講談社+α新書作品一覧

安岡正篤 人生を拓く
講談社+α新書
先賢の智慧と名言!!
歴代の宰相が争って師事した巨人!!
吉田茂をはじめとする8人の宰相の指南役を務め、政・財・官の指導者教育に力を注ぎ、古今東西の聖賢の智慧と人倫の道をわかりやすく説いた、安岡正篤の帝王学と思想!!
安岡の本が読まれるのは、歴代宰相の指南役だったからか。あるいは、財界の大物がこぞって帝王学を学んだというからか。または、和漢の古典の解釈が、読者に知的満足を与えるからなのか。私はいずれも正鵠(せいこく)を得ていないと思う。バブル経済によって浮かれ立ち、酔生夢死(すいせいむし)のような人生を送っていることに気付かなかった日本人が、バブル崩壊以後の10年を超す平成不況で、塗炭(とたん)の苦しみを得て初めて、調子に乗り過ぎて、大切な人倫の道をも踏み外していたことに気が付いた。そこに始まった自問自答や試行錯誤が、安岡の本を取らせ、再び天理や人生の大道について考えさせるようになった。深い問題意識があるから、人々は安岡の本を読み、膝を叩いて、「ああ、そうか、そういうことだったのか!」と、大いなる覚醒を得る。

商人道「江戸しぐさ」の知恵袋
講談社+α新書
江戸の人間関係術に繁盛繁栄の真理あり!!
「江戸しぐさ」は江戸の町で暮らす商人たちが、円満に共生する技術。世間を上手に回しながら他人との間合いをはかる庶民の知恵が今よみがえる!!
「江戸しぐさ」は上に立つ者の哲学と行動(商人道)を示すものだ。よき商人としていかに生きるべきか、その考え方は同時に、一般の人々にも役立つグローバル・スタンダード(世界的標準)として通用する。狭い道ですれ違うとき、肩を引き合って胸と胸を合わせる形で通りすぎる肩引き。雨のしずくがかからないように、傘をかしげ合って気くばりして往来する傘かしげ……など、町衆(町人のリーダーの立場にいる商売人)は知恵を絞り、いろいろな「江戸しぐさ」をつくり上げた。今なぜ商人道「江戸しぐさ」なのか!考えるに、私には現在、上に立つ者(トップ)たちが大事なものを見失っている気がしてならない。21世紀の生き方のヒントが「江戸しぐさ」にはいっぱい詰まっている。

自分でもユーウツになる「その性格」を変える
講談社+α新書
決断できない、いつも弱気、自分にも他人にも迷惑な性格!!
あなたの困った性格は脳という器械のクセである!いじいじ脳、おろおろ不安脳、マジギレ暴力脳……苦しい修行なしにカンタン訓練で明るい自分に生まれ変わる!!
私たちにとって、自分の心ほど大切なものはありません。さらに心を支える脳が健全であるからこそ、喜び、生き甲斐などを感じることができるのです。もし無理をしすぎて、脳細胞が死滅し、脳が萎縮してしまうとしたら、あなたの仕事や成功はそれにもかまわずやるほど価値があるのでしょうか。「脳細胞が死滅しても、仕事がうまくいくほうがよい」などという人はいないのではないでしょうか。あなたが無理をするのは、もしかしたら他人への見栄かもしれません。あるいは他人へのあてこすりかもしれません。これとあなたの大事な脳細胞を取り換えていいものでしょうか。自分をもっと大切にして心と脳を傷つけない生き方こそ、あなたの性格のゆがみを防ぎ、他人から慕われる性格にあなたを変えるのです。

今に生きる親鸞
講談社+α新書
永遠の巨人の哲学と思想が現代の知の巨人を魅了した!! 仏教界の戒律を破り肉食も妻帯もした親鸞。貴族や武士のものであった仏教を、念仏を称(とな)えるだけで往生できるとし、民衆の心を掴んだ巨大な宗教家の、現代を癒す力!!
永遠の巨人の哲学と思想が現代の知の巨人を魅了した!!
仏教界の戒律を破り肉食も妻帯もした親鸞。貴族や武士のものであった仏教を、念仏を称(とな)えるだけで往生できるとし、民衆の心を掴んだ巨大な宗教家の、現代を癒す力!!
ぼくの家の家宗は浄土真宗西本願寺派ということで、子供のときから、法事があると坊さんがきて、親鸞の「正信偈(しょうしんげ)」というお経をあげていました。蓮如には「御文章」というものがありますが、その中の一節にある「白骨の御文章」を一緒に聞かされました。「朝(あした)には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり」というようなものです。祖父母や両親の何回忌というときには、坊さんはいつも決まってこの2つをやっていたものです。そのせいかぼくは、親鸞は好きな宗教家で、戦争中からずっと読んでいました。親鸞について書いたのは、戦争が終わって学生時代に書いたのが一番最初です。その後、親鸞についていくつか書いたり、しゃべったりしてきました。今でも親鸞にはとても興味を持っています。――(本書より)

自分の骨のこと知ってますか―人のからだは驚異の立体パズル
講談社+α新書
人体を守る骨の不思議、巧妙なしかけを明かす!!
頑丈で軽く、硬くて弾力のある骨。この高性能の素材が血液を製造し、脳や内臓を守り、しなやかな動作を生む。からだは骨と関節の予想以上の精緻な設計によって守られている!
平均寿命が低かった時代は、その時代の天寿をまっとうしても、骨は丈夫なままでした。いいかえますと、骨がその機能を果たさなくなる前に、からだの他の部分が原因でこの世を去ることが多かったのです。
骨は心臓や筋肉、胃や肝臓などと違って、みるからに硬そうで、しかも色はモノトーンです。一見それ自体が生きているとはとても感じられません。しかし、人体の他の構成要素と同じように、骨にも驚くほど複雑で理にかなったしくみが隠されています。
骨の大敵である老化は、私たちの周りにある道具や機械が経年変化によって故障を生じるのとは違います。人体の他の組織と同じように、細胞の再生能力が失われてくるのが骨の老化です。こういうことも最近になってようやくわかってきました。

二兎を得る経済学―景気回復と財政再建
講談社+α新書
日本復活の「絶対成功理論」!
もうリストラはいらない!!
「骨太」改革で国民は骨折。市場万能主義で日本は沈没。消費税増税では財政再建はできない!東京に活を入れた財政の第一人者による、日本再生「最後の処方箋」を!!
世紀末はいつも人々に暗黒のイメージを植え付ける。実際、20世紀末から人類の歴史は、暗澹(あんたん)たる長期的停滞に苦悩し、いずれの国民国家も市場経済と財政という2つの経済の危機に喘いできたといってよい。
溺れる者は藁をも掴む。日本の掴んだ藁は、「レーガノミックス」である。
鹿鳴館の舞踏に酔い痴(し)れる人々の目には、アメリカの栄光は「レーガノミックス」の成功と映ってしまう。レーガンに真似て舞いさえすれば、日本も晴れの舞台で光り輝くことができる。こう堅く信じて、足の長さも手の長さも相違する日本が、レーガンよろしく踊り始めたのである。

クルマを捨てて歩く!
講談社+α新書
歩くと人間が変わる!!
クルマのない生活は可能、人間らしい生き方が始まる。
クルマを捨てると、時間がふえる!お金がふえる!体力がついて健康になる!歩く楽しさと、心身ともにリラックスする快適さを味わえるシンプルライフの提案。
「クルマを捨てる」とは、本当に気持ちのよいことです。私がクルマに乗らないのは、やせがまんからではありません。なによりそうすることが楽しいから、クルマなしの生活がとても快適だから、そうしているのです。
クルマを捨てる気持ちよさは山ほどあって、一言でいうのは難しいですが、あえて一番は何かと聞かれたら、「精神的にリラックスすること」かもしれません。クルマに乗らなければ、渋滞でイライライすることもなく、駐車場探しの心配もなし。もちろん、交通事故の加害者になる恐れもなく、神経をする減らす運転のストレスなどとも無縁です。
「クルマに乗らないと、毎日がなんと気持ちよく過ぎていくことか!」

毒物の魔力―人間と毒と犯罪
講談社+α新書
フグ毒からサリンまで、この世は毒物で一杯だ!―― 人はなぜ、古今東西、毒物に魅入られるのか? さらに、人はなぜ微量の毒で死ぬのか? 迫りくる毒社会の恐怖を、事件、事故、戦争などを通して分かりやすく解説。
●毒の怖さは、ごく微量でも人を殺せるところにある。毒はごく微量で、生体のメカニズムの微妙で微細なところに作用して、大きな生命体を殺してしまう。猛毒と呼ばれるものは、やはり不思議な存在である。毒による殺人事件を見ていくと、殺人者はそんな毒の不思議な魔力に、とりつかれてしまった者のように見える。この本では、古くからの毒、新しいタイプの毒、さまざまな毒物の毒性を紹介し、その作用のメカニズムをみていく。またそれとともに、科学者、企業人、医者、宗教信者、毒物事件の加害者・被害者など、さまざまな人々が登場する。毒をこの世から一掃することはできないが、私たちはその本質を知ることはできる。知ることは、「毒はもう怖くない」といえるようになるための入り口に立つことである。

やる気の健康医学
講談社+α新書
「どうも、やる気が出ない」それは、なぜか!?
心は知・情・意の3つから成り立つ。その中でやる気を起こすのは、意である。やる気が出ないのは病気なのか!?心の病とやる気の関係が詳しくわかる1冊!!
人間の体調や気分は、年がら年中同じ状態ではない。多少の幅をもって、よかったり悪かったりをくり返している。神経質な人は、正常範囲の心身の変化を重病のように思いこむこともある一方で、大ざっぱで無頓着な人は治療を要するほどの心身の変化も放置して、状況をさらに悪化させている場合もある。「やる気」の喪失は、うつ病などのように、憂うつ、イライラ、食欲不振、不眠などの症状と一緒に起こってくる場合もあるが、ある種の精神分裂病のように、他の症状はほとんど認められないのに、重症の「やる気」のなさを示している場合もある。また、病気とは無関係に、怠惰な生活から「やる気」喪失を指摘される人もいる。「やる気」の喪失は、このようにさまざまな背景を持っている。

遺伝子の神秘 男の脳・女の脳
講談社+α新書
その愛は遺伝子が決め、男女の脳は質(でき)も違う!?
愛とセックスの好みまで、遺伝子で決まっている!?衝撃的発見を軸に、遺伝子――ホルモン――脳に至る行動コントロールのしくみを楽しく解説。生命の真実にせまる!!
私たちはこの方法で、染色体の別々の場所にトランスポゾンの入ったハエを2000種類つくり出し、片っ端からその性行動を観察した。行動観察にはプラスチック製の使い捨て注射筒を用いる。その中にキイロショウジョウバエの雌雄を1匹ずつ入れ、このハエ入り注射筒を50~60本並べて、それぞれのペアがいつ交尾に入り、どれくらい長く交尾をしているか、また求愛のパターンに異常がないかどうか逐一記録するのだ。ハエの飼育室に1人すわり、閉鎖空間の中でハエたちが繰りひろげる性行動の観察をただひたすら続けているといつしか瞑想状態に陥って斬新な研究アイデアが次々に浮かんでくる……なんてことは滅多にあるものではない。単調な作業に辟易(へきえき)しつつも、何とかふんばったというのが現実である。

日本経済 勝利の方程式
講談社+α新書
低迷から脱却し、日本再構築の処方箋!!
戦後の焼け野原から驚異的な繁栄を築いた20世紀日本の成功方程式は、なぜ暗転したのか?教訓を生かし、新たなる成功の方程式を提言する。日本は変われる!!
1990年代の日本は、方向が見えないまま低迷を続けてきた。これが、「失われた10年」である。単なる低迷だけならいい。深刻なのは、方向が見えないまま低迷を続けてきたため、10年という貴重な時間だけではなく、資本、労働、土地、技術といった貴重な経済資源も失いつつあるということだ。「失われた」というならば、いまはすでに新しい時代に入っているという事実がなければならない。しかし、今日、日本経済が新しい時代に入ったといえる手がかりはどこにもない。つまり、10年の過去も失ったが、いまも依然として、新しい時代を失いつつあるという厳しい状況に置かれているのが日本なのだ。

日米開戦の真実――パール・ハーバーの陰謀
講談社+α新書
真珠湾(パール・ハーバー)におびきだされた日本!!開戦は避けられた!!
満州国を既成事実として認めたアメリカ。石油の禁輸を解く用意もあった。日米が戦争に突入したのはなぜか?蒋介石、チャーチル、スターリンがめぐらした陰謀とは!?
当時、日本を支配していた軍部や貴族などの特権階級の首脳の中で、民主主義国家の精神や仕組みについて理解していた者は、皆無に近かった。もしも、このようなアメリカ国民と大統領との位置関係を、多少なりとも理解していた者があったとすれば、日米開戦を巧みに避けながら、日本の望む方向へと、アジア戦略を構築することが可能だったのではないかと思われる。
「ハル・ノート」を、米国側の日本に対する最後通牒(つうちょう)であるとみなし、ひたすら日米開戦へと突入していったことは、皇国史観を背景とする、軍部独裁国家のみがとりうる行動であったことは確かである。
個人の思想や行動の自由が保障された民主主義の国家においては、日米開戦などという無謀なことは、まずありえないと考えていたに相違ない。

仕事一途人間の「中年こころ病」
講談社+α新書
「働き盛り」が一度は陥る生き方への疑問と諦め!!
急増する中年の自殺の原因は、厳しい不況による経済的事情だけではない。仕事に人生を懸けてきたこの世代が抱える「こころ」の問題を、豊富な臨床例から説き明かす!!
未曾有の不況が中年に深刻な影響を及ぼした事実を否定するつもりはないが、はたして、それだけがこの世代の自殺の急増の唯一の原因であるのだろうかと私は疑問に感じている。そこで、本書では、もう一歩踏み込んで、そもそも中年の抱えやすい問題に焦点を当ててみたい。自殺する人の背後には、「自分の人生はこれでよかったのだろうか?」とか、自殺行動には及ばないものの、これまでの人生を振り返ってみて、「いつ死んでも別に悔いはない」などと諦めきってしまっている人も少なくない。中年世代に自殺が急増していること現実であるのだが、自殺に至らないまでも、この世代が抱えている問題を少し取り上げてみることも意味があるのではないだろうか。

JAZZジャイアンツ 名盤はこれだ!
講談社+α新書
いま聴いて、納得できるモノだけを語り尽くす!!
1940~60年代に出現したジャズ界の巨人たちを「危険な2人」が本音で過激に評定!!「ジャズ評論」の常識をひっくり返し、息つく暇なしのジャズ名品名作ガイド!!
コールマンが1960年代に現れた時、ジャズ界、賛否両論、もの凄くかまびすしかった。40年後の今日、われわれ2人は決着をつけました。ダメ。バツ。そうです。本書に登場するJAZZジャイアンツはすべて今日の目で語られています。現在の視点で判定されています。これが他のジャズ本と一線を画すところでしょう。
本書には遊びがあふれています。しかし、締めるべきところはかっちり締められています。したがって、ジャズ入門者の方にも、マニアックな方にも喜んでいただけると確信しております。ニヤリとするマニアの方も多いと思いますよ。「ナニヲ!」と怒る方もおられるでしょう。青くなったり赤くなったりっしながらお読みください。

日常ながら運動のすすめ―フィットネスクラブ無用論
講談社+α新書
「すぐ始めてすぐやめる」にならない健康法とは!!
生活習慣病につながる肥満への不安を解消し、長く生きること楽しむために、日常生活で運動し長続きする方法を「健康づくり難民」に向けて解説した、初めての本!!
「健康ブーム」といわれて久しいです。テレビ番組では、軽妙な司会者のわかりやすい健康情報番組が、市場に影響力を持つようになっています。ところが、いざフィットネスジムの会員となっても、いくらも行かないうちに挫折する、いわゆる健康づくり難民は増えるばかりです。「すぐ始めてすぐやめる」行動パターンは、20数年前からほとんど変わっていません。まず、発想を大胆に変えることが大事です。健康づくりは、誰でも、どこでも、ひとりで、簡単に、指導者なしで、自由にできることを原則とします。生活のなかで知恵を活かしたこの健康づくりを、私は「日常ながら運動」と名づけました。健康づくりは施設に頼っては成功しない、指導者は不要、気ままに勝手に行うのが、大切なのだ、といいきることです。

魯山人と辻留 器にこだわる
講談社+α新書
若き日の魯山人との出会いが辻の美意識を決定づけた!―― 当代随一の芸術家にして美食家の魯山人のもとに、果敢にも単身乗り込んだ「辻留」3代目。今その数々のエピソードをはじめ、辻留流の器使い、盛りつけの極意を明かす。
●食べることを愛し、旨いものを追い求めた魯山人先生のやきものは、そのほとんどが食器です。しかも先生の食器はどれも絶妙の寸法を持っていて、温かく料理を抱きかかえてくれます。「器は料理の着物である」という先生の言葉のとおり、どちらもでしゃばらず、互いを引き立て合う盛りつけができたときの感銘はなにものにも代えられません。これが料理人としての私が、魯山人先生に学んだいちばん大きなことだと思います。その後も私なりに日々精進を重ね、今日に至りましたが、自分自身の中にできた器考や料理考を、魯山人先生の思い出とともにこの機会にまとめてみました。

英語、それを言うならこうでしょう
講談社+α新書
使われているナマの英語、だから絶対に通じる英語!!
ネイティブ並みの英語力をもち、アメリカと日本で活躍するミュージシャンによる画期的な英語論&用例集。「日常的に話されているからこそ正しいホットな英語」を満載!!
レストランやコーヒーショップで「コーヒー2つ!」は“Two coffees please.”って言うんだけど、これは文法的にはちょっと変。だってコーヒーは、豆のときは1つ2つと数えられるけど、液体になってしまえば数えられないってことで、日本では英語の時間に“two coffees”なんて言ったらそれは絶対に不正解。「それを言うなら“Two cups of coffee.”、コーヒーカップ2つ分」なんて教わるはず。「なぜ“Two coffees please.”なんて言うのか?」と質問されても、「さぁ~、でもそう言うんだから……」としか答えられません。(中略)言葉ってズバリそういうもの。つまり「使われているからこそ正しい」ってことで、日常の英語は教科書や参考書のものとはかけ離れてるってわけです。

花ひらく 心ひらく 道ひらく
講談社+α新書
いかに生き、いかに大成するか現代を生きぬく心の指標!!
「念ずれば花ひらく」の詩人、坂村真民の作品から厳選した200篇!!宇宙の歌に耳をすまし、自然の息吹を感じることが生きる喜び、糧となり、人生を輝かせてくれる!!

命の値段
講談社+α新書
命の値段の計算は簡単だ!!いったい誰が払うのか!?
誰が被害者となり、加害者となってもおかしくない今日、自分の「命の値段」と他人の「命の値段」の両方が問題だ。不幸にも加害者となったとき、「命の値段」を支払えるか。
自動車事故ひとつをとってみても、毎年85万件の死傷事故が発生し、死傷者は100万人以上にのぼっている。これは、毎年85万人近くの人が加害者の立場に立たされ、100万人以上の被害者に対して損害賠償の責任を負わされていることを意味している。自動車事故ばかりではない。自転車で買い物に出かけて人にぶつかったり、スキーやゴルフをしていて誤って他人に怪我をさせたりなど、日常の生活環境や何気ない行動のなかで、突発的・偶発的な出来事によって加害者となってしまう危険性は十分にある。
被害者の立場でしか考えてこなかった人が、加害者の立場に立たされて初めて、自分の家族の生活・生存を脅かすほどに高額な賠償金を負担させられることに気づく。しかし、それでは遅すぎる。

聖書物語 男と女その後どうなった
講談社+α新書
「聖書」の裏に隠された生々しい愛憎ドラマ!
アダムやエバ、アブラハム、マリア……聖書に登場する有名人たちはどういう人生を送ったのか。人間臭い神様、禁欲純潔を称揚する聖書がもっと身近になる本!!
聖書の「外典」や「偽典」の多くの文書を特徴づけている人間臭さは、同時に大衆性である。「正典」ではほとんど触れられていない幼年時代のイエスが、泥で作った12羽の雀を飛ばしたり、文字を教えようとする教師に最初のアルファの文字の意義を問い詰めてやり込めたりする。これは「トマスによるイエスの幼児物語」だが、その神話というより民話的なお話から浮かび上がってくるのは、おそらく作者の意図に反して、何とも小生意気な少年イエス像である。男と女をめぐってはかなりきわどい、それもいささかアブノーマル趣味的な叙述が目につく。禁欲純潔の称揚と奨励が意図でありながら、文章の行間に漂うのは性に対する悶々の情と執着であり、秘められた憧憬である。