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ドイツ語のすすめ
1964.12.16発売
ドイツ語のすすめ
著:藤田 五郎
講談社現代新書
外国を理解するには、その国のことばを学ぶことがいちばんである。本書は、日本と歴史的に関係の深いドイツを知るために、ドイツ語教育の第一人者が、身近な例やユーモアをふんだんにとり入れながら、ドイツ語習得の手引きを示す。文法や動詞変化の規則から入るのではなく、英語や日本語との比較、日常会話の寸描といった、親しみやすい方法で、おのずからドイツ語が身につくよう工夫されている。「藤田のドイツ語」で知られる著者の機知あふれる入門書である。 〈ドイツ語は日本人向き〉――戦争が終わったころ、のみやしらみがわいてたいへん困ったことがあり、当時、アメリカ人が、親切にDDTという白い粉をくれました。おとしよりがよくいったものです。「きょうは、デー・デー・テーの配給だよ。」英語の先生だと、「ディー・ディー・ティー」と発音しなければいけない、といわれるでしょうが、ドイツ語はおとしより流でよいのです。英語ではManを、「メァン」のように発音します。ドイツ語のManは、「マン」でよいのです。「ナマエ」のことをドイツ語でName「ナーメ」というのは偶然の一致ですが、ドイツ語の発音は、とても日本人向きにできているのです。――本書より
中国語のすすめ
1964.11.16発売
中国語のすすめ
著:鐘ヶ江 信光
講談社現代新書
中国語は音楽的響をもった美しいことばである。また、世界でもっとも重要なことばの1つである。しかも、長い間、中国と密接な関係をもちつづけているわたしたち日本人に、特に身近で大切なことばでもある中国語とは、いったいどんなことばなのか。中国語の歴史や日本語とのふれないなど卑近な具体例を豊富にもりこみ、中国語の発音・文型・表現の基本と特徴をわかりやすく説明する本書は、中国語学習への意欲を駆り立てる読んで楽しい中国語のよき道案内の書である。 中国の外来語――中国では、外来語はきわめて少ないのです。中国では、漢字による写音がむずかしいということもありましょうが、外国文化に同化されないで、逆に外国の文化を自国のものに同化させてきた長い歴史の伝統にもとづくものと思います。しかし、外来語がないわけではありません。中国語の外来語は、第1に外国語に近い音をもつ漢字をあてる。第2に、それと同時に漢字の意味を外国語の意味に近づけて、それにふさわしい漢字を使おうとする――この2点が特徴です。漢字のもつ妙味とでもいいましょうか。ことに、ユーモアを“幽黙”で表わすなどちょっとおもしろいし、また、コカコーラを“可口可楽”――口にあい楽しむことができる――と表わしているなどは、まさに外来語の中の傑作でしょう。――本書より
現代思想事典
1964.11.14発売
現代思想事典
編:清水 幾太郎
講談社現代新書
本書は哲学・芸術・事件・社会科学・自然科学の諸領域から、アクチュアルな、問題性をふくむ項目252を選びだし、一流気鋭それぞれ最適の執筆者119名が、ヴィヴィドな問題意識にもとづいて自己の主張を大胆に展開した読む事典である。したがって既存学説の客観的な紹介にとどまるものではなく、混乱する思想状況を整理し、それに秩序をあたえようとするものでもない。もちろんたんなる用語解説ではない。今日の混沌たる状況のなかから問題を掘りおこし、より豊かな明日の思想を育てるための可能性あふれる苗床となることをめざした知識人のためのユニークな事典である。
フランス語のすすめ
1964.09.16発売
フランス語のすすめ
著:小林 正
講談社現代新書
私たちは日常生活の中でずいぶんたくさんのフランス語をそれと知らずに使っている。著者は、そうした耳なれたフランス語を手がかりにして、発音のしかた、冠詞、形容詞、動詞の活用など初歩から抵抗なく覚えられるようにさまざまな工夫をこらして、初学の読者を導いていく。気軽に楽しみながら学べるエスプリに富んだ入門書。 フランス語はむずかしくない――たしかにフランス語には独特の発音がありますが、ローマ字で書かれた日本語を発音する気持ちで、アクセントをつけずに発音すればいいのですから、発音の点では、英語とは比較にならないほどやさしいのです。つぎに、冠詞や形容詞ですが、これらは帽子かアクセサリー程度と思って、あっさり覚えればいいのです。問題は動詞ですが、動詞の活用を棒暗記するくらいうんざりさせられることはありません。それよりか、身近なことでよく使われる形、つまり「あなた」と「わたし」の間のことだけしっかり覚える方がいいのです。――本書「まえがき」より
数学の考え方
1964.08.16発売
数学の考え方
著:矢野 健太郎
講談社現代新書
数学には、私たち人類の長いあいだの貴重な経験が集積されている。数学の歴史を、細かい計算や技巧の歴史としてではなく、考え方の歴史、思想の歴史としてふり返るとき、人間の豊かな知恵の結晶した新しい数学の世界が開けてくる。本書は、数学の歴史の転回期に現われたいろいろな考え方を具体的に紹介し、現代数学の思想を興味深く解明する。 ターレスの発見――有名な「二等辺三角形の両底角は相等しい」という定理。これはターレスが発見し、その証明をあたえたものです。ターレスは、三角形ABCと、それを裏返した三角形ABCとを重ね合わせることを試みます。角Aは裏返した角Aに重なります。また、ABとACは同じ長さですから、ABとACは重なります。同じようにACとABも重なります。したがって、角Bは角Cに重なり、角Cは角Bに重なります。これで、二等辺三角形の両底角は相等しい、ということが証明されたわけです。なんだあたりまえではないか、という印象をもたれたかもしれません。事実、あたりまえのことなのですが、そのあたりまえのことの正しいことを証明し、それを応用した点にターレスの功績があります。――本書より
物理の世界
1964.06.16発売
物理の世界
著:湯川 秀樹,著:片山 泰久,著:山田 英二
講談社現代新書
堅苦しい理論や専門的な数式を避けながら、現代物理の全体像とキー・ポイントを要領よく説いた入門書をつくりたい──。湯川博士のこの念願を実現したのが本書である。ここでは、相対性理論、素粒子の世界など現代物理の諸問題が、SFの手法をかりて、たくみに、興味ぶかく説明されていく。いままで物理に縁遠かった人にも新しい関心をよびさます書といえよう。
光源氏の一生
1964.03.22発売
光源氏の一生
著:池田 弥三郎(慶応義塾大学教授)
講談社現代新書
日本文学のうえで、光源氏ほど大ぶりで、ゆたかな、陰影に富んだ人間像は、ほかに見当たらない。幼い日の母への思慕、青年期の恋のはなやかさの反面、人間としての、人知れぬあやまち、悩み、挫折を通して自分をみがきあげ、やがて一門の主として成熟していく姿には、尽きない魅力がある。定評ある著者が、光源氏に焦点をあて、源氏物語を現代的に再編成した野心作であり、源氏物語の入門書としても好適である。 わたしの源氏物語――長くて複雑な源氏物語の内容を、大胆にカットしてみました。そして「光源氏の一生」という筋道に、源氏物語の内容を再編成してみました。それが本書です。あるいは、源氏物語の内容から、もっともよく書けている部分を、自由に抜き出して並べ変えてみた、ともいえるでしょう。こういう仕事は、それをする人によって、ずいぶん違った形にまとめられてくると思いますが、わたしとしては、まずこれだけの話は、ぜひ知っておいていただきたいと思った部分を、書きとめました。この本が縁となり、手引きとなって、現代訳によってなりとも、源氏物語の全体を読んでくだされば、たいへん結構です。――本書より
新数学勉強法 時代が数学を要求している
1963.12.10発売
新数学勉強法 時代が数学を要求している
著:遠山 啓,装丁:芦立 ゆうし,装丁:小林 孔
ブルーバックス
この宇宙時代、オートメーション時代になると、数学は、理科や技術系の人たちだけに、まかしておけばよいと言っていられなくなる。職業や専門科目の如何にかかわらず、数学的な考え方や発想法の基礎を身につけていることは、社会人として最少限の要求になってきた。この本は、とかく数学を敬遠したがる人でも、いったん読み出せば、今まで自分が数学に対して持っていた劣等感や違和感を、忘れて読み続けさせる、ふしぎな魅力を持っている。それは、数学教育の大家である著者が、すべての人を、数学と仲よくさせる工夫の一切を、ここに注ぎこんでいるからであろう。