新刊書籍
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1978.04.24発売
生きることと愛すること
講談社現代新書
人間は愛なくしては生きてゆけない、孤独な存在である。だが人は多く、ふれあいを求めながら、心を開くすべを知らない。人はどこまで愛を受け、どこまで愛を与えることができるのだろうか。自己愛、恋愛、親子の愛、神の愛など、さまざまな愛のかたちをとおして、ほんとうの自分をみつけるための道標を探索する本書は、生きることのむずかしさに悩む現代人の心に、真情あふれる示唆を与える。
愛の原則――私たちの多くは、おそらく無意識にではあるが、50対50のフェアプレイを基盤にして生きている。私たちは、相手が私たちを受け入れ、親切にしてくれるかぎり、相手にもそうする。しかし、もし相手が私たちをだましたり、傷つけたりしはじめたら、私たちも態度を変えてしまう。冷淡になり、相手と同じ戦術を使うのである。私たちは50対50の原則ではなく、愛の原則に従って生きなければならない。愛の原則とはひじょうに単純なことである。私たちは愛さなければならない――相手が何をいい何をしようとも、いまもいつも。人を愛するということは、その人にもっと愛する力を与えようとすることなのである。フットボール選手だった父親が、息子もフットボール選手にしたいと願うように、愛する人は、相手をも愛することのできる人に変えてゆくのである。――本文より

1978.04.21発売
日本文学史早わかり
文芸(単行本)
日本文学史の大筋と特質がすっきりと頭にはいる独創的な本です

1978.04.12発売
播磨灘物語(2)
講談社文庫
ぜひ播州に兵を、信長に乞う官兵衛。一方、毛利氏は広島から播州英賀の浦に水軍を上陸させたが、官兵衛は偽装作戦でこれを追い払った。毛利は説客を送って播州勢力へ工作するが‥‥。〈全四巻〉
天正6年、秀吉は再び播州へ。対毛利の軍議を加古川に練る。説いてまわる黒田官兵衛。中国の縦横家に似た遊説家は日本の戦国期彼一人といえる。本巻では、竹中半兵衛が官兵衛とはじめて会う。そして荒木村重の信長への謀叛は、官兵衛を恐怖に陥れる。主家、御着城の小寺氏が村重になびくのではないか、と。〈全四巻〉

1978.04.10発売
菌類図鑑(下)
日本産・培養可能のカビ類約2 000種を中心に、形態・生態・生理・分布・遺伝・生化学等の基礎データ、さらには応用各分野の膨大な情報を総合し、それぞれの近縁種・基礎文献も記載した。200頁におよぶ総論は、これまで知られることの少なかった生態を中心に菌類に関する定本とすることをめざし、巻末の研究法・用語解説等とともに関係各領域の要望に応えた。上巻には変形菌・鞭毛菌・接合菌・子のう菌を、下巻には不完全菌ほかを収める。
1978.03.29発売
父 吉川英治
講談社文庫
偉なる人である父を、良き文章で長男が活写。著者、故英治の長男。慶大卒、NHK入社、のち、書店経営で現在に至る。本書は父13回忌に書下されたもの。他には書きえず、又、著者にも再びは書けぬ名著。
1978.03.29発売
豊臣秀吉(四) 異本太閤記
講談社文庫

1978.03.17発売
ニーチェとの対話 ツァラトゥストラ私評
講談社現代新書
「《われわれは幸福を発明した》末人たちはそう言って、まばたきする」末人すなわち現代人に向けて、毒ある予言を呈したニーチェの警句は、《退廃》を宿命として帯びたわれわれの心を深く揺り動かさずにはおかない。本書はニーチェの評伝でも解説でもない。平板な無思想状況と人間の卑小化を予見していたニーチェと著者との《対話》を通じて、人間の生き方を問う思索と行動への書である。高貴なる精神とは何か? いま問いなおす意味は大きい。
末人の時代――人間は昔より多く理解し、多く寛容になったかもしれないが、それだけに真剣に生きることへの無関心がひろがっている。すべての人がほどほどに生きて、適当に賢く、適当に怠け者である。それならば現代人に、成熟した中庸の徳が身にそなわっているのかというと、決してそうではない。互いに足を引張り合い、互いに他を出し抜こうとしてすきをみせない。「人に躓く者は愚者」であって、「歩き方にも気を配」らなければならないのだ。人間同士はそれほど警戒し合っているというのに、孤独な道をひとりで行くことは許されず、べたべた仲間うちで身をこすり合わせていなければ生きていけない。「温みが必要だからである。」彼らは群をなして存在し、ときに権威ある者を嘲笑し、すべての人が平等で、傑出した者などどこにもいないと宣伝したがっている。――本書より

1978.03.16発売
タテ社会の力学
講談社現代新書
日本社会では法的規制はきわめて弱い。人々の行動を律するのは法ではなく、個人あるいは集団間にはたらく力学的規制なのである。無原則のまま外界の変化に柔軟に対応する日本社会は、《軟体動物的構造》をもっている。本来の意味での権力が存在せず、小集団におけるリーダーの力が弱いのも、この特殊な社会構造によるのである。本書は、タテ社会内部にはたらくダイナミズム・動的法則を、《全人格的参加》《無差別平等主義》《儀礼的序列》《とりまきの構造》など、興味深い事例を引きながらあざやかに分析し、現代人1人1人をとりまくネットワークを明示する。『タテ社会の人間関係』と対をなす必読の名著。
法規制でなく社会的規制――私たちの社会生活に規制が働き、全体の治安が維持されているのは、個々人が小集団的規制に常に従い、全体が力学的にバランスをとろうとする動きをもっているからといえよう。こうした社会に育まれた私たち日本人は、法規制にてらして行動するなどということはなく、まわりの人々にてらして、あるいはあわせて行動することに慣習づけられている。いいかえれば、規制というものを肌で感じながら行動しているといえよう。日本社会においては、社会的規制が法規制の機能まで包含していると解釈できる。こうした世界になれていると、法のきびしさを忘れがちである。否、知らないで過すことも可能である。――本書より

1978.03.15発売
播磨灘物語(1)
講談社文庫
黒田官兵衛、この戦国末期が生んだ商人的思考の持主。それは既に彼の家系に根づく。官兵衛二十二歳、播州御着城にて一番家老。洗礼名シメオン。のち、如水。本巻は入念に官兵衛の人となりをたどり、播州の小天地で、広大な世界に想いをはせていた一紳士が、愈々織田信長の岐阜へ旅立つあたり迄に関って進む。〈全四巻〉

1978.03.08発売
蜻蛉日記(中)全訳注
講談社学術文庫
兼家との結婚生活17年目の元日、共に祝う恒例を破り、作者邸前を先払いも高らかに素通りする。4日も同様。開門して跪(ひざまず)いている従者や侍女の手前作者は居たたまれない。目と鼻の間にある伊尹(これまさ)家の大饗(だいきょう)の夜も期待空しく訪れない。作者は決心して鳴滝の山寺へ参籠する。尼に?と驚いた兼家はその夜物忌(ものいみ)を冒して迎えに赴くが下山せず。3週間目、兼家の強行手段により無事長髪の作者は下山し雨蛙の異名を得る。中巻は本日記の中軸をなす。

1978.03.08発売
物理現象を読む 身近な出来事を見直し、考えよう
ブルーバックス
あなたも小さなガリレイ、小さなニュートン
《ピサの斜塔実験》重さの違う球の落下の伝説を再確認してみよう
《基本的な運動の観察》自由落下、衝突、振り子の運動などからなにが読み取れるのか
《身近な力学問題》慣性力、遠心力、鉛直面内の円運動はいつ、どんな場合に見つけられるか
《瞬間の物理》ミルククラウン、風船の破裂、雨の落下中の形などを高速度写真で見ると……
《色を見る》薄膜の色、回折、虹、偏光、干渉など光の世界をさぐる
《電気と生活》永久磁石と磁界、電流がつくる磁界、直流・交流モーターの原理など磁気作用を考える

1978.02.27発売
妖星伝 第二部 外道の巻
講談社文庫
鬼道衆をはじめ、田沼意次までがつけ狙う黄金城。そのありかを解くべき絵馬は妖僧日円のふところに入る。日円は鬼道衆の襲撃をかわすのに、時間を停止させる沈時術を駆使した。だが、この怪僧の動きを正確に監視している何者かが存在するのを日円は知らない。退廃に走る江戸の暗黒世界で鬼道は揺れる!

1978.02.24発売
火炎城
講談社文庫
天文十九年、相続をめぐる大凶変の末、大友家二十一代目の主となった義鎮(宗麟)は野性味あふる九州男児だった。九国平定をめざして毛利と争うかと思えば、キリスト教に入信し、仏教徒の奥方と壮烈な夫婦喧嘩、正に異色の大名であった。この怪物の生きざまと戦国時代とを劇的に描いた会心作。
1978.02.24発売
豊臣秀吉(三) 異本太閤記
講談社文庫
竹中半兵衛との密約が成って、稲葉山城攻略に成功した藤吉郎は、信長の妹お市の方に恋慕したため、一転して伊勢高岡攻めを命ぜられれる。信長はお市の方を北近江の浅井長政に嫁がせて北の守りを固めるが‥‥。〈全六巻〉

1978.02.24発売
忍びの女(下)
講談社文庫
関ヶ原と二度の大阪攻めで豊臣家は根絶、徳川の天下となって、戦場を駆ける武士たちの世は終った。福島正則は幕府の謀略にかかり、老残の身を信濃に逼塞、忽然と現われた小たまの腕の中で、悔恨を胸に淋しく息絶える。豪雄福島正則の奮激の生涯と、彼を愛で、戦国の世を疾駆した天性の女忍者の活躍を描く傑作長編。

1978.02.24発売
忍びの女(上)
講談社文庫
秀吉没後、諸大名の暗闘が募り、天下分け目の決戦は必至。豊臣家の猛将福島正則に接近した徳川方の女忍者小たまの探索が始まった。ところが、武辺一方の無邪気な正則をいつしか愛しく想うようになる……。覇権をめぐる男たちの野望がついに関ヶ原に激突。戦国の世を疾駆する女忍者の活躍を描く傑作長編。

1978.02.21発売
菌類図鑑(上)
日本産・培養可能のカビ類約2 000種を中心に、形態・生態・生理・分布・遺伝・生化学等の基礎データ、さらには応用各分野の膨大な情報を総合し、それぞれの近縁種・基礎文献も記載した。200頁におよぶ総論は、これまで知られることの少なかった生態を中心に菌類に関する定本とすることをめざし、巻末の研究法・用語解説等とともに関係各領域の要望に応えた。上巻には変形菌・鞭毛菌・接合菌・子のう菌を、下巻には不完全菌ほかを収める。

1978.02.16発売
食品化学実験
「食品学」の実験編。食品学の実験を系統的に整理し、その基礎となる化学的操作の基本手技を懇切ていねいに指導すると同時に、栄養士養成の新カリキュラムに準拠してできるだけ新しい手法を入れるよう努めた。

1978.02.15発売
量子力学を学ぶための解析力学入門
量子力学に手をつけるためにどうしても必要な古典力学の知識は、実は驚くほど少なくてすむ。抽象的で難解な解析力学を最少限に整理し、だれにでもわかるようにやさしく、しかも的確に手ほどきした入門者待望の書。

1978.02.08発売
蜻蛉日記(上)全訳注
講談社学術文庫
平安朝最初の女流文学『蜻蛉日記』は、美貌と歌才をうたわれた作者が摂関家の錚々(そうそう)たる貴公子兼家に求婚されたことに筆を起こし、以後21年間の結婚生活を描いた作品である。夫に純粋な愛情を持ちつづけた作者は「三十日三十夜はわが許に」を希求するが、多情な兼家の漁色癖に悩み苦しむ。しみじみ蜻蛉のごとき我が身と観じて、閉ざされた貴夫人のはかない結婚生活をあえて公開し、世の女性の「例(ためし)にもせよ」と述べている。(全3巻)