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2015.07.24発売
会社のカミ・ホトケ 経営と宗教の人類学
講談社選書メチエ
入社式、社葬に隠された意味とは?
日本的経営の秘密をさぐる
ビルの屋上に祠をかまえ、物故社員慰霊の法要を営む。日本の会社=社縁共同体はなぜ神仏をまつるのか? 入社式や社葬の知られざる意味とは? 経営人類学の観点から日本的経営の本質を解き明かす1冊。
【目次】
プロローグ 経営人類学と会社
第1章 会社宗教とは何か
1 会社宗教のルーツ
2 カミとホトケの不均等二分
3 平等原理と不平等原理
4 カミとホトケの五行説
第2章 会社神社と社縁共同体
1 会社神をまつる神社
2 神々の合戦を制しヱビスビール
3 恵比寿の再開発と恵比寿神社
4 会社はなぜ神をまつるのか
第3章 会社墓と日本的経営
1 高野山と比叡山
2 供養塔建立の歴史
3 供養塔建立史を読む
4 追悼儀礼
5 会社はなぜ物故者を供養するのか
第4章 会社への加入儀礼=入社式
1 同期の桜
2 ソニーの入社式
3 ダスキンの入社式
4 入社時研究とイニシエーション
第5章 会社の不滅と再生の儀式=社葬
1 創業者の社葬
2 松下電器とソニー
3 ドーム社葬
4 社葬の意義
第6章 会社の神聖化装置=企業博物館
1 会社の神殿としての企業博物館
2 展示にみるカミとホトケの相克
3 スーパーと教会建築
第7章 経営者と宗教
1 経営者はなぜ宗教にひかれるのか
2 松下幸之助の経営宗教
3 船井幸雄の経営宗教
4 創世神話や終末論をこえて
エピローグ 宗教からみた経営
注
あとがき
索引

2015.07.24発売
稲作の起源 イネ学から考古学への挑戦
講談社選書メチエ
縄文稲作はなかった
稲作のルーツは焼き畑農業ではない。サトイモなど水辺の根菜栽培に起源を持つ、「株分け」栽培から生まれた。イネ学最先端の知見から水田稲作という世界の農業上、最もユニークな農耕発生のメカニズムを解明し、照葉樹林農耕論をはじめとする定説の書き直しを迫る。
【目次】
序 章 イネに秘められた私たちの歴史
第一章 栽培イネの起源──通説への疑問
1 照葉樹林農耕論とは
2 「原農耕圏」の考え方
3 ヒマラヤ南麓起源説
4 これまでの稲作起源論の再検討
第二章 それは根栽から始まった──イネ栽培のルーツを探る
1 照葉樹林農耕論の問題点
2 根栽農耕の再説──サウアー説の紹介と再評価
第三章 根栽農耕への旅──雲南から東南アジアに痕跡をたどる
1 なぜサトイモを見るのか
2 今も残る根栽農耕を見る
第四章 どのようにしてイネは栽培化されたか
1 栽培化への前段階
2 野生イネから栽培イネへ
3 イネの変化が農耕を教えた
4 水田稲作は奇跡であった
第五章 水田稲作と「越」人──タイ語系人のアジア展開
1 最古の稲作遺跡は古代の「越」の都と重なる
2 稲作民の拡大と湛水水田農耕の発展
3 タイ語系の人々の生業と集落
4 イネはインドで独立に栽培化されたか
第六章 人間の歴史が刻まれたイネの多様性
1 インド型と日本型の差は何によるのか
2 東アジアにおけるインド型イネの起源
第七章 だれがどのように稲作を日本に
1 古代人の植物利用と帰化植物
2 「縄文農耕の証拠」をどう見るか
3 水田稲作の日本への伝来の背景
4 稲作伝来と弥生時代の幕開け
5 弥生中期と日本古代の稲作
終 章 水田稲作社会とは何か
1 雑穀農耕と稲作を基盤とする社会の違い
2 水田農耕という鋳型がつくった農民像
3 東アジアの水田農耕がもたらした社会
各章の事項への註
引用文献および引用註
あとがき
索引

2015.07.24発売
大英帝国の大事典作り
講談社選書メチエ
ブリタニカ、OED、DNB 大辞書、大事典プロジェクトにとり組んだ巨人たちの物語!
『ブリタニカ百科事典』Encyclopaedia Britannica 『オックスフォード英語辞典』Oxford English Dictionary 『イギリス国民伝記辞典』Dictionary of National Biography……。18世紀後半から19世紀後半にかけて、イギリス人はこの3つの大辞書、大事典を編纂した。世界をリードする気概にあふれた当時のイギリス社会は、なぜ、このような大事業を敢行したのか。それらは、どのように利用され、効果を発揮したのか。近代の知のインフラを整備した人々と歴史を検証する。
【目次】
序章 イギリス社会における「知」のインフラ──辞書・事典作りの伝統
第一章 『ブリタニカ百科事典』の歴史
第一節 一八世紀という時代
第二節 『サイクロピーディア』から『百科全書』へ
第三節 『ブリタニカ』
第二章 『オックスフォード英語辞典』の歴史
第一節 イギリスにおける辞書編纂の歴史
第二節 グリム兄弟と『ドイツ語辞典』
第三節 ジェイムズ・マリーと『OED』
第四節 『OED』に対する、現在の視点からの評価・批判
第三章 『イギリス国民伝記辞典』の歴史
第一節 イギリス人と伝記──ジョン・オーブリーからレズリー・スティーヴンへ
第二節 レズリー・スティーヴンの生涯
第三節 スティーヴンと『DNB』
第四章 三つの辞書・事典の現状と将来
あとがき
注
人名索引

2015.07.24発売
神と自然の科学史
講談社選書メチエ
「自然」と“nature”はどう違うか?
比較科学論への招待
先人が工業化のために受け入れた西欧自然科学は、私たちが母語で思考する力を奪ってしまった?西欧の“nature”と私たちの「自然」。彼我の自然観を互いに相対化することで初めて見えてくる、本当の「科学」の歴史。
【目次】
まえがき
ことばでは表せない自然のすばらしさ/同じではない「自然」と“nature”/普遍から個別へ、絶対から相対へ/異文化相互理解のために
序章 鏡としての西欧自然科学
本書の構成/西欧自然科学について学ぶ/異文化との不適切な遭遇/アヒル―ウサギ図のたとえ/歴史的眺望/鏡を用いた非西欧世界の自己発見
―第1部―
第一章 普遍性の正体
「技術」の普遍性/科学と技術の峻別/認識に優劣はない/認識とは・技術とは/技術と認識の相互往来/ガリレオの離れ業/【略】
第二章 ギリシア人の方法
言語相対性原理/西欧語の世界観/創造主の内なる「イデア」/実在しないイデア/物質界との峻別/幾何学的特性/ピュタゴラス→プラトン→聖アウグスティヌス/【略】
第三章 西欧自然科学の世界観
ひらめきの瞬間/ゴールを知らないマラソンランナー/ロゴスによって捉えられるもの/神の存在証明/初めに“Logos”があった/【略】
―第2部―
第四章 日本語の秩序に従う自然
翻訳の成功の陰に/枠組みが違えば/自然の誕生/漱石の自然/“Nature”ではない「自然」/察慮・量測スルコト能ハザル/【略】
第五章 諸法実相の枠組み
哲学―自分の枠組みを知る/「諸法」と「実相」の矛盾対立/道元の解釈/実相は諸法なり/日本的変容/神道的心情―諸法と実相を諸法に統一/【略】
第六章 実際の体験
誰の方法で考えるのか/諸法―物尽くしによる世界把握/量の問題/儒学・国学・和算/理科の実験の物尽くし/現象の救済/【略】
終章 比較科学論への招待
「それ自体は無意味の世界」から/透明な言語記号?/精神の不自由/さらに奇妙な牢獄/【略】
あとがきと謝辞
参考文献
索引

2015.07.24発売
会津戦争全史
講談社選書メチエ
日本を割った大戦争、なぜ虐殺で終わったか?
会津戦争は「新政府軍と旧幕府軍の戦い」ではない。非寛容の精神で残虐行為に走る薩長軍に対して、奥羽越列藩同盟は新生国家のグランドデザインを突きつけ、正面から戦闘を挑んだのだ。しかし、戦略なき会津軍は「武士道」のもと非戦闘員をも動員し、悲劇へと突き進む――。幕末の会津藩を追い続けた著者が描く一大戦記。
【目次】
はじめに
長州兵の証言/会津戦争の盲点/薩長とどう向き合うべきか
第一章 鳥羽伏見の戦い
喜の独断専行/激しい動揺/「身死すとも癘鬼となる」/激怒する会津兵/戦争起こらず/【略】
第二章 戦火東北に迫る
慶応四年春の情勢/抜擢される若手実力者/都落ち/会津藩大改革/旧幕府軍からの挙兵/新潟が生命線/【略】
第三章 奥羽鎮撫総督
松島の海/決断を迫られる仙台藩/会津へ使者/容保との対面/仙台藩の決断/八百長戦争/中山口の談判/同志千二百人連中【略】
第四章 白河大戦争
白河城奪還/第一次白河戦争/官軍、大敗北/同盟軍の無策/第二次白河戦争/薩長軍奇襲、同盟軍壊滅/七〇〇人の兵に敗れた二五〇〇余人の軍団/地元民と兵士たちの証言/白河城奪還ならず/仙台に厭戦気分
第五章 越後、磐城に戦火拡大
越後に乗り込む佐川官兵衛/河井と佐川の衝突/河井継之助という人物/朝日山の決戦/長岡城の攻防/【略】
第六章 会津国境破れる
会津か、仙台か/母成峠の激闘1──薩長軍の証言/母成峠の激闘2──会津軍の証言/城中、色を失う/会津盆地にやすやすと侵入/無策/【略】
第七章 会津鶴ヶ城攻防戦
山川大蔵の彼岸獅子入城/若手抜擢の大改革/八月二九日、槍で銃弾に総攻撃/物量に勝る薩長軍/懐に忍ばされた遺書/【略】
第八章 白旗をかかげて降参
籠城婦女子の証言/降参の白旗/降伏交渉開始/降伏使を手綱で縛って連行/土佐の記述/最後の一ヵ月は立派だった容保/【略】
終章 会津戦争の意味
犠牲者の数/「人皆、悽愴せざるはなし」/北方政権構想/江戸の庶民は会津びいき/もし榎本が参戦していたら/【略】
あとがき
参考文献
索引

2015.07.24発売
ハプスブルクの文化革命
講談社選書メチエ
全市民に娯楽と余暇が開放された、ウィーンの「文化革命」とは何か?
豪華な儀式と祝祭でスペクタクルを演出し、視聴覚から臣民を従えたマリア・テレジア。庭園も舞踏会も一般公開する一方で、自分は宮廷に引きこもるヨーゼフ2世。同時代の記録に残された膨大な都市民の肉声から、啓蒙専制君主に再編される市民生活の相貌を活写する。
【目次】
関連地図
はじめに
第一章 北方からのまなざし──ドイツ啓蒙主義者がみたウィーン
1 「啓蒙の聖地」ウィーン
2 「パイアケス人の国」──旅行記が描く十八世紀ウィーン
3 「カトリック宮廷都市」における啓蒙主義
第二章 マリア・テレジアとウィーンの宮廷文化
1 ハプスブルク帝国の中央集権化と宮廷社会
2 「スペクタクルは君主の務め」──マリア・テレジアと宮廷行事
3 ウィーンの謝肉祭
第三章 都市の時空を画すもの──宗教行事・伝統的スペクタクル・演劇文化
1 伝統的娯楽のかたち
2 啓蒙専制主義と余暇の管理
第四章 ヨーゼフ二世── ハプスブルクの「革命児」
1 啓蒙君主の教会改革と娯楽観
2 新しい娯楽習慣とヨーゼフ主義の実現過程
第五章 緑地へ向かう都市民──近代的余暇習慣のステージ
1 ウィーンの庭園──世界支配の象徴から至福の園へ
2 公共緑地と散策習慣
3 日曜日の散策者たち──娯楽の諸要素の再統合
第六章 「中心の喪失」 ヨーゼフ二世の宮廷改革
1 儀式なき宮廷、「私」としての皇帝
2 宮廷儀式の「親密化」
終 章 バロック的宮廷都市から市民的近代都市へ
1 メトロポリス・ウィーンと新しい都市文化
2 啓蒙主義の「再発見」
ハプスブルク家略系図
注
あとがき
索引

2015.07.24発売
レヴィナス 無起源からの思考
講談社選書メチエ
倫理=政治=哲学論考 人間の起源についての真実
存在を・欲望を・責任を・正義を・国家を考え抜いたレヴィナス。「他者」の「顔」が私に到来するとき哲学が始まるとは、どういうことなのか?「砂嵐のような文体」で語られた真理に迫る渾身の書き下ろし。
【目次】
序 章 あなたに
1 倫理=政治=哲学論考
2 「無起源」あるいは「思考しえないもの」
プロフィール──レヴィナスとその時代
第一章 糧と享受
1 端的な存在──空
2 存在に走る亀裂──無
3 要素の中心化──穴
4 糧の享受──体験
第二章 欲望 あるいは愛
1 「顔」の下での覚醒
2 異邦人から異邦人へ
3 絡み合い
4 「欲望」する理性
第三章 言葉
1 接触
2 接触なき関係──「瞬間」
3 過剰な受動性──語り出すこと
4 「汝、殺すなかれ」
第四章 責任 あるいは身代わり
1 赤貧・廉直・近さ──責任
2 他者に傷つく能力──私
3 絶対的差異の下に──単独者
4 「私のために」と「他者のために」
第五章 国家と正義
1 比較不可能なものの比較
2 「欲望しえないもの」にして「望ましからざるもの」──正義
3 等しいものたちの共同体──国家
4 正義と責任──最初の暴力
あとがき

2015.07.24発売
他界からのまなざし
講談社選書メチエ
生のリアルに迫るダイナミックな思考の旅!
僕らが日々漫然と消費しているこの「生」は、「向こう側」からみつめ直すことで輝き出す!生のまぎわに臨む「臨生」のたたずまいを得ることで、人生のリアルさを取り戻すことができるのだ。古今東西の他界観・芸術空間論・共同体論をふまえた渾身の哲学論考が登場!
【目次】
プロローグ 日常という奇蹟
第一章 他界の近さ──日本人の他界観
1 ダブルな世界
2 死にあらがう生
3 もうひとつの現実
4 ネクロマンシー(死界との交感)
第二章 反転する浄土──世阿彌能の秘密
1 闇の劇場
2 転位するシナリオ
3 よみがえる此岸
第三章 プレシオスの鎖──宮澤賢治の生きた場所
1 蒼白い星の群れ
2 垂直の投身
3 にんげんの壊れる時
4 『銀河鉄道の夜』の謎
5 ほんとうのしあわせ──謎の解明
第四章 空白の共同体──コミューンの現象学
1 共同体はすでにある
2 主体のパラドックス
3 〈間〉の幾何学
4 死のイニシエーション
第五章 遊体論──プラトンの変身術
1 遊園地奪還
2 身体さがし
3 身の現象学
4 遊体化の密儀
5 臨生のイデア
エピローグ バスに乗るのはもうやめよう
注
索引

2015.07.24発売
よみがえるロマノフ家
講談社選書メチエ
ピョートル大帝、アレクサンドル1世、エカテリーナ2世、ニコライ2世etc. 1613年ミハイル選出から1917年ニコライ退位に到るまで19人を数える君主の家系はいかに継がれていったのか。西欧派・ピョートル大帝やパリに入城したアレクサンドル、女帝の世紀の啓蒙君主・エカテリーナなどの事績を追い、強い君主を希求するロシアの民衆とツァーリ一族の300年を描く。(講談社選書メチエ)
強いツァーリ悲劇のツァーリとロシアの300年
ピョートル大帝、アレクサンドル1世、エカテリーナ2世、ニコライ2世etc.
1613年ミハイル選出から1917年ニコライ退位に到るまで19人を数える君主の家系はいかに継がれていったのか。西欧派・ピョートル大帝やパリに入城したアレクサンドル、女帝の世紀の啓蒙君主・エカテリーナなどの事績を追い、強い君主を希求するロシアの民衆とツァーリ一族の300年を描く。

2015.07.24発売
〈学級〉の歴史学
講談社選書メチエ
理想論・タテマエ論への違和感の根源――「学級」という幻想! 我々はどうして席に座って教師の話を聞いていたのか? それは教育の普遍的システムなのか? 〈崩壊〉という事態は何なのか? 近代の発明品〈学級〉の歴史性と限界を暴き、自明視された空間で暮らす子どもと教師を救済する! (講談社選書メチエ)
理想論・タテマエ論への違和感の根源――「学級」という幻想!
我々はどうして席に座って教師の話を聞いていたのか?それは教育の普遍的システムなのか?<崩壊>という事態は何なのか?近代の発明品<学級>の歴史性と限界を暴き、自明視された空間で暮らす子どもと教師を救済する!

2015.07.24発売
抗争する人間(ホモ・ポレミクス)
講談社選書メチエ
今村社会哲学の到達点!
暴力・闘争・排除を生む人間の本質に迫る
社会的人間が内包する暴力性とは何なのか?排除・闘争を通じて構造化される秩序とは?人間が持っている社会的欲望がどんな暴力現象となって現れどのように制御されるのかを解明し、そうした精神の構造に楔として打ち込まれる倫理の可能性を探る。
【目次】
はじめに
序 章 社会に内在する暴力
1 アルカイック社会における政治と暴力
2 「排除」から生まれる秩序
3 他者に承認を要求すること
4 暴力を生み出す精神と倫理
第一章 欲望としての人間
1 人間の欲望の三つのアスペクト
2 想像上の親殺し
第二章 社会を形成する動力
1 社会的結合(ソシアビリテ)は自然か人工か
2 欲望に貫かれた闘争の力学
第三章 欲望論の系譜
1 上位に立とうとする欲望
2 権力のイデオロギー的正当化
3 産出された現実のなかの真理
4 社会的欲望が正当化される過程
第四章 文字と貨幣と国家
1 排除する力が生む文字と貨幣
2 人間的存在者に内在する文字的なもの
3 国家とは実力(暴力)なのか
4 暴力の人間学的基礎
5 国家はすみずみまで暴力である
第五章 王権の類型
1 「未開社会」の王権
2 絶対王権の正当化論理
3 絶対君主の社会的位置
第六章 言葉と暴力
1 尋問と命令の強制力
2 存在の分割
3 権力の言説
4 言葉の暴力からの解放
5 論議的言説による法理念の実現
第七章 法から倫理へ
1 法の理念
2 覚醒倫理の可能性
参考文献
あとがき

2015.07.24発売
テクノリテラシーとは何か
講談社選書メチエ
技術の失敗、社会の失敗に何を読み取るか。巨大事故から学び取ることは何なのか。原発、飛行機事故から頻発する医療ミス、銀行のシステムトラブルまで。従来の哲学、法制度では解決できない「人工物」をめぐる問題群。失敗の本質を解き明かし、〈ものづくりの知〉の姿を明らかにする1冊。(講談社選書メチエ)
技術の失敗、社会の失敗に何を読み取るか
巨大事故から学び取ることは何なのか。原発、飛行機事故から頻発する医療ミス、銀行のシステムトラブルまで。従来の哲学、法制度では解決できない「人工物」をめぐる問題群。失敗の本質を解き明かし、<ものづくりの知>の姿を明らかにする1冊。

2015.07.24発売
トラウマの発見
講談社選書メチエ
惨事・戦争・虐待と心的外傷
大事故・世界大戦・性暴力。大事件のたびに存在を示唆されたトラウマは、なぜ「発見」が20世紀後半まで遅れたのか?フロイト、フェレンツィらの苦闘からPTSD成立までトラウマ発見の歴史をたどり、同時に、トラウマをつねに否認しようとする社会の「秘められた欲望」を暴く。
【目次】
第一章 惨事、暴力、解離──トラウマとは何か
第二章 惨事トラウマの発見──それは鉄道事故から始まった
第三章 ヒステリーとトラウマ──フロイトの蹉跌
第四章 第一次世界大戦の衝撃──トラウマ研究の高まり
第五章 空白の時代──フェレンツィの実践
第六章 PTSDの成立──第二次世界大戦後のトラウマ研究
第七章 累積したトラウマをいかに浄化するか──現在から未来へ
註
あとがき
索引

2015.07.24発売
グノーシス
講談社選書メチエ
日本人研究者による待望の入門書、登場! 世界を創造した神は〈善〉か〈悪〉か? 「人間は<偽りの神>が創造した偽りの世界に墜とされている。われわれはこの汚れた地上を去り、真の故郷である<天上界>に還らなければならない」――誕生間もないキリスト教世界を席巻した<異端思想>。膨大な史料を博捜し、その実像に迫る。(講談社選書メチエ)
日本人研究者による待望の入門書、登場!
世界を創造した神は<善>か<悪>か?
「人間は<偽りの神>が創造した偽りの世界に墜とされている。われわれはこの汚れた地上を去り、真の故郷である<天上界>に還らなければならない」――誕生間もないキリスト教世界を席巻した<異端思想>。膨大な史料を博捜し、その実像に迫る。

2015.07.24発売
大日本帝国の生存戦略 同盟外交の欲望と打算
講談社選書メチエ
帝国を防衛した同盟 破滅させた同盟
清の侵攻を恐れる新興国・大日本帝国。基盤の脆弱なこの国が、いかにして列強の侵略を凌ぎ、さらに覇権国・英国と結んだのか。その同盟戦略はどう機能し、どう破綻したのか。日英同盟から三国同盟まで、戦争と外交にみる帝国の通史。
【目次】
序章 「同盟」とは何か
第一章 帝国をいかに防衛するか──同盟への萌芽
1 緊迫する極東情勢
2 国土防衛と軍事戦略
3 同盟への試金石
第二章 清国に勝って列強に屈した──無同盟下の日清戦争
1 開戦をめぐる対列強策
2 戦争指導と列強対策
3 下関講和条約と三国干渉
第三章 なぜ日英同盟は成立したか──日英同盟下の日露戦争
1 日清戦争後の極東
2 東亜における日英の戦略
3 日英防守同盟の戦略的問題
4 日英軍事協議と日英の軍事戦略
5 日英同盟下の日露戦争
第四章 リージョナル・パワーへの第一歩──日英同盟の絶頂期
1 日英同盟の強化と拡大
2 英国の国防と対米不戦
3 国防方針と軍事協議
4 日英攻守同盟の評価と意義
第五章 なぜ日英同盟は空洞化したか──日英同盟の衰退期
1 国際関係の変化
2 英米の国防と軍事戦略
3 日本の国防と軍事戦略
4 第三次日英同盟と第三次日露協商
第六章 新グローバル・パワーの出現──第一次世界大戦と日英同盟の危機
1 大戦初期の日英同盟
2 日本軍欧州派兵問題
3 米国の参戦と影響
4 極東における日米の対立
第七章 米国が采配するワシントン会議──日英同盟終焉の儀式
1 日英米の海軍戦略
2 ワシントン会議と日英同盟
3 日英同盟の終焉
4 日英同盟後の国防
第八章 孤立の果ての悪しき同盟──日独伊三国同盟
1 ポスト日英同盟と孤立の果て
2 大東亜共栄圏と日独伊三国同盟
3 悪しき同盟
終章 「同盟」を堅持するためには
あとがき
参考文献および注
索引

2015.07.24発売
長城の中国史 中華vs.遊牧六千キロの攻防
講談社選書メチエ
<中華>VS.<遊牧> 2000年の攻防
山を削り谷を埋め、2000年の歳月をかけて築かれた中華世界の防波堤=長城。それは、澎湃と興起する遊牧民対策への最終回答たり得たか。秦の始皇帝から明代まで、長城を巡り展開する壮大な中国史。
【目次】
プロローグ 長城はなぜ作られたか
第1部 秦の始皇帝と長城
第2部 歴代の長城
第3部 明の長城――点から線へ
第4部 明の長城――充実と終焉
エピローグ 長城とは何だったのか

2015.07.24発売
聖なる王権ブルボン家
講談社選書メチエ
内戦を勝ち抜いたアンリ四世。実母と抗争するルイ十三世。「太陽王」ルイ十四世。愛人たちに溺れたルイ十五世。そして断頭台の露と消えたルイ十六世。強き王と華麗なる人間模様が織りなすフランス絶対王政の栄華と自壊を活写する。(講談社選書メチエ)
内戦を勝ち抜いたアンリ四世。
実母と抗争するルイ十三世。
「太陽王」ルイ十四世。
愛人たちに溺れたルイ十五世。
そして断頭台の露と消えたルイ十六世。
強き王と華麗なる人間模様が織りなすフランス絶対王政の栄華と自壊を活写する。

2015.07.24発売
<自己愛>の構造 「他者」を失った若者たち
講談社選書メチエ
心が生涯求めつづける究極の存在とは? 「他者」なき現代人を襲う病理とは? 他者との関係性のなかで「自己」の構造をとらえなおしたコフート。フロイトの精神分析をぬりかえ、90年代アメリカで隆盛を誇る理論でよみとく現代日本の病理。
【目次】
プロローグ 自己愛の時代
第一章 自己愛と何か
1 フロイトのナルシシズム
2 コフートの自己愛
第二章 フロイトを超えて
1 フロイトとの出会い
2 自己心理学が独立したとき
第三章 自己心理学の世界
1 共感の科学
2 「野心」と「理想」という極
3 「自己」から「自己対象転移」までー四つの基本
4 進化する精神分析
第四章 現代はなぜ自己心理学を必要としたか
1 罪責人間から悲劇人間へ
2 コフート対カーンバーグ
3 心の健康とは何か
第五章 日本人の病理を読み解く
1 シゾフレ人間と悲劇人間
2 高齢者の自己愛を支えるために
3 自己愛喪失をどう救うか
エピローグ コフートと「甘え」理論
註
参考文献
あとがき
索引

2015.07.24発売
江戸の市場経済 歴史制度分析からみた株仲間
講談社選書メチエ
最先進国イギリスに匹敵する経済成長をとげた「江戸日本」。巨大市場の成立は、安定政権、貨幣制度の整備、農商工分離だけでは説明できない。〈株仲間〉こそが、全国市場の形成・発展の立役者だった。歴史制度分析という最新の方法を駆使し、株仲間のポジティブな役割に光をあてる。
【目次】
はじめに
第一章 経済史の新しい見方
1 新古典派経済学 市場の経済史
2 マルクス経済学 市場と分配の経済史
3 新制度学派経済学 制度と所有権の経済史
4 歴史制度分析 ゲーム理論からみた制度と契約の経済史
第二章 近世の市場経済
1 経済発展の展開と市場の機能
2 社会的分業の展開と市場の機能
第三章 行政・司法制度と法
1 徳川政権と制度の整備
2 法と裁判制度
3 相対済令
第四章 株仲間の歴史
1 株仲間の成立
2 天保の株仲間停止令と嘉永の問屋再興令
第五章 株仲間と市場経済
1 株仲間停止と取引秩序の混乱
2 経済成長率の低下と市場機構の機能低下
第六章 取引制度としての株仲間
1 中世地中海の取引制度 グライフの分析
2 株仲間による商取引契約の履行
3 生産活動の組織
おわりに 市場経済と制度

2015.07.24発売
身体の零度
講談社選書メチエ
纏足(てんそく)やコルセットのような不自然な風習を、なぜ私たちは続けてきたのだろうか。〈私〉をつくりだす源に、何があるのだろうか。謎はみなひとつのところから流れでている――。本書は、東西の豊富な文献を駆使して、泣きかた・笑いかた・行進・舞踊など人間の表情や動作に立ちむかう。そして、身体へのまなざしの変容こそが、近代の起点であることをあざやかに検証する。社会史・思想史のなかに、身体を位置づけた力作。