講談社選書メチエ作品一覧

奇想天外・英文学講義
講談社選書メチエ
〈英文学〉、こんなにおもしろくていいの?
メディア論、美学、社会学、哲学、美術史……と手を結び、超英文学ここに始まる。
「魔術師シェイクスピア」「記録魔デフォー」「見世物狂キャロル」などなど。英文学の名作と、一見無関係に見える「その外部」に潜むものの不思議な関係とは?光学から哲学、博物学から観相術、さらには造園術から魔術思想まで、人も知る「超」英文学者が噂の講義力で、機略縦横、傍若無人の英文学しゃべりたおし!

アレクサンドロス大王 「世界征服者」の虚像と実像
講談社選書メチエ
戦いごとに成長した天才。弱冠25歳で大国ペルシアを征服。32歳、その早すぎる死は稀代の英雄を神話化した。「完全無欠の軍事的天才にして、高邁なる東西文明融合の推進者」。年代記作家たちが綴る大王像はどこまで信頼できるのか。綿密な原典批判により2300年前の事績を徹底検証し、「世界征服者」の実像に迫る。
【目次】
プロローグ アレクサンドロスの素顔に迫る
第一章 東方遠征への道
1 モザイクの中のアレクサンドロス
2 ギリシア対ペルシア
3 新興軍事国家マケドニア
第二章 グラニコスの会戦 緒戦の勝利
1 相反する二つの伝承
2 両軍の戦略
3 グラニコス渡河戦
第三章 イッソスの会戦 天下分け目の戦い
1 空前のすれ違い
2 対峙
3 決戦
4 何が勝敗を分けたのか
第四章 ガウガメラの会戦 ペルシア帝国の崩壊
1 最後の決戦
2 伝承の生まれるとき
3 将軍アレクサンドロスの実像
第五章 ダレイオスの虚像と実像
1 史料の中のダレイオス
2 モザイクの中のダレイオス
第六章 東方政策をとらえなおす
1 東西融合政策というフィクション
2 民族融合政策を検証する
3 アレクサンドリアはなぜ建設されたか
エピローグ 英雄を超えようとした英雄
あとがき
参考文献
索引

クラシック 不滅の名演奏
講談社選書メチエ
名演とは1つの事件である。マーラーがベートーヴェンがバッハが、バーンスタインによってフルトヴェングラーによってホロヴィッツによって、新たな生命を享け立ち上がる。身体が震え目が眩み手に汗握りながら、我々は「作品」創造の瞬間に立会う。演奏されて初めて作品となるクラシック音楽から、「事件」としての不滅の名演を紹介。記録と記憶に残るコンサート、オペラ12の名演を再現。
【目次】
プロローグ 「名演」の記録と記憶
第1章 フルトヴェングラーの「第九」
(戦後バイロイト音楽祭再開の記念コンサート
1951年7月29日 バイロイト祝祭劇場)
第2章 スカラ座を呪縛したカラスのヴィオレッタ
(カラス/ヴィスコンティのヴェルディ《椿姫》
1955年5月28日 ミラノ・スカラ座)
第3章 《ばらの騎士》の優美
(カラヤン/シュヴァルツコップのリヒャルト・シュトラウス《ばらの騎士》
1960年夏 ザルツブルク祝祭大劇場)
第4章 ホロヴィッツの劇的な復帰
(バッハーシューマンースクリャービンーショパン
1965年5月9日 ニューヨーク・カーネギーホール)
第5章 ウィーンを陶酔させたバーンスタイン
(マーラーの交響曲第五番
1972年5月26日 ウィーン・ムジークフェライン)
第6章 ポリーニの衝撃的再登場
(ドビュッシーの前奏曲第一集ーブーレーズのピアノ・ソナタ第二番
1973年5月26日 ウィーン・コンツェルトハウス)
第7章 ベームとウィーン・フィルの古き良きモーツァルト
(交響曲第四〇番ト短調/第四一番ハ長調
1973年6月 ウィーン・ムジークフェライン)
第8章 《トリスタンとイゾルデ》の華麗な競演
(バイロイトのクライバーとザルツブルクのカラヤン
1972年3月ー4月 ザルツブルク祝祭大劇場
1974年7月ー8月 バイロイト祝祭劇場)
第9章 蘇るモンテヴェルディの響き
(ガーディナー指揮の《聖母マリアの夕べの祈り》
1989年 ヴェネツィア サン・マルコ大聖堂)
第10章 パリ・シャトレ座の《ドン・カルロス》
(ボンディ演出/パッパーノ指揮 ヴェルディのグランド・オペラ
1993年2月ー3月)
第11章 歴史的劇場に響くバルトリの歴史的歌唱
(ヴィヴァルディ「2つの風にかき乱され」
1998年6月 ヴィツェンツァ テアトロ・オリンピコ)
第12章 神話を生むヴァントとベルリン・フィル
(ブルックナーの交響曲第七番
1999年11月 ベルリン・フィルハーモニー)
エピローグ 「名演」
あとがき
〈名演の記録〉

万能人とメディチ家の世紀
講談社選書メチエ
ダ・ヴィンチを凌駕した万能人アルベルティが生きた「激動の世紀」を読む
世俗の贅美溢れる雅都にして、ローマを圧倒する「聖なる都市」=フィレンツェを舞台に繰り広げられた一大ルネサンス絵巻!
メディチ家を筆頭に、都市貴族たちの未曾有の繁栄。物質の王国と表徴の帝国が誕生した。パトロネージと絢爛豪華な芸術、社交と祝祭の坩堝(るつぼ)=花の都(フィレンツェ)、台頭する人文主義者(ユマニスト)たち。聖と俗、科学と魔術、中世と近代が渾然一体となったエネルギッシュな世界……。15世紀(クアトロチエント)随一の万能人アルベルティを水先案内人に、激動の社会とその精神を読み解く。

『古今和歌集』の謎を解く
講談社選書メチエ
『古今集』は巨大迷路である
一千余首に秘められた紀貫之の大いなる仕掛けとは?
『古今集』は「言葉遊び」と「ユーモア」の歌集だった。間違いだらけの「人麻呂」像の不思議。六歌仙でありながら一首しか存在しない喜撰法師の正体とは? 一千余首に秘められた大いなる仕掛けを読み解き、国文学史上の謎に迫る。
【目次】
はじめに
第1章 『古今集』の人麻呂
1 百人百様の人麻呂伝
2 仮名序の謎
第2章 「おほきみつのくらゐ」
1 「おほき」と「おほい」
2 定家が手を加えた『古今集』
3 「きみ」と「身」
第3章 吉野の山の桜
1 存在しない人麻呂の歌
2 友則・貫之と宮廷歌壇
3 「人麻呂」と友則
第4章 言語遊戯書としての『古今集』
1 〈かな〉の誕生
2 『古今集』の言葉遊び
3 物名の構造
4 宇多宮廷歌壇の遊戯性
第5章 をかしの歌集
1 俳諧歌 笑いの世界
2 戯笑の人=貫之
3 仮名序の言語遊戯
第6章 「赤人」の謎
1 人麻呂と赤人
2 隠喩としての色
3 撰者の嘆き
第7章 女郎花と馬
1 〈女郎花〉の歌の謎
2 隠された趣向
3 女郎花と遍昭と貫之
第8章 六歌仙考
1 「歌仙」ではない六歌仙
2 喜撰の謎
3 喜撰評を読む
第9章 喜撰とはだれか
1 遍昭と喜撰の関係
2 嵯峨野の「馬」・宇治山の「鹿」
3 都の「辰巳」を推理する
第10章 『古今集』の謎を解く
1 紀氏の没落と再生
2 謎解きが解く謎
おわりに 『古今集』の常識と非常識

カント『純粋理性批判』入門
講談社選書メチエ
カントはおもしろい!
西洋哲学2000年の伝統を破壊した衝撃の書を、やさしく読みつくす。
すべての哲学はカントに流れ入り、カントから再び流れ出す。西洋哲学2000年の伝統を破壊した衝撃の書『純粋理性批判』。「私」「世界」「神」の考察から、「時間」「空間」の構造、形而上学の運命まで、あらゆる思考の極限を究めた哲学史上最大の金字塔を、やさしく、ヴィヴィッドに読みつくす。

天国と地獄 キリスト教からよむ世界の終焉
講談社選書メチエ
世界の終わりが迫る。キリストの裁きの時が訪れる。大聖堂の彫刻に、礼拝堂の天井画や祭壇画に、人々は終末の風景をあくことなく描く。至福千年説、洪水幻想、楽園願望──キリスト教はなぜ世界の終焉に魅せられるのか。ジョット、ボス、ミケランジェロなどの代表的「最後の審判図」を読みながら、現代に通底する西洋の心性を読み解く。
【目次】
プロローグ ミレニアムの恐怖
第1章 終末のスペクタクル
1 至福千年
2 世界の終焉
3 洪水幻想
4 繰り返される終末
5 数字の魔力
第2章 「最後の審判」の図像学
1 「審判者」キリスト
2 善と悪を分ける
3 魂の重さを量る
4 死者の復活
5 取りなす者たち
6 天国か地獄か
第3章 アンチクリスト
1 アンチクリストの正体
2 アンチクリストの図像学
3 アンチクリストの到来
第4章 「最後の審判」図を読む 1イタリア
1 トルチェロ 西洋様式の原点
2 パドヴァ 恐怖と暗黒の勝利を描くジョット
3 オルヴィエート ルカ・シニョレッリの独創
4 システィナ礼拝堂 ミケランジェロのダイナミズム
第5章 「最後の審判」図を読む 2ロマネスクから北方へ
1 オータン キリスト教美術の精華
2 ロヒール・ファン・デル・ウェイデン ボーヌ祭壇画
3 ハンス・メムリンク 海賊に奪われた祭壇画
4 ヒロニムス・ボス 最後の円熟
5 ルカス・ファン・レイデン 市民のための「審判図」
第6章 楽園幻想 ボス「快楽の園」を読む
エピローグ ミレニアムを超えて
註
参考文献
あとがき
索引

エジプト王国三千年 興亡とその精神
講談社選書メチエ
ナイルという偉大な母が生んだ空前の文明。最初のファラオから三千年、最後の女王クレオパトラがローマの手から守ろうとしたエジプトとは何だったのか。強大な王権のもと、大神殿を造り、文字・暦を生み出し、30にも及ぶ王朝の繁栄を実現した古代エジプトの歴史とその精神世界を描き尽くす。
【目次】
はじめに
第1部 興亡三千年
第1章 ナイルの賜
1 ヘロドトスは記す
2 最初のファラオ
3 時代区分
第2章 王権の形成
1 王の名
2 神の息子
3 古王国の黄昏 文学にみる歴史
第3章 異民族の侵入と新王国の成立
1 ヒクソス
2 ハトシェプスト女王
3 トトメス三世のアジア遠征
第4章 アマルナ宗教改革そしてラメセスの登場
1 アクエナテンの夢
2 カデシュの戦い
3 ストライキと墓泥棒
第5章 グレコ・ローマン時代へ
1 アメン神権国家
2 クシュ王国
3 衰亡への道
第2部 古代エジプト人の精神世界
第6章 エジプト人の時空間
1 エジプト人の「国土」
2 暦の秘密 年代決定
3 民衆暦の導入
第7章 文字と文学
1 三種の文字とパピルス
2 文学は教訓だ
3 読んでみると
第8章 古代エジプトの宗教と芸術
1 宗教研究の三段階
2 信仰の諸相
3 エジプト美術の本質と変遷
おわりに
エジプト学入門書

下着の誕生 ヴィクトリア朝の社会史
講談社選書メチエ
ピアノの「脚」をも陰蔽したモラル厳しき時代、衣装の下は3キロを超える重装備だった。産業革命、消費社会の到来。未曾有の社会変動を被ったヴィクトリア朝。美女・健康・旅行・自転車・女性誌……。数々のブームが沸くなかで、下着もまた激変した。巨大クリノリン、緊縛するコルセットから健康下着が生まれ、フリルとレースの世界へ……。下着の機能と装飾の変遷に、現代女性の美意識の原点=「肌の解放」を探る。
【目次】
プロローグ
第1章 動きだした社会
1 ヴィクトリア朝のモラルと美
2 ブルーマー夫人登場
3 燃えるスカート
第2章 美女の時代
1 タイト・レイシング論争
2 官能性と視線
3 ファッションリーダーたち
第3章 健康と旅行とアヴァンチュールと
1 スポーツと旅行
2 国外旅行と「隠された動機」
第4章 服装改革運動
1 芸術家たちの活動
2 合理服協会
3 北国のヴィーナスとウール下着
第5章 ワイルド・ウーマンの登場
1 少女たちの教育
2 大自転車ブーム
第6章 フリルとレース 下着の楽しみへ
1 変化する下着とナイトウエア
2 室内の南国化
エピローグ
補論 ヴィクトリア朝と女性雑誌
註
引用・参考文献
あとがき
索引

廃藩置県 「明治国家」が生まれた日
講談社選書メチエ
「藩を廃す」。それは明治4年、瓦解寸前の政権を救う大久保らの「賭け」だった。電光石火の奇手に茫然とする藩主、公家、士族、頻発する藩主引留め一揆。現代日本にいたる「県」統一システムをもたらし、西洋化の出発点となった、中央集権国家誕生までの激動の舞台裏を描く。

民族から読みとく「アメリカ」
講談社選書メチエ
「同化」(メルティング・ポット)から「共存」(サラダボウル)へ! イギリス系、ドイツ系、イタリア系、ユダヤ系……。母国の風土と歴史をいやおうなく背負った移民たちの哀しみと歓び。やがて、それぞれの差異は差異のまま、新しい「アメリカ」が生まれ出る。超大国の活力を支える多元主義の実態を読みとく。
【目次】
プロローグ
第1部 エリートとなった移民 規範を作った者たち
第1章 アメリカの「本流」 イギリス系アメリカ人
1 マニフェストデスティニー
2 アメリカ的なるものの基層
3 反感の対象
第2章 アイロニーを生き抜く ドイツ系アメリカ人
1 ミューレンバークの伝説
2 固い団結
3 文化的貢献
4 引き裂かれるアイデンティティ
補論 その他エリート移民たち
第2部 遅れてきた移民 規範に従おうとした人たち
第3章 わが祖国は緑なりき アイルランド系アメリカ人
1 もっとも移民的な移民
2 飢餓のアイルランド人
3 アングロ・アメリカに対する抵抗
4 アメリカ化のパラドックス
第4章 都市の村人たち イタリア系アメリカ人
1 貧困からのだ出
2 南イタリアの特異性
3 標準化とのはざまで
補論 その他遅れてきた移民たち
第3部 エキストラ移民 同化せずに物言いをつける人々
第5章 選び取るアイデンティティー ユダヤ系アメリカ人
1 ディアスポラの果て
2 ニューヨークという「故郷』
3 新産業での活躍
4 自己批判と改革の精神
5 ユダヤ意識の変容
第6章 特異なるがゆえに アフリカ系アメリカ人
1 貧しき聖者
2 奴隷制度の影
3 ブラック・イズ・ビューティフル
補論 不本意移民
エピローグ
参考文献
さらに研究を進めたい方のために(文献案内)
あとがき
文献・作品名索引
事項索引
人名索引

魔都上海―日本知識人の「近代」体験
講談社選書メチエ
日本人はなぜこの都に耽溺したのか?天を衝く摩天楼、繁盛をきわめる茶館、そしておびただしい娼婦、アヘン窟。〈西洋の入り口〉にして、国民国家の〈破壊装置〉。高杉晋作、谷崎潤一郎、村松梢風らの「上海体験」を通し、幕末から昭和に至る近代日本を捉え直す。

海の文明 ギリシア 「知」の交差点としてのエーゲ海
講談社選書メチエ
ギリシアは常に海とともにあった。エーゲ海。この、世界のどこにもない海との出会いが、自由で若々しい文明を生み出して行く。クレタの躍動・イオニアの思弁・アテナイの繁華・マケドニアの栄光ーー。比類なき海が育んだ、比類なき文明のドラマを独自の史観で描く。
【目次】
はじめに──ギリシアはエーゲ海の賜物
序章 河の民エジプト
第一章 クレタの春
1 エーゲ海世界の誕生
2 豊穣なる島の文明
第二章 イオニアの夏
1 ギリシア民族の誕生
2 花開くポリス
3 エーゲ海から地中海へ 航海と移動の時代
4 ホメロスとギリシア精神
第三章 アッティカの晩夏
1 「帝国」の時代
2 陸の帝国ペルシアとの戦い
3 エーゲ海帝国アテナイの光と影
4 アテナイの落日
第四章 マケドニアの秋
1 異端のギリシア=マケドニア
2 エーゲ海を去りし行くアレクサンドロス
終章 陸の民ペルシア
おわりに
参考文献

戦国大名の日常生活
講談社選書メチエ
勝つことを宿命づけられた存在。それが戦国大名だった。利益しだいですぐ離反する家臣。地域エゴむき出しの領民……。国を治め天下を望む以前に、彼らの欲望をみたすのが先決の、薄氷を踏むような日々。合戦からは見えない赤裸々な姿を、甲斐武田家3代を通して活写する。

哲学問題としてのテクノロジー ダイダロスの迷宮と翼
講談社選書メチエ
バイオ、ナノ、コンピュータ──3つの究極のテクノロジー。生命・物質・情報を「編集」する驚異の技術を手に、人類はどこへ行くのか?解体する「主体」。〈知〉の根源的変容。怪物と化した「システム」……。「生命」「時間」の視点から、〈知〉とテクノロジーと自由の新たなあり方を探る。
【目次】
はじめに ダイダロスの翼
序章 知の行方
1 知とテクノジー
2 テクノロジーの現在
3 知のステイタスの変化 ポストモダニズムの射程
4 文化のリエンジニアリングに向けて
第一章 技術の哲学史
1 古代ギリシアの技術論
2 錬金術の中世
3 ハイデガーとサイバネティクス
4 技術と自由
第二章 文明のソフトウェア
1 情報社会と「第三の波」
2 技術と文明
3 言説と対話
第三章 〈主体〉の終焉
1 主体の誕生
2 未来派と相互浸透
3 サイボーグ的主体
第四章 三つの技術と二つの文化
1 「二つの文化」
2 三つのテクノロジー
3 自己編集的な技術へ
4 身体と意識の可塑性
第五章 情報テクノロジーのパラドクス
1 データベースの知
2 情報の経済文化
3 時間と情報
第六章 生命とアナザーワールド
1 遺伝子の夢
2 文化という外部情報装置
3 ワールド・プロセッシング/ライフ・プロセッシング
第七章 文化の気象学のために 結びにかえて
1 身体と媒介性
2 社会システムとその残余
3 文化の気象学
註および引用文献
あとがき
索引

モーツァルト=二つの顔
講談社選書メチエ
天真爛漫、無邪気な天才──。それはモーツァルト一流の「演技」だった。冷徹な計算、シニカルな人間描写、社会変革への情熱。最新の研究にもとづいて名曲の数々を聴き直し、その「魅力」と「毒」の根源に迫る。
推薦CDガイド付き。

ロ-マ帝国愚帝列伝
講談社選書メチエ
ネロ・カリグラ・カラカラ……。世界の頂点に上りつめ、残虐・淫蕩・放埒の果てに破滅した「愚帝」たち。魂の底知れぬ深淵を露呈する愚行にもかかわらず、巨大帝国ローマが揺るがなかったのはなぜか。その秘密に迫る。

関東軍
講談社選書メチエ
戦前の日本にとって「満州」とはいったい何だったのか。
戦後55年、あらためて学ぶ歴史の教訓
大陸政策の尖兵、関東軍。彼らの「独走」の意味とは?満州事変、張鼓峰事件、ノモンハン事件、そしてソ連の進攻。40年にわたって満州の野に繰り広げられた大日本帝国の思想と行動をたどり、「精強無比」「無敵七十万」を謳われた組織の興亡を、戦史に基づき克明に追う。

とんかつの誕生
講談社選書メチエ
あんパン、ライスカレー、コロッケ、とんかつ
明治維新。それは1200年の禁を破る「食べ物革命」だった。天皇の肉食、政府・知識人の西洋料理キャンペーン、そして反西洋食騒動。とまどう庶民はやがて、自分の口に合う牛鍋・あんパン・ライスカレー・コロッケを生み出していく。「洋食の王者」とんかつが誕生するまで、食卓60年の疾風怒濤を生き生きと描く。

交易する人間(ホモ・コムニカンス)
講談社選書メチエ
人間存在の根源を追究する今村理論の新展開! ヒトは、なにを、なぜ、交易するのか? 自然と「交感」し、人と「交際」し、物を「交換」する人間=ホモ・コムニカンス。ポトラッチ、歓待(ホスピタリティー)、クラ交易、供犠(サクリファイス)──人間存在の根源に宿る「負債」が駆動する行為。「敵対」を「友好」に変える贈与体制の驚くべき叡知とは? 資本主義が破壊した文化制度を検証し、人間学に新地平を切り拓く。
人間存在の根源を追究する今村理論の新展開!
ヒトは、なにを、なぜ、交易するのか?
自然と「交感」し、人と「交際」し、物を「交換」する人間=ホモ・コムニカンス。ポトラッチ、歓待(ホスピタリティー)、クラ交易、供犠(サクリファイス)──人間存在の根源に宿る「負債」が駆動する行為。
「敵対」を「友好」に変える贈与体制の驚くべき叡知とは?資本主義が破壊した文化制度を検証し、人間学に新地平を切り拓く。