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1977.11.25発売
ムー大陸の謎
講談社現代新書
「かつて太平洋上に1つの巨大な大陸と帝国があった。6400万人の人口を擁し、高度な石造建築をつくり、大河の港には、全世界の物資が集散した」と描写された大陸・帝国こそ、ムー大陸とその帝国である。今から1万2000年前に、帝王ラ・ムーに率いられ、栄華をきわめたというムー帝国は、実在したのか。なぜ滅亡したのか。本書は最新の調査や発掘による科学的成果を土台にして、ムー大陸形成の過程を地質学的に解明しつつ、ムー文明の全体像と滅亡のドラマを再現する。
栄えるムー帝国――人びとの目を奪う景観は、なんといっても7つの大都市であった。その1つは王宮が所在するヒラニプラで、この国の首都であった。この聖なる都市は、国の北西部にあった。町の中央にある小高い丘には、白亜の大神殿や大礼拝が立ち並び、僧院、神殿などが、所せましとばかりひしめいていた。さまざまな色彩の石を組み合わせてつくられ、不思議な光を投げかけていた。町には水路が、縦横に通じ、港々からはナーカルと呼ばれる「聖なる伝道者」たちが、海外の各地へと旅立った。町の人々も華やかな衣服をまとい、歌や踊りに興じる日々を送っていた。かれらの笑いさんざめく声は、美しい音楽の響きと交錯して、楽園は永久に続くと思われた。――本文より

1977.11.21発売
標註訂正 康煕字典 復刻

1977.11.08発売
論語講義(五)
講談社学術文庫
著者渋沢栄一は、明治政財界の大立物である。維新の動乱をくぐりぬけ、明治新政府の財政・金融制度の確立に尽力。明治6年下野して後は、第一国立銀行の創立を初め、500余の会社を設立し、我国資本主義経営の礎を固めた。その著者が日常生活の規準とし、実業経営上の金科玉条として全面的に信頼したのが「論語」である。本書は著者が晩年に、自らの波乱の体験を語りながら「論語」を解説し、その読み方を説いた、異色の「論語講義」である。

1977.11.08発売
論語講義(四)
講談社学術文庫
「それ算盤(そろばん)をはじくは利である。論語を読むは道徳である。余はこの論語と算盤との2つがあい伴い、あい一致しなければならぬと信ずる……今、後進の青年淑女に対しこの2者の調和平行しなければならぬ理由を説明せんがために、この講義をなしておるのである」と著者は、本講義遂行の意図を明らかにしている。漢学者による語義。語釈中心の論語解釈書の多い中で、本書が最良の実業家の手になる論語講義として異彩を放つ所以である。
1977.10.28発売
ぼくは王さま2
講談社文庫

1977.10.28発売
黒白の旅路
講談社文庫
妻ある中年男と伊豆の山中で睡眠薬心中を図った女子大生立夏子が蘇生してしまった時、傍らの男はナイフを突き立てられて殺されていた。どんな事情が秘められているのか。身の証を立てようと謎を追う立夏子の前に、次々露呈される奇怪な事実。愛の複雑さが生む悲劇を澄明なタッチで描いた、傑作推理長篇。

1977.10.27発売
新書東洋史(10)朝鮮史―その発展
講談社現代新書
わずか20余年の開国時差から明治維新はかろうじて成功し朝鮮民族は、国家を失う結果となった。古代にあっては、先進文化をもつ多数の朝鮮人が渡来し、日本の古代文化、国家形成に重要な役割を演じ、中世には、独自の発展をとげた高度な文化国家であった朝鮮が、なぜ苦渋の近代史を強いられたのか。さまざまな外圧にもめげず、たくましく生きた朝鮮民衆の生きざまを通して、“近くて遠い国”朝鮮の内在的発展の歴史をさぐる。
三・一運動――1919年3月1日から始まり、およそ1年もの間朝鮮全土をおおった三・一運動は、ひとりの英雄的な指導者によって象徴されるような質のものではない。多くの無名の人々の、もちこたえてきた独立への意志が、ひとつに合流した民衆運動であった。たとえばソウルで学んでいたわずか15歳の女子学生柳寛順は、宣言文を持って故郷の天安に帰り、その土地での行動の先頭に立ち、逮捕されても昂然と正当性を主張して屈せず、拷問のため獄死したことが、いまも語りつがれている。かの女はいわば無数の無名の英雄のひとりであり、運動の象徴なのである。――本書より

1977.10.26発売
水とはなにか
ブルーバックス
水は特殊な物質である!
水素と酸素からなる最も単純な化合物――水は、そのなじみの深さの割には特殊な物質だといえる。液体(水)の方が固体(氷)よりも密度が大きいこと、4℃で最大密度になること、物を溶かす能力がいちばんあること、表面張力がきわめて大きいことなど決して常識的な物質ではない。意外にも、水や氷の構造が本当の意味で理解できるようになったのはつい最近のことである。また、これら水の構造の解明によって、生命の営みがいかに水の様々な性質に負っているかがわかってきたのである。

1977.10.07発売
政治学入門
講談社学術文庫
本書は、著者畢生の名著『政治学』を再構成し、政治現象の基本的な諸問題に一通りの究明を試み、より詳しい研究への示唆を与え、政治学への興味を一般の人々にいだかせるために書かれたものである。が、本書の真価は、単なる政治学への入門書ではなく、政治哲学・政策学・政治現象の科学的分析を統合した、いわゆる整合性のある学説として斯界に不滅の光芒を放つ〈矢部政治学〉の真髄が最も簡潔な形で結晶化されているところにある。

1977.10.07発売
物理講義
講談社学術文庫
ニュートンから現代素粒子論まで、物理の世界はいかに創られてきたか。湯川博士は、若い人々のために随所で自分の学生時代の経験に触れながら、わかりやすい言葉で、物理学の発展の歴史を数多くの創造的天才たちの人間像にまで結びつけて述べている。本書は「すでに創られた物理学」の概説ではなく、これから「創りだす物理学」をめざして語られた、湯川物理の真髄を伝えるユニークで興味深く、しかも格調高い名講義の全録である。

1977.10.07発売
論語講義(三)
講談社学術文庫
本講義が「渋沢論語」として多年にわたって親しまれてきた理由の1つは、著者が「論語」各章に託して語るその体験談と人物論にあるだろう。そこには著者が明治政財界の中枢にいて身近に接した大久保利通、三条実美、伊藤博文、徳川慶喜らの生々しい人間性が活写されており、維新動乱期の波瀾の体験談と相まって貴重な歴史証言をなしている。また信長、秀吉、家康らをめぐる人物談義は、この講義に一段と生彩を与えて飽きさせない。

1977.10.07発売
論語講義(二)
講談社学術文庫
「利によって行えば怨み多し」、また「富と貴とはこれ人の欲する所なり。されどその道を以てせざれば、これを得るもおらず」(ともに里仁篇)の2句は、著者の実業遂行上の信念である。このように経済活動の正当の道によるべきことを繰り返し主張してやまない著者は、「論語と算盤(そろばん)」説なる独特の道徳=経済一体論を展開し、「論語」を、実業あるいは日常生活に身を処する規範を説いた実学の書として、現代に生き生きと甦えらせるのである。

1977.10.05発売
新書東洋史(9) 西アジアの歴史 聖書とコ-ラン
講談社現代新書
砂漠とオアシスガ織りなす厳しさと恵み。西アジアは、そのなかで東西交渉の要衝として、独自の歴史世界を形成した。キリスト教とイスラム教に代表される、その文化は、世界各地に伝播し、現代に至るまで、多大な影響を及ぼしてきている。本書は、「肥沃な三日月地帯」に誕生した古代国家にはじまる、ペルシア、アラビア、トルコなどの民族盛衰のなかに、西アジア独自の歴史を鮮やかに描き出す。現代の民族主義の動きも見とおし、西アジアを世界史のなかにみごとに位置づける。
民族主義の創造――西アジアは過去において、種々の文明の交流のなかから数多くの先進文明を生み出し、ヨーロッパ・インド・中国にも影響を与えてきた。そこには常に西アジアの民族主義が作用していた。たとえば、ヨーロッパからヘレニズムが浸透し始めて2世紀余りたった紀元前後には、西アジア各地域に、それぞれの伝統に根ざす新しい自覚として当時の民族主義が芽生え、それがキリスト教を生み、さらに数世紀のちにイスラム体制をつくりだした。しかも、キリスト教はヨーロッパ文明に深い影響を及ぼし、イスラム文明は、ヨーロッパ近代社会の形成に大きな役割を果している。民主主義な、下火になることはあっても消滅することはなかった。それどころか、新しい文明の創造は、常に民族主義の高揚から出発してきた。――本書より

1977.09.07発売
論語講義(一)
講談社学術文庫
著者渋沢栄一は、明治政財界の大立物である。維新の動乱をくぐりぬけ、明治新政府の財政・金融制度の確立に尽力。明治6年下野して後は、第一国立銀行の創立を初め、500余の会社を設立し、我国資本主義経営の礎を固めた。その著者が日常生活の規準とし、実業経営上の金科玉条として全面的に信頼したのが「論語」である。本書は著者が晩年に、自らの波乱の体験を語りながら「論語」を解説し、その読み方を説いた、異色の「論語講義」である。

1977.09.07発売
更級日記(下)
講談社学術文庫
老いた父と姉の遺児に心を残しながら宮仕えすることになった作者はやがて結婚生活に入る。一男一女にもめぐまれて、少女時代にあこがれた物語の世界を夢と悟りひたすら現実的な人となる。50歳のとき夫は国司として、成人した長男を従え任国にはなばなしく出発。見送る彼女は幸福そのものである。しかし翌年夫は急死。作者が醒めて眺めた現実は短い夢であった。ある夜、弥陀来迎を夢見てからは来世に頼みをかけてはかなく世を送る。
1977.08.26発売
虹への旅券
講談社文庫

1977.08.25発売
名探偵なんか怖くない
講談社文庫
かの3億円強奪事件をそっくり再現させて、それを世界的名探偵に推理させようという酔狂な企画。立案者は財産をもて余す成金。招かれた探偵は、メグレ、ポワロ、クイーン、明智の豪華版。お膳立てが整い、監視されているとも知らぬ犯人は行動を起したが、意外や意外。巧みな構想に支えられたパロディの秀作。

1977.08.23発売
新書東洋史(8)中央アジアの歴史
講談社現代新書
ユーラシア大陸を二分する北方の“蒼き狼”たちの遊牧草原国家と南方のオアシスを軸につくられた都市国家――その両者の対立・抗争と共存の歴史が、中央アジアを彩った歴史である。あるときはトルコ化し、あるときはイスラム化する草原とオアシスの民は、ティムールによる統一帝国の坩堝の中で、新しいユーラシア文明をつくりあげる。本書は、この歴史のダイナミズムを掘り下げながら、現代に至る諸民族の興亡と独立を明らかにし、中央アジアを把えるに必要な歴史観を提示する。
中央アジアにおける北と南――中央アジア北部の草原地帯と山間牧地の主人公は、群をつくる有蹄類の動物を追って、夏営地と冬営地の間を季節移動する遊牧民であり、南部のオアシス地帯の住民は、農業を主とする定住民であった。しかし、この相異なる生活様式をもった南北二つの住民は、相互に隣接して生活している以上、常に密接な関係に立たざるを得なかった。それは特に征服と被征服、支配と被支配の関係であり、また時には一方の文化の、他方の文化に対する優位と劣位の関係でもあった。また同時に、両者間の相互補完的な共存関係をもつくりあげた。――本書より
1977.08.12発売
改訂新版 書写書道四千字 現代字体字典

1977.08.08発売
仏陀の観たもの
講談社学術文庫
生きとし生けるものすべてには、必ず生滅がある。生あるものは必ず滅ぶ。ところが仏教では、不生不滅とか生死一如と説く。また、この世を無常な相(すがた)として把え、泡沫の如きものと観る。どうして仏教では、このような観方ができるのだろうか。そもそも仏教とはどんな宗教であり、どういう教えを説いているのだろうか。本書は、仏教の基本的な考え方を平易な言葉で明らかにし、仏教が現在に生きる教えであることを教示する好著である。