講談社学術文庫作品一覧

新装版 日本木炭史
新装版 日本木炭史
著:樋口 清之,解説:加藤 有次,装丁:志賀 紀子
講談社学術文庫
日本人の生活文化と関係の深い木炭のすべて古代の大仏鋳造から中世の侘茶陶芸、そして近世の家庭燃料として、木炭史をぬきに日本人の文化も技術も語れない。産業史の比類なき研究として名高い名著の新装版
古代ギリシアの思想
古代ギリシアの思想
著:山川 偉也
講談社学術文庫
近代的世界秩序=ヨーロッパ的世界観が地上を覆っている。人間の未来派、西欧近代が生みだした産業・技術文明上の累卵のごとくである。そのヨーロッパの哲学・科学精神が古代ギリシアに源流を発している以上、私たちはギリシア的ロゴスとの批判的対決なしに新しい世紀へ生き延びる方策を考えることはできない。古代ギリシアの思想と人物を網羅的・体系的に論じ、人類の未来を望見するための基本文献。
平和の海と戦いの海 二・二六事件から「人間宣言」まで
平和の海と戦いの海 二・二六事件から「人間宣言」まで
著:平川 弘,解説:五百旗頭 真,装丁:島田 拓史
講談社学術文庫
二・二六事件から太平洋戦争へ、そしてポツダム宣言受諾、天皇の「人間宣言」へと太平洋が平和の海から戦いの海へと化した時期に、和平のためにひたすら努力した人達がいた。彼らは日米相互の人間と文化への深い理解と信頼の上に立って、平和への道を追求したのである。太平洋戦争にまつわる政治的事件を多くの資料をもとに再構成し、日米双方の当事者の魂の交流を描くヒューマン・ドキュメント。
言語・思考・現実
言語・思考・現実
著:L・ベンジャミン・ウォーフ,訳:池上 嘉彦
講談社学術文庫
ウォーフはアズテク、マヤ等のメキシコ古代語や、アメリカ・インディアンのホーピ語を研究し、言語の違いはものの見方そのものに影響することを実証した。言語の型と文化の型の相関関係を先駆的に明らかにして、絶対視されがちだった西欧の言語を諸言語との対比によって相対化したのである。現代の文化記号論に大きな影響を与えた「言語的相対論」の理解に必須の主要論文7篇を精選した必読の書。
アメリカの保守とリベラル
アメリカの保守とリベラル
著:佐々木 毅,装丁:志賀 紀子
講談社学術文庫
アメリカの政治を動かす保守とリベラルの2大社会思潮の対立を、政治学の第一人者が丹念に考察。共和党政権を12年も継続させた保守主義の興隆、さらにソ連解体、経済弱体化で急速に進んだ保守の分裂とリベラルの反撃など、クリントン登場までの熾烈な攻防を解き明かす。日々変化する情報に流されることなくアメリカの本質を理解し、今後の動向を正しく把握したい人に贈る必読の文庫オリジナル。
〈身〉の構造 身体論を超えて
〈身〉の構造 身体論を超えて
著:市川 浩
講談社学術文庫
前著『精神としての身体』で、心身二元論では我々が具体的に生きている身体のダイナミックスは捉えられないとした著者は、本書では、皮膚の内にとざされた身体という固定観念を取り払い、身体を超えた錯綜体としての〈身〉を追究。さらに、空間が均質化して「身体は宇宙を内蔵する」という身体と宇宙との幸福な入れ子構造が解体している今日、我々にとってどのようなコスモロジーが可能かを問う。
芭蕉の山河 おくのほそ道
芭蕉の山河 おくのほそ道
著:加藤 楸邨,解説:矢島 渚男,装丁:島田 拓史,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
芭蕉の足跡を辿ってみたいという願いは、その第一は、自分の目でその山河を確かめてみたいということであり、その第二は、そこを辿りながら芭蕉の発想の在り方を歩きながら考えてみたいということであった……。世に俳人多しといえども、芭蕉を語ってその右に出る人はいないといわれる旅の俳人楸邨が生涯をかけて芭蕉の足跡をくまなく踏査し、その俳諧精神の源を探究した奥の細道紀行の白眉の書。
知的人間関係
知的人間関係
著:P.G・ハマトン,訳:渡部 昇一,訳:下谷 和幸,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
友人・男女・父と息子…人間交際百般の知恵親友も結婚すると友人関係を保つのが難しくなるのはなぜか。異国人と外国語による相互理解のコツは。人間の付き合いと言語・宗教・財産の関係を考える成熟の叡知
伊勢神宮
伊勢神宮
著:所 功
講談社学術文庫
お伊勢さんの名で親しまれる伊勢神宮は、つねに古くて新しい。朝な夕なの祭典は、千数百年来の民族信仰を純粋に守り伝えてきた。そして20年に一度の遷宮は、日本独自の手製文化を高度に磨き上げ、生命の再生を祈念してきた。まさに神宮こそ日本人の心のふるさとであり、そこには未来を拓く英知が潜んでいる。世界にも稀な聖地といわれる神宮の歴史と、伝統を重んずる日本人の志を論述した好著。
自然哲学序説
自然哲学序説
著:今道 友信,装丁:志賀 紀子,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
自然を研究する学問は自然科学だけではない。自然について哲学することは可能であるし、また、その必要もある。本書はそのことを示したもので、これは自然哲学と呼ばれる学問である。自然とは何か。自然の中で人間はいかに生きるべきか。現在、人間の文明が自然の逆襲を受けて自然と人間の関わり方が問題になり、その責任が問われかけている。自然の本質と生命の意味を哲学的に説いた注目の書下し。
電子あり
昭和金融恐慌史
昭和金融恐慌史
著:高橋 亀吉,著:森垣 淑
講談社学術文庫
日本中の銀行が預金取付の大津波に襲われ、異例の支払猶予令(モラトリアム)が断行された昭和金融恐慌。東京渡辺銀行などの倒産、破産が続出し、休業銀行の多くは預金の4~5割を切捨てた。この大異変の背景には銀行の前近代性と、熱狂的投機ブームの反動で膨れた莫大な不良債権があった。 在野の経済評論家として名高い高橋亀吉を主執筆者とし、金融恐慌の原因と実態を豊富なデータを駆使して解明した注目の書。
映像の芸術
映像の芸術
著:佐々木 基一,解説:森 弘太,装丁:多田 進,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
戦後文学を代表する批評家である著者は、多年にわたる内外の映画批評を通して、独自のリアリズム理論を構築した。1950年代イタリアのネオ・リアリズム映画に始まるヴィスコンティ、ロッセリーニ、フェリーニらの卓越した映画技法をそれぞれの代表作について具体的に論じ、さらに日本映画の特質と可能性に言及する。時代を映す鏡として、今や最大の大衆文化に発展した映画への同時代批評の集大成。
ドイツの都市と生活文化
ドイツの都市と生活文化
著:小塩 節
講談社学術文庫
ドイツは森の国である。その森に守られて、各地にたくさんの都市がある。ドイツの都市は、それがどんなに小さくても個性があり、独特の顔がある。それでいてドイツの都市は、構造上も精神的にも、普遍的な共通性を有している。そしてそこに住む人びとは、独自のドイツ的生活文化を作りあげている。ドイツ的生活文化とは一体どんなものか。具体的な日日の生活の中でそれを探るのが本書の目的である。
作文講話及び文範
作文講話及び文範
編:芳賀 矢一,編:杉谷 代水,解説・その他:益地 憲一,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
作文の原理と実技とを細説した画期的名著。本書は明治45年の刊行以来、文学者・教育者の必携の書として、また実際に役立つ作文手引書として広く読みつがれてきた。その内容は今日なお古びることはない。
ルネサンスと宗教改革
ルネサンスと宗教改革
著:西村 貞二,装丁:多田 進,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
ルネサンスと宗教改革は他ならぬ「中世」の嫡子であり、その間に断絶はない。にしても、敬虔な「中世の秋」の暮れたところから、光輝あふれる人間主義の新時代が始まったのも事実。神の国から地上の国へ。ここに宗教的桎梏から解き放たれた人間の、芸術と思想の花が絢爛と開花し、近代文明の母胎となった。世界史のなかで最も華麗で波瀾にとんだ300年間を興味深いエピソードと「旅情」で綴る西洋歴史物語。
万葉歌の成立
万葉歌の成立
著:古橋 信孝,解説:岡部 隆志,装丁:島田 拓史,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
古代世界に即して万葉集を読みなおす意欲作万葉集に現代人の感性をあてはめて読むのは誤りだ。古代を日本人の魂の原郷=村落共同体の時代として捉え、万葉歌の読み方に独創的視点を拓く、必読の古代文学論
脳と心のメカニズム
脳と心のメカニズム
著:本間 三郎,装丁:志賀 紀子,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
心とは何か。意識とは、思考とは、記憶とは何か。未熟な脳で生まれた無垢の人間は、5カ月もすると急激に変貌する。刺激――反応による本能的・機械的行動にとどまらない選択的・自発的活動を示す。「意思」による高級な行動。この人間にのみ特有の脳機能の中枢に位置するのが神経細胞――ニューロンである。本書はニューロンの電気現象の解明という物理学的アプローチから、人体究極の謎「脳と心」に迫る。
原典による心理学入門
原典による心理学入門
著・編:南 博,装丁:蟹江 征治
講談社学術文庫
古代ギリシアから近代ヨーロッパにかけての心理思想の主要著作から、ヴント、ジェームズによる科学的心理学の成立期を経て、現代の3大潮流、ワトソンの行動主義・フロイトの精神分析学・ケーラーのゲシュタルト理論まで、原典21篇を収録。人類社会の未曽有の危機に直面する現代ほど、人間とは何か、という心理学の命題への解答が切望されている時はない。心理学を学ぶための必携の書。
海の神話
海の神話
著:大林 多良,装丁:多田 進,その他:蟹江 征治
講談社学術文庫
万物の母なる豊饒の海。本書は、古代シュメールの原初海洋の女神、ローマ神話のヴィーナスの誕生、ギリシアの海神ポセイドーン、中国の盤古神話、日本の記紀に登場するイザナギ・イザナミのみそぎ神話など、世界各地に分布する海の起源についての神話を中心に、人類の海体験から結晶した珠玉の神話42篇を収録した。海と人間との関わりを通して人類の文化や歴史の側面などを比較考察した名篇。
子殺しの行動学
子殺しの行動学
著:杉山 幸丸,装丁:島田 拓史,解説:立花 隆,その他:蟹江 征治
講談社学術文庫
猛り狂う利己的遺伝子、世界最初の観察記録南インドの野生ザル、ハヌマンラングール。ボスザルの新旧交代に続いて起ったむごたらしい出来事とは社会生物学・動物行動学の常識を一変させた世界的研究。