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1971.11.13発売
黒い蝶・うさぎのてぶくろ ほか
お日さまがお月さまに語った下界のかなしいできごと。訓練中の立入禁止区域に砲弾の破片をひろいにいった1人の少年の命を1発の銃弾がうばった、と……。戦争への怒りをこめた「黒い蝶」ほか、初期の作品10編を収録。
赤い鳥文学賞特別賞受賞。

1971.10.15発売
恋歌
講談社文庫
夜を持たぬ夫婦の愛の証しとは?自由な女の孤独とは?男女の愛という、最も日常的な行為の背景にも、不思議な影がある。戦争の傷あとに悩む冬子、背徳と官能の淵をさまよう直子、新しい青春を夢みる亜由美──ひたすらな3人の女性の生き方のなかに、現代の愛の可能性を問う意欲的長編ロマン。

1971.10.15発売
王城の護衛者
講談社文庫
王城の護衛者としての使命を、唯一の支えにして、激動する幕末の難局に棹さした会津の青年藩主、松平容保が政治の術数に翻弄される悲劇の生涯をつづる名編。他に、「加茂の水」「鬼謀の人」「英雄児」「人斬り以蔵」を収録。

1971.10.06発売
龍の子太郎
龍になって北の湖にすむというおかあさんをたずねて旅をする太郎の波乱万丈の冒険物語。日本の民話を現代によみがえらせ、国際アンデルセン賞優良賞・サンケイ児童出版文化賞などかずかずの賞にかがやく雄大な名作。
赤い鳥文学賞特別賞受賞。

1971.10.06発売
貝になった子ども ほか
ある夏の日、5歳の弥一(やいち)は、畑からの帰りにゆくえしれずになってしまう。子どもをもとめてさまよう母に、すずめがやさしくささやいたことは……。母親の愛情を、幻想的に描いた表題作ほか、初期の作品10編を収録。
赤い鳥文学賞特別賞受賞。

1971.08.16発売
ゼロから無限へ
ブルーバックス
日常なにげなく使う数には、こんな面白い性質がひそんでいる
《インド人が発明したゼロ》0割る0の数学的意味は?奇妙な数ゼロを探って……
《便利な2進法》ライプニッツの2進法はコンピュータの世界で見事に開花
《完全数の不思議》6の約数は1、2、3。それらをたせばやはり6。
《無限と矛盾》自然数も平方数も無限にあるなら、それらの個数は等しいのか?
《対数の底e》統計学・生物学・経済学などにも使われるeの物語

1971.08.16発売
日本人の論理構造
講談社現代新書
どうせ、せめて、さすが、しみじみ・・・。
これらのことばが、どのような文化の中に生まれ、私たちをどのように性格づけてきたのか?
長年アメリカで日本語や日本文学を教え続けてきた著者が、身近なことばから日本人独特の心理を探りだしたユニークな文化論。
いまこそ読まれるべき名著の復刊。
1971.07.30発売
創造への飛躍
講談社文庫

1971.07.21発売
文化人類学の世界 人間の鏡
講談社現代新書
文化人類学は人間諸科学を統合する新しい〈人間学〉として注目されている。しかし、未開社会の奇妙な習慣や親族関係や古ぼけた陶片などを調べて、人間に関するどんな新しいことがわかるというのだろうか。本書は、アメリカ人類学界の第一人者が、そんな疑問に豊富な実例をもって答えながら、人間を写す鏡としての人類学の魅力と考え方を楽しくかつあますところなく描きだした定評ある入門書である。

1971.07.15発売
建築入門 あなたと建築家の対話
ブルーバックス
何のためにどうつくる?
素朴な質問が明らかにする建築の本質とつくりかた
《生活のいれもの》そこに住む人のために、という建築の原点
《今と昔》新建材の登場、環境の変化を踏まえて、従来の建築を再検討すると
《力学の基本》地震や風に抵抗するための基礎知識
《不便な駅ビル》公共建築の計画に参加する人の責任
《何もつくらない工事》建物の死命を制するかくれた仕事
《プラモデル建築》建築の工業化が行きつく一つの未来像

1971.07.01発売
草の陰刻
講談社文庫
松山地検庁舎の怪火で事務官が焼死、事故として処理された。だが死亡した元検事の娘からの手紙に不審を抱いた青年検事は、真相追跡を始めた。そして浮かびあがるのは暗い過去を抹殺しようと腐心する黒い影――。青年の傷心と挫折の日々を活写し、推理小説の枠を超えた巨星松本清張の本格派傑作長編!!

1971.07.01発売
歳月
講談社文庫
卓抜した論理と事務能力で、明治維新の激動期を、司法卿として敏腕をふるいながら、非業の死をとげた江藤新平。明治6年征韓論争で、反対派の大久保利通、岩倉具視らと対決、破れて下野し、佐賀の地から明治中央政府への反乱を企てる人間江藤の面目と、その壮絶な生涯。
1971.06.22発売
絹と明察
講談社文庫
従業員をわが子と思い、過酷な労働を強いて繊維業界におどり出た男、駒沢善治郎。彼が楽園とまで信じていた工場も、烈しい解放への欲望につかれた若者たちから見れば、湿った〈絹の牢獄〉でしかなかった――。古風な倫理を信奉し、献身した男の挫折と孤独を華麗な文体で綴った意欲長編。毎日芸術賞受賞。

1971.06.21発売
海と毒薬
講談社文庫
良心的で小心な医学部の助手が、何故、生体解剖というショッキングな事件の現場に立ち会うことになったのか?彼の置かれた条件と過去を照らし、人間の意志、良心を押し流す運命を描く――。日本人にとって神とは何か、罪とは何かを根源的に追究した問題長編。毎日出版文化賞・新潮賞受賞。
1971.06.16発売
友情
講談社文庫
義侠句かをもって任じている野島、闊達にして聡明な杉子、新進作家大宮‥‥。三人の心理的葛藤を描き、「逆境こそ強く生きるための最大の糧」だとする作者の人生感に裏付けられた、若い世代の必読書。

1971.06.16発売
こころ
講談社文庫
最も親しい友人を死に追いやった罪の意識を抱きつつ、暗い思いで自滅への日々を送る主人公“先生”のこころの行方は?「彼岸過迄」「行人」に続く後期3部作の終作。近代知識人のエゴイズムと倫理感の葛藤を重厚な筆致で掘り下げた心理小説の名編。

1971.05.04発売
親鸞入門
講談社現代新書
出家仏教を捨て、法然を超えて、在家仏教をうちたてた親鸞……。親鸞ほど、救われない人間、卑小な自己の姿を、真正面からみすえた宗教者はあるまい。その親鸞が、なぜ、善人よりも悪人が救われるといったのか。なぜ、おのれの力にたよることをいましめ、他力にすがれといったのか。本書は、人間が生きているということの真実を、その深みにおいて把えた偉大な求道者の生涯と思想を描いた好著。
〈真実の生を求めつづけた人〉――親鸞は激動する鎌倉時代の初頭に、現実に生きる自己の在りようを念仏の教えを通して、探求していった求道者だった。かれの思想と実践は、さまざまな角度から、多くの人びとによって解明されるべきであろう。なぜならば、親鸞という求道者は、念仏とか信心という仏教のことばを独自の態度から解釈することをもって、本領としたからではなく、万人がそれを求めそれに依って生きるところの「真実」を求めつづけた人であったからである。私が本書を書いたのも、現代に生をけたわれわれが、「真実」を求めて歩んだ求道者親鸞から、各自の生きがいを見出したいと願うからである。――本書より
1970.11.30発売
青春の門 筑豊篇(下)
1970.11.24発売
青春の門 筑豊篇(上)

1970.11.16発売
生きることと考えること
講談社現代新書
人間は経験をはなれては存在しえない。そして、ほんとうによく生きるには経験を未来に向かって開かねばならぬ。本書は、自己の生い立ちから青春時代、パリでの感覚の目ざめと思想の深まり、さらには独自の「経験」の思想を、質問に答えて真摯に語ったユニークな精神史である。
読者の皆さんへ――ここには、1つの精神の歴史が物語られています。森有正という、日本の思想界でもきわめてユニークな地位を占める1人の哲学者が自己を形成するにいたるまでのプロセスが、つつみかくさず物語られているのです。森氏は長い間、異国でのひとりぼっちの生活の中にあって、いやおうなしにすべてのできあいの観念を払いすて、自分自身の経験の上に思想を築き上げる道をえらばねばなりませんでした。観念をとおすことなく、自分の感覚に直接はいってくる事象をそのままうけとめ、そこから出発しておのずから1つの言葉に達する道を探索しなければなりませんでした。そうして獲得した独自の思想世界を、ここでは直截に、つまり経験をとおして思想を、「生きること」をとおして「考えること」を語っていただきました。――本書より