多い元素である。その鉄が、その持っている電子の数のために、生命にとっても、現代文明にとっても、かけがえない機能を持つ元素となった、という偶然である。このことが、生命の誕生と発展のなかで、またさらに人類文明の展開のなかで、数々の奇跡を起こしてきた。――<本書より>
ほめるな
ほめるな
著:伊藤 進
講談社現代新書
大流行!「ほめる教育」が子どもをつぶす!!! 「ほめる教育」がなぜダメかを指摘し、コミュニケーション重視のインタラクティヴ型支援を提唱する! 人生にとりきわめて貴重な「アモーレ情熱」(内発的動機づけ)をこわす「ほめる教育」 「ほめる教育」では、とにかくすこしでもいいところを見つけてほめるということをするわけです。これを子どもの活動のあらゆる面にたいして行ったら、いったいどういうことになるでしょうか?ほめるという心理的な報酬を、来る日も来る日も繰り返しあたえ続ける。(中略)おまけに、現在の日本では、それに物的報酬や評価が加わります。学校の成績が上がったらなにかを買ってやるなど、子どもにほうびをあたえる家庭のなんと多いことか。そして学校では……「意欲・関心・態度」などという、本来、評価など不可能な、そしてすべきではない面までをも評価の対象にしています。(中略)「ほめる」「ほうびをあたえる」そして「評価する」。この報酬の3点セットに長期間さらされ続けたら、子どもたちのアモーレ情熱はどうなるかは火を見るよりも明らかです。――<本書より>
「日本」とは何か
「日本」とは何か
著:神野志 隆光
講談社現代新書
『古事記』に「日本」はない!「倭」「やまと」との関係は? わたしたちは自己をどうとらえてきたか 日本、日本人、日本語、日本文学等々、当たり前のように、わたしたちは「日本」といい、自分たちをあらわす国の名(国号)として何ら疑わずにいる。しかし、その名がどういう意味をもつかということについて、共通の認識をもっているであろうか。小学校や中学校で、「日本」という名の意味を教えられた(あるいは、いま教えられている)であろうか。……この国は古代から変わることなく「日本」としてあり続けてきた。わたしたち自身のために、わたしたちが自己をあらわす「日本」について考えねばならない。それがどのような意味をもって設定されたのか(古代の「日本」)、どのような歴史をたどってきたのか(歴史のなかの「日本」)ということについて、きちんと見届けることがもとめられる。――<本書より>