講談社+α新書作品一覧

父親受難―父と子のメンタルケア
講談社+α新書
父のストレス、子のストレスが家庭を危うくしている!!
家族はあっても家庭はない。そういう父親はもはや論外!健全な父子関係はどうつくられるか。学校医として多数の父子間の問題に取り組んできた精神科医の分析解明!!
現代はまさにストレス社会ですが、なぜか生真面目な中高年の父親ほど多くのストレスを受けています。他方で、子供たちにも受験やいじめの問題など、さまざまなストレスが襲いかかり、心因性のストレスから非行に走るケースが増加しています。このようなストレスを受けた父と子の両者の心を解きほぐすために、精神科領域ではメンタルケアを同時に施すことが大きな課題となってきました。学校の週5日制は2002年春に全面実施になります。親と子が共通の時間帯を持ちやすくなるといえます。こうした子どもたちと質的にも量的にも休日をどのように過ごすかが問題になってきます。子供任せ、母親任せにするのか、あるいは父親が先頭に立って家族とともに休日を活用するのか、その過ごし方によって、父子関係は一歩でも二歩でも改善できるのです。

危ない生保 安全な生保
講談社+α新書
いまの保健では危ない!!
安心できる保険はどれか!!
巨額の逆ざやと販売不振で喘ぐ生保各社は米国同時テロ以降の株価下落で一気に体力を消耗した。いまの保険が老後、ただの紙切れにならないための賢い保険の選び方。
多くの人は、生保の営業職員は保険会社の社員で、この人と交わした約束は会社もきちんと守ってくれるものと思っています。ところが実際は、営業職員は生保会社の人間などではなく、単に客と生保会社の間を取り持つ資格を持っているだけの人なのです。生保会社に代わって契約を締結する権限もなければ、告知を受ける権限(告知受領権)もないというわけです。ですから仮に、「そんなことは告知書に書かなくてもいいのよ」といわれ、その通りにしたためにあとで問題になり、契約を解除されたとしても、そのことで保険会社が責任を取る義務はどこにもない、というのが生保側の理屈なのです。
●生保会社は5年で半減する!?
●高い予定利率商品の結末
●誰も知らない営業職員の権限
●保険証券を確認しない悲劇
●手書きの設計書は無効と思え
●転換の新手口にご用心
●自動振替に気をつけろ
●掛け捨て定期保険では老後が不安
●保険料を払うだけムダな特約
●いい加減な日本の算定比率

ケイタイ+マンガ 日本発ブロードバンド革命
講談社+α新書
マンガ大国、携帯大国の日本が世界をリードする!!
日本の文化はインターネットにピッタリ!新しい衝撃的なビジネスが次々生まれている。日本人の生活はどう変わるか?技術者、経営者としての第一人者が徹底予測!
●第4世代に向かうインターネット
●世界の次世代インターネット
●日本に巡ってきたチャンス
●Iモードが証明したこと
●インターネット全体を変える日本
●挑戦する日本の「マンガ文化」
●日本の「親指入力文化」の世界
●インターネット・アニメの可能性
●日本の独想型ITビジネス
●アジアが主導するIT革命第2幕

ダイヤモンドの謎―永遠の輝きに魅入られた人々
講談社+α新書
美しい輝きの裏にある欲望と策略の人間模様!!
ティファニーやカルティエの虚々実々のかけひき、歴史に残るダイヤモンドなど、絢爛豪華なエピソードから最新の業界事情、すぐに役立つ実用知識も収録!!
フランス王室の宝石をおそった災難にはいろいろあるが、特に不幸であったのは、1792年9月におきた王室宝物庫襲撃事件であろう。革命後の混乱と無責任の中で、警備が手薄になった宝物庫(Garde-Meuble=家具倉庫)に、9月の11日から17日にかけて、数度にわたり盗賊団が潜入し、王室伝来の宝石や王冠類を根こそぎ盗み出したという事件である。このときに盗まれた宝石の大部分は取り戻されたが、非常に高価なもののいくつかは消え失せたままである。中でも有名なのが、67.5カラットあったフレンチ・ブルーと呼ばれたダイヤモンドで、これは盗み出された直後にロンドンに運ばれてリカットされ、今のホープ・ダイヤモントになったという説が有名だが、ブルーという色の類似以外には、証拠はない。――(本書より)

勝手に使うな! 知的所有権のトンデモ話
講談社+α新書
どこまでが許されて、どこから訴えられるのか!!
キューピー、ポパイ、スターバックスとエクセルシオール・カフェ、シャネル、j-phone.co.jp……有名なキャラクターやデザイン、ドメイン名をめぐる事件の顛末!
●「天才サザエボン」は今どこに?
●ポパイの著作権はいつ消滅?
●三島由紀夫の手紙掲載本事件
●「チーズ」が「バター」を訴えた
●小林亜星の音楽を盗用?
●「ときめきメモリアル」の2事件
●ソーテックとiMacの相似性
●「スターバックス」の真似はダメ
●「泉岳寺」駅名使用の禁止を要求
●「シャネル」はパクリを許さない
本書は、身近なキャラクター、本、ゲームなどが関係した「知的所有権」をめぐる悲喜劇を集めたものだが、かといって、現在世の中に出回っているような法律解説書や判例解説書のように、細かいウンチクに終始しているわけではない。
むしろ本書は、こういった従来の専門書とは一線を画し、「知的所有権」をめぐる事件の裏側に潜んでいる複雑な背景や人間ドラマを描き出すことによって、一般の人たちでも十分楽しめる気軽な読み物としてまとめ上げたものである。さらに、読み進めるうちに、各事件を理解するのに必要な法律知識も同時に習得できるように工夫してあるから、楽しみながら勉強もできるという「一石二鳥」の構成になっている。

日本経済「暗黙」の共謀者
講談社+α新書
この経済破綻の真犯人は誰だ!!
大不況の「出口」を探る!!
「日銀不況」「バブルとデフレ」の著者が日本経済のカラクリを明快に解く!日銀総裁・経営者・御用学者たちが国民を貧乏に突き落とし、ひと握りの人が金持ち&勝者になっている!!
私は、彼らがわざとデフレを長引かせているのではないかと考えている。
デフレスパイラルは、アメリカの経済失速という外的要因で発生したのではなく、政策の失敗によってもたらされたものでもなく、人為的に作られたものなのだ。実は、「デフレを長引かせること」によってメリットを受ける人たちはたくさんいる。5%を超える失業率やリストラに脅えるサラリーマン、あるいは自家の値下がりで住宅ローンを塩漬けにせざるをえなくなっている国民の傍らで、「デフレで笑いがとまらない」人々がたくさんいるのだ。彼らはデフレの継続を望んでいる。8年も続くデフレは彼らによって作られたものではないだろうか。

血液をサラサラにする生活術
講談社+α新書
NHK「ためしてガッテン」で効果を特集、話題に!!
科学技術庁長官賞を受賞した毛細血管モデルを流れる血液の測定。老化や動脈硬化を予防し、健康診断で見落とされる病気も発見。1561人のデータが語る血流改善の生活術を解明!

「ウィンドウズXP」がガラリと変えるパソコンの買い方
講談社+α新書
買ってから後悔しても遅い、実践的超辛口購入ガイド!!
ウィンドウズがフルモデルチェンジして、5年に一度の買いどきが来た。星の数ほどある新機種から何を選び、いつどこで買うべきか、ズバリわかる!!
●ウィンドウズXPマシンは買いか
●機種選定前に知っておきたい
●5年に一度の買い換えどき
●デスクトップとノートの選択は?
●カタログから読み解く本当の性能
●カタログのダマシに気をつけよう
●ADSLで常時接続するなら
●目的によって選ぶ機種は違う
●ズバリ買っていいパソコンは?
●XP搭載の最新パソコンガイド
2001年冬から2002年夏にかけて、5年に一度のパソコンの買いどきがやってくる。ウィンドウズがバージョンアップしたのだ。
今回登場したウィンドウズXPは、まさにフルモデルチェンジといえる。ウィンドウズ95、ウィンドウズ98、ウィンドウズMeと、ここ数年続けてきたバージョンアップは、マイナーチェンジでしかなかった。久しぶりに生まれ変わったのである。
僕に言わせれば、一般人がパソコンを使うようになって10年以上経ち、やっと道具として普通に使える物として完成したということだ。
もしも、ここ1~2年の間にパソコンを買おうと考えているなら、いま目の前で起こっているウィンドウズXP商戦が、逃せないタイミングであると考えておこう。――(本書より)

気の経絡指圧法 安らぎのツボ・実技篇
講談社+α新書
からだの痛みから、心の不調までを大改善!!
世界が注目する「癒しの手」が編みだした、心身がよみがえる指圧法。全身指圧のやり方から、気の出し方、呼吸法までを、図解入りでやさしく説く、絶好の指圧入門!
ツボは、生まれ、また消失する。ツボはあっても、気が閉じているツボもあれば、気が開いているツボもある。ツボは万般に変化する「生命そのもの」のあらわれである。
一方、経絡とは気の流れ、生命活動の根本である。ということは、これが内臓機能や身体姿勢などの働き、また意識・無意識をも含んでいるのだ。
東洋医学を「全体性(ホリスティック)の医学」というのは、経絡が肉体だけでなく、意識・無意識をも含めた、生命の全体を含むからである。……
気の経絡指圧は、心身一如の気を治療する方法である。「気が気を治す」のである。

新・武士道 いま、気概とモラルを取り戻す
講談社+α新書
現代にも通じる普遍の伝統的精神の再発見!! 「美しい日本人」と称された先達たちが持っていた日本人としての精神的バックボーン「武士道」。日本人が人として真に生きるための人間学として、いま甦る!! ーーいかに物質的に豊かになったとしても、人間が感情的動物である以上、精神的な豊かさがなければ、人はけっして幸せなど感じられないのである。賢明なる明治の先達たちは、それを知っていたがゆえに、開国によって怒濤のごとく押し寄せてきた文明開化の嵐のなかでも、日本人の伝統的精神を忘れないようにと、「和魂洋才」なる思想でそれに対抗したのであった。じつは、この「和魂」こそ、武士道精神であったのだ。それは武士道が、長い歴史のなかでつちかってきた日本人のバックボーンだったからである。だが、戦後の日本人は、この「和魂」すら捨ててしまって、「顔のない日本人」と評される国民となってしまっている。日本人の誇りと気概を取り戻すためには、どうすればいいのか。

サンタクロースの謎
講談社+α新書
不思議な魅力で、世界中から愛される秘密に迫る
なぜ赤い衣装?なぜ煙突から入ってくる?などの疑問に答え、カトリック教会にもプロテスタント教会にも聖人の座を用意されなかったサンタクロースの姿を明かす!
この時代、意味のある言葉がどれほど失われているかを考えれば、サンタクロースからの手紙の言語表現は、ありきたりの文句であってはならない。サンタクロースの言葉は子供ばかりでなく、大人のためにも重要な意味をもっている。子供はもちろん、大人にとってもなくてはならない言葉、それも言葉でなければ伝達することのできない凝縮した深い意味をもつ言葉をサンタクロースの手紙からもらいたいと願っているのだ。何しろクリスマスは、聖書が「言葉が肉になった出来事」というように、言葉の季節だ。なぜ、これほどまでにサンタクロースは世界中の人から愛されるのだろうか。その秘密は何か。彼のほんとうの姿は何か。何を彼は人間に与え、人間は彼に何を期待しているのか。その不思議な魅力に迫ってみようと思う。

イスラムのテロリスト
講談社+α新書
全世界を震撼させたテロリストは何物か!?
同時多発テロはついに世界覇権国・アメリカの中枢を直撃した!反米の憎悪に燃え、世界各地で暗躍するイスラム・テロリストの、ベールに包まれた実像に迫る!!
イスラムを抑圧する異教徒との戦いを「聖戦」と呼び、そのためには何人でも異教徒を殺してもいいと考える人々――それが、イスラム・テロリストである。現代のイスラム・テロリズムには、3つの母胎があったといえる。
ひとつめは、イスラム教の少数派で、もともと殉教思想の強かったシーア派イスラムである。ふたつめは、エジプト中南部「上ナイル地方」と呼ばれる地域の好戦的な社会慣習である。3つめは、多数派ヒンズー教徒と昔から戦ってきたインド亜大陸のイスラム聖職者集団である。これらの3つの水脈は、互いに絡み合い影響を与え合いながら、絶えることなく連綿と受け継がれ、さまざまなテロ・グループを生み出してきた。アフガニスタンの戦場は、そういった地下水脈が国際化するうえで、決定的な役割を果たしたいということはいえるだろう。

日本経済再建「国民の痛み」はどうなる
講談社+α新書
消費税40%もある!!
残された「3つの選択肢」一番痛くないのはどれか?
財政再建のやり方次第でサラリーマンの生活は大きく変わる。小泉首相の「骨太」改革の痛みのレベルは?予算配分の現場経験をもとに行った徹底シミュレーション!!
1996年に財政制度審議会で、日本の財政改革に関して集中的な審議を行うのに参加し、何とか日本にも可能性があると考えた。しかしながら、小渕内閣の政策によってすべてが灰燼(かいじん)に帰してしまった。
こうなっては、日本国民は、破綻か劇的な負担増加のどちらかを選択しなければならないことになる。しかし、前者の方が負担が重いのはいうまでもない。ところが、多くの場合、国民は失敗してから改革の必要性を感じることになるのだ。そのときは、改革の負担と破綻の負担の両方を背負うことになってしまう。
政治家頼みで終わるのではなく、最後の1人になってでも、私は財政改革の必要性を訴えていこうと考えている。

「なぜ?」がわかる激動の世界現代史(下)―民族と宗教の衝突
講談社+α新書
イスラムの怒り、アジアの怒り!実りなき応酬の開始!!
冷戦終結で世界は平和への道を歩むはずが、各民族間の根深い憎悪、格差への怒りが吹き出す。高度情報化社会が進行する中、ルールなきテロの横行。未来は泥沼か?

「なぜ?」がわかる激動の世界現代史㊤―革命と大戦
講談社+α新書
列強の専横が世界を蹂躙!個人と民族の覚醒!!
資本主義の究極の形としての帝国主義による植民地支配と世界戦争。民主主義と共産主義、ナチズムの台頭。「正義」の名の下に、人間の欲望の牙むきだしの世紀が発進!!

歴史遺産 日本の町並み108選を歩く
講談社+α新書
小京都、小江戸に負けない“いい町”特選版!!
町並みの見どころ、歴史散歩の勘どころを知ると、旅の面白さがグーンと増してくる。日本全国から選りすぐった108の町並みに息づく日本人の心を体感できる1冊。
●古い民家や町並みを訪ね歩く旅
●素朴と躍動感!みちのくの通
●坂東の諸道、甲州路、東海道
●真壁、勝沼、足助、有松、土山
●中山道と北への諸道の町並み
●美濃太田、荻町、本海野(もとうんの)、須坂
●京都周辺の諸道と北陸路
●坂本、小浜、篠山、橋立、五條
●中国路と瀬戸内の海路と四国路
●九州路・北と南の道と海路

男のひとり暮らしの快食術
講談社+α新書
もう食事で困ることはない、お父さんの台所!!
ベストセラー『おじいさんの台所』の著者が、父を一人前の生活者にした実績をもとに、名料理コーチぶりをご披露!毎日の食事が楽しくなる秘訣を手ほどきする!!
「ぼくは明治生まれの男です。台所に立つことは好まない」といっていた父も、「健康に生きるということは、まず朝、昼、晩の三度の食事を規則正しくとることだ」と実感し、ひとり暮らし3年目ごろから「いやいや台所に立つことは人生を粗末にすることとなり」と、料理づくりに楽しみをみつけ、生活の基本のバイオリズムを確立していきました。その父に、私は料理の基礎だけを特訓しました。
私は栄養学者でも、料理研究家でもないのですが、母から、下宿のおばあちゃんから、板前さんから、そして伝承塾で各地を辻聞きして歩いて、さまざまな食の知恵と技法を教わりました。そして、聞いたり味わったりして「おいしい」と思ったのをすぐつくってみる、これが私の特技になっています。

がん休眠療法
講談社+α新書
患者本位の新しい治療戦略!! がんは殺さず眠らせておけ!! 日本医学界の憲法「縮小なくして延命なし」の逆をいくがん治療の地動説!! 患者に優しく、がんの本質に基づいた21世紀の治療戦略として欧米で評価され、日本へ逆輸入!!
患者本位の新しい治療戦略!!
がんは殺さず眠らせておけ!!
日本医学界の憲法「縮小なくして延命なし」の逆をいくがん治療の地動説!! 患者に優しく、がんの本質に基づいた21世紀の治療戦略として欧米で評価され、日本へ逆輸入!!
がん患者は、どうしたらよいか本当に迷っているのです。それを示すのが、民間療法とか代替療法と呼ばれる治療を、70パーセントのがん患者が受けているという事実です。たしかに、これらの責任の多くは、納得できる治療を提供できなかった我々医師にもあります。著者は、学会側からも、患者に納得してもらえるような戦略、治療法を提示しなくてはと考えています。著者が「がん休眠療法」を学会に提唱してから5年の歳月がたちました。その間、多くの専門家からの意見、批判、支持などで磨きをかけられ、育ってきました。同時に、欧米で開発が進められている21世紀の抗がん剤の治療戦略と一致したのです。今では、「がん休眠療法」こそ、がんの本質に基づいた治療戦略であり、患者本位の治療という評価を受けています。

探すウルトラ技術
講談社+α新書
整理整頓は時間のムダ、探すほうが絶対に早い!!
あふれかえるモノや情報……不要なものをためこむから、捨てたり整理する技術を学ばなければなくなる。必要なときに素早く見つけだす“探す”プロのコツとは!?
高度情報化社会と言われて久しいが、世の中は情報であふれている。また、私たちの身の回りにはモノもあふれている。しかし、膨大な情報やモノをきちんと管理できているだろうか?結論から言う。もう管理するのはやめよう。たかが身の回りの情報ですら、きちんと管理することは不可能なのだから。
では、どうすればいいか?探すことに長ければいい。きちんと管理しなくても探す技術さえあれば、不自由はないではないか?
私は“探す”プロだ。読者に代わって、情報やモノを探し、雑誌や単行本に書く仕事を10年以上続けてきた。本書はその集大成だ。私が得意とするさまざまな“探すテクニック”をあますところなく紹介する。(本書より)

安岡正篤 人生を拓く
講談社+α新書
先賢の智慧と名言!!
歴代の宰相が争って師事した巨人!!
吉田茂をはじめとする8人の宰相の指南役を務め、政・財・官の指導者教育に力を注ぎ、古今東西の聖賢の智慧と人倫の道をわかりやすく説いた、安岡正篤の帝王学と思想!!
安岡の本が読まれるのは、歴代宰相の指南役だったからか。あるいは、財界の大物がこぞって帝王学を学んだというからか。または、和漢の古典の解釈が、読者に知的満足を与えるからなのか。私はいずれも正鵠(せいこく)を得ていないと思う。バブル経済によって浮かれ立ち、酔生夢死(すいせいむし)のような人生を送っていることに気付かなかった日本人が、バブル崩壊以後の10年を超す平成不況で、塗炭(とたん)の苦しみを得て初めて、調子に乗り過ぎて、大切な人倫の道をも踏み外していたことに気が付いた。そこに始まった自問自答や試行錯誤が、安岡の本を取らせ、再び天理や人生の大道について考えさせるようになった。深い問題意識があるから、人々は安岡の本を読み、膝を叩いて、「ああ、そうか、そういうことだったのか!」と、大いなる覚醒を得る。