講談社現代新書作品一覧

秦・始皇帝陵の謎
秦・始皇帝陵の謎
著:岳 南,訳:朱 建栄
講談社現代新書
始皇帝陵の側近から今世紀最大の考古学上の大発見となった“兵馬俑”の大地下軍団が発掘された。2000年の眠りがら覚めた遺物群が、語りかけるものは何か。歴史の闇に閉ざされた始皇帝と秦王朝の、真実の姿に迫る。 謎を解く鍵――4000年以上にわたる中国の王朝歴史のなかで、彗星のように現れて、初めて全国を統一した大秦帝国は、戦乱などが原因で、文字の記録や物的資料をあまり残していない。その上、続く波瀾万丈の歴史の流れのなかで、秦代の真実の姿はますます濃い霧のかなたに隠れていった。それだけに、兵馬俑、銅車馬、馬きゅう坑、珍種動物坑などの発見と発掘、および始皇帝陵地下宮に対する調査は、この歴史研究の空白を埋め、中華民族の発展史における「失われた環(ミッシング・リンク」をふたたびつなげたといえる。――本書より
キング牧師とマルコムX
キング牧師とマルコムX
著:上坂 昇
講談社現代新書
対照的な二大カリスマを通して読む黒人社会。マルコムXブームの意味とは何か? 台頭するブラックナショナリズムとは? 一見相反する二人の代表的指導者の思想と足跡から「黒人運動とアメリカ」を問う。(講談社現代新書) 対照的な二大カリスマを通して読む黒人社会。マルコムXブームの意味とは何か? 台頭するブラックナショナリズムとは? 一見相反する二人の代表的指導者の思想と足跡から「黒人運動とアメリカ」を問う。
電子あり
折口信夫を読み直す
折口信夫を読み直す
著:諏訪 春雄
講談社現代新書
民俗学・芸能史・国文学に独自の学説を立てた折口信夫。鋭い直観から生まれたその理論の魅力と欠陥は?まれびと・依代・他界などの名彙をほぐしつつ折口学の体系を検証する。 永久運動型の理論形式──まれびとの論とのかかわりのなかに形成されていった理論は、文学や芸能の発生の問題だけではない。主なものにかぎっても、常世からおとずれる神のよりつく場所から依代の論が生まれ、神が老人の姿をしていることから「翁」の誕生にたいするかれの考えがととのえられる。神の原郷である常世の論がふかめられて「妣が国」の華麗な幻想がつくりあげられている。また、神のあの世からのおとずれの旅が道行となり、原郷でおかしたあやまちのために人間界をさすらう神の辛酸の旅の記憶が、貴種流離譚という物語のパラダイムに結晶させられている。──本書より
税金の論理
税金の論理
著:石 弘光
講談社現代新書
それなくしては国家や社会が成立し得ない不可欠の存在。しかし、わかりにくく、なじみにくいのが税金の仕組。なぜ税金を納めねばならないのか? 公平・中立の原則は守られているのか? 税金の歴史をふり返り、所得税、消費税など現行税制のもつ問題点と今後の展望を平易に解き明かす。 公平というモノサシ――税金は、国家の徴収権と国民の納税義務の間に存在する。従って両者の納得のいく、ある種の課税の基準つまりモノサシといったものを必要としている。課税にあたり伝統的に、公平、中立の二大原則が重視されてきた。われわれは一応この課税の公平に対し、水平的公平と垂直的公平という、より詳しい二つのモノサシを用意している。水平的公平というのは、経済的にみて「等しい状況にある者は等しく取り扱われるべきである」という課税上の原則である。もう一つの垂直的公平は、水平的公平の考えを裏返しにしたものである。「異なる状況にある者は異なるように取り扱われるべきである」という原則で、累進所得税の根拠となっている。――本書より
心理テスト―人間性の謎への挑戦
心理テスト―人間性の謎への挑戦
著:岡堂 哲雄
講談社現代新書
「心」を解く技法とはどういうものか。性格検査・能力検査・投映法など、パーソナリティの特性を記述するための方法とパラダイムを解説。 心理臨床家の任務と倫理――心理テストは、人間理解の手段であり、臨床場面では、被検者のパーソナリティをトータルに把握するための一課程である。異常性の確認だけでなく、積極的な潜在能力の発見こそ大切なのである。これまでは、ともすれば精神病理の心理診断に傾きがちであった心理テストはもっと健全な面や心の健康の条件について探求すべきである。それには、心理臨床家がそれにふさわしい知識、経験、技量を修得しているだけでなく、積極的で肯定的な人間観をもち、人と人との関係を重視する立場から取り組むことが要請される。――本書より
社会主義市場経済の中国
社会主義市場経済の中国
著:渡辺 利夫
講談社現代新書
「証券・株式も断固試してみよ」――変幻自在のとう小平思想によりプラグマティズムに目覚めた巨大国家中国。改革・開放の道をひた走るエネルギッシュな姿を分析し、その21世紀を展望する。 まちがったらなおせばいい――とう小平の実験主義的プラグマティズムは、「南巡講話」において頂点に達している。……「証券、株式市場、こういうものが、いったい、いいのか悪いのか、危険があるのかどうか、資本主義特有のものなのかどうか、社会主義でも使えるのかどうか、断固、試してみるべきだ。いいと思ったら、1、2年やってみて、それで大丈夫なら自由にやらせる。まちがったと思えば、なおせばいい。やめればいいんだ。やめるんだって、すぐにやめてもいいし、ゆっくりやめてもいい。少し残しておいたっていい。なにを恐れているんだ。社会主義が資本主義より優勢になるには、人類社会が創造したすべての文明的な成果を大胆に吸収し、参考にし、資本主義の先進国を含め、現代社会の先進的な生産の経営方式を吸収し、参考にしなくてはならん。」――本書より
良寛―魂の美食家
良寛―魂の美食家
著:藤井 宗哲
講談社現代新書
大根に百合根、友と酌む旨酒……。草庵の美味で豊かな生活。晩年に交わされた、深く、真蟄な相聞歌。「道」に生き、恋に生きた、真人の魂の贅沢。 大根鍋のゴージャス――頃はいいだろう。定珍よりプレゼントされた、とっておきの大好物である南蛮粉をふりかけて、ふうふう吹きながら、とろけるように喉元を越してゆく、大根の感触。すえものの酒を酌み交わし、内からは酒と大根、外からは囲炉裡の暖と、友と分かつ一体感。酒もあらかたなくなった。鍋には大根が2、3片残っている。そこへひと握りの托鉢米を入れ、やわらかくなったところで、大根の葉をきざみ、仕上げは雑炊に。…… なにより、良寛さんみずからの手による、季節としてもちょうど食べごろの大根。そして、越後の冷たい海でとれた昆布。あれこれ手を加えず、素材の性質に合った食べ方。日頃は一汁一菜なればこそ、この大根の味がひとしお美味なのである。だからこそ、草庵の囲炉裡に掛かった鉄鍋の大根も、つやつやと輝いて見える。なんともゴージャスな絵柄ではないだろうか。――本書より
プレイン・イングリッシュのすすめ
プレイン・イングリッシュのすすめ
著:ケリー 伊藤
講談社現代新書
難しい単語は使わない。1つの文には1つの情報。まずアウトライン、次にディテール。受動態より能動態、否定形より肯定形。アメリカ発、実践派の明快英語による、Effective Communicationへの道案内。 「だから何なの?」と思わせない表現を――うっかり口をすべらせてしまった時などに、よく「聞かなかったことにしてください」などと言いますが、これを英語で表現するとどうなるでしょう。Just pretend that you never heard it.というのが、日本人の典型的な訳例です。この英文では、「聞かなかったふりをする」ということを相手に求めていますが、それでは「どういうふりをすればいいのか?」という素朴な疑問が生じることになってしまいます。「聞かなかったことにしてください」という表現にとらわると、なかなかこの日本文のideaがつかみにくいのですが、“Detach ideas from words.”で考えれば、要は「聞いたことを忘れてください」ということになります。これをPlain Englishで表現すると、Just forget what I said.となります。――本書より
江戸の遊里盛衰記
江戸の遊里盛衰記
著:渡辺 憲司
講談社現代新書
日本の裏面史に閉じ込められた遊女たちの声。暗く湿った〈郭〉のイメージに隠された真実。北は能代から南は那覇まで、往時の賑わいの痕跡と遊女たちの秘められた物語を掘り起こす歴史紀行。 刻まれた歴史――私は、人知れず忘れられた小さな遊里をおもに取り上げることにした。田舎に行けば行くほど、人々は遊里の過去を忘れようとしていることも事実である。しかし、狭い地域であればそれだけ、その地に刻まれた歴史を大切にしようとする人たちがいるのも事実である。石川県小松の串茶屋には、遊女墓を清掃する町内会の人たちがいる。近年、茨城県潮来や秋田県院内鉱山の跡地には、新しく遊女墓が建った。青森の県鰺ヶ沢には、遊女墓に遊女とともに埋葬された花魁人形を手厚く供養する人たちがいる。瀬戸内海の小島には、遊女たちの悲哀を胸の奥底にたたみながらオチョロ船の復元に意欲を燃やす大工さんがいる。……忘れられようとしている遊女たちのことを忘れてはならないと感じている人々の思いを、記しておきたいとも思った。――本書より
「怪談」の心理学
「怪談」の心理学
著:中村 希明
講談社現代新書
怪談はどこに生まれ、どう伝わるのか。トイレのハナコさん、こっくりさん、金縛りなど、学童たちの間に発生し広がってゆく「霊現象」のルーマーをめぐり、心理・生理・社会病理的に縦横に考察する。 すぐれたコント――芸術家は自分の感動を小説や絵画、音楽などに表現する。しかし、こうした自己を表現する才能もなく、また、最近流行の自分史や、短歌や俳句を修業するだけの根気もない団地の主婦たちは、近隣のうわさ話に浮き身をやつす。一方、未来の主婦である女の子たちは、大人以上に目を輝かせて学校のうわさ話、とりわけこわい話に熱中する。つまり、「学校の怪談」の伝承者である学童たちは、めいめいが自分の聞いた話に新しい創作を付け加えて、その伝達の話を広げていく。その世界では、よりもっともらしい、刺激的なディテイルを物語に付け加えた伝承者が子供仲間のヒーローになれるのである。――本書より
キリスト教文化の常識
キリスト教文化の常識
著:石黒 マリーローズ
講談社現代新書
毎日のあいさつや人名、地名、祝祭日、ライフスタイルなどに密接に関連したキリスト教の言葉と精神――その由来と意味を簡明に説く。欧米人の性格と価値観を伝える国際化のためのガイドブック。(講談社現代新書) 日常生活に根づいたキリスト教のエッセンス。毎日のあいさつから人名、地名、祝祭日、通貨などにも密接に関係しているキリスト教。その本来の意味を簡潔に説き、欧米人とつきあう際の基礎知識を提供する。
電子あり
日本的市場経済システム
日本的市場経済システム
著:鶴 光太郎
講談社現代新書
日本経済のあり方は、はたして特殊なのだろうか。バブルが去り、日米構造協議等で市場の閉鎖性を指摘される今、企業と株主、債権者、労働者、政府、技術革新などとの関係から、最新理論を駆使してあらためて問い直す。 日本の市場経済システムの特徴――日本の場合、例えば、企業とメインバンクの組み合わせも変化しうるという意味で柔軟であり、親企業と部品企業の関係も、価格、品質、納期、技術力を選定基準として随時見直しが行われ、部品企業間の競走が促進されるようになっている。日本の市場システムの特徴は、「長期的・継続的・相対的取引」を基本として、「情報」「協調」「競争」「高成長」「不透明」といった5つのキーワードで説明することができる。――本書より
森はよみがえる
森はよみがえる
著:石城 謙吉
講談社現代新書
生き物たちの命を育み、水の恵みをもたらす緑の森が、都市化の中で荒廃していく。失われゆく「里山」の復興をめざし、北海道苫小牧の地で進められている都市林作りの実践をリポート。 荒れる里山――戦後の経済成長が始まった昭和30年代以降になって、住民自身の里山に対する価値観も大きく変化してきた。生活様式の近代化、都市化にともなって、長く住民生活を支えてきた里山からの緑肥、飼料、薪炭や日用材などの供給が、もはや不可欠のものではなくなったのである。それによって、かつてはさまざまな生活資源を恵む宝の山だった里山の雑木林は、価値の乏しい貧弱な林としか見られなくなり、利用も手入れもされぬまま放置されるようになってしまった。住民との連帯を失った日本の里山は、いまやかつての姿をほとんど失いつつあるのが現状なのである。――本書より
想像力
想像力
著:内田 伸子,イラスト:タイガー立石
講談社現代新書
「ないもの」を思い浮かべる不思議な能力、想像力。日常生活から芸術まで、つねに「新しさ」を生みつづけるメカニズムは何か? ことばとの複雑な関係を解明しつつ、誰にも備わるこの能力を、存分に発揮させる方法を考える。 誰もがもつ創造の泉――想像力は芸術活動と関連づけられることが多い。また、天賦の才を与えられた人が行う創造とからめて想像力を議論することも多かった。しかし、私は、想像力は、ごく普通の人間の日々の営みや活動の過程で活発に働いているものだと考えている。…… 日々の営みや活動の中で、つねに人は「もの」や「こと」に働きかけ、それらを変形し、新しい形を創り出している。その結果をもたられる所産は、その時点でのさまざまな条件のもとに成立したもので、それはさらに人々の働きかけによって受け継がれ、また変容を遂げていく。想像力はそのような人々の営みに深く関わり、修正や変容をもたらし、新しいものを創り出す触発剤として働いているのである。――本書より
統合ヨ-ロッパの民族問題
統合ヨ-ロッパの民族問題
著:羽場 久子
講談社現代新書
ユーゴ内戦、チェコスロヴァキア分裂、国外ハンガリー人をめぐる国境問題…。「ヨーロッパ統合」へと向かう冷戦後の世界で、なぜ旧東欧は解体を続けるのか。「民主化」「市場化」を果たしEUに加盟する日は来るのか。「統合」「ヨーロッパ回帰」をキーワードに、民主問題の本質を探る。 「ヨーロッパ回帰」をめぐる3つの動き――1989年の東欧の体制転換以降、東欧においては3つの動きが象徴的に現れている。1つは、「中欧」の再編である。これは、「東欧」に代わる歴史的「中欧」理念の再興とともに、EUやNATOへの足がかりともなるさまざまな中欧の地域協力の成長というかたちで現れている。2つめは、民族問題の新たな成長である。現代東欧の民族問題は、歴史的な民族問題の再生という以上に、「民主化」「市場化」に象徴される政治的・経済的な発展と、国境修正を含む「国民国家」の枠組みの再調整の流れのなかで現れてきている。3つめは、EC/EU、NATOへの接近である。これをいうまでもなく、現在信仰中のヨーロッパの経済・市場統合、安全保障の統合的システムへの参入ということであろう。これらは全体として、「ヨーロッパ回帰」をめぐる一連の動きとしてとらえることができよう。――本書より
はじめてのビジネス英会話
はじめてのビジネス英会話
著:杉田 敏
講談社現代新書
「景気はどうですか」は英語で何と言う?「最高です」など11種の答え方とは?「目標設定こそすべて」戦略から「質問で会話の主導権を」戦術、「時間づくり」まで。豊富な実例を掲げ、ビギナー用基礎の基礎を満載。 面白い話題をストックしよう――会話における本質は、やはり「内容」です。……話題になりそうなトピックに関して自分の意見を持つ努力をして、それを理論的に、時には少々ドラマチックに話せるようにしましょう。自分が自信を持ってしゃべれる話題、相手に興味を持って受け入れられそうな話題をいつもストックしておくことも大切です。……しかし自分の専門分野や趣味の話ばかりする人はあまり歓迎されません。外国人と広い意味でのビジネス会話をする時には、日本では「書生論」などと呼ばれて軽視される傾向にある「天下国家論」も、たまにはできるようでなければなりません。面白そうな話題をストックしておくといっても、たとえばその日の新聞で読んだことでも、個人的なユーモラスなエピソードでもいいのです。いくつかを頭の中に整理しておいて、その場に応じて出していくようにするのです。――本書より
江戸語・東京語・標準語
江戸語・東京語・標準語
著:水原 明人
講談社現代新書
武家と町人、山手と下町、標準語と方言。話しことばは時代を映す鏡であった。何がことばを変えてきたのか?江戸開府から明治を経て現代まで、日本語を通してたどるもうひとつの近代史。 「おっかさん」と「おかあさん」――国定教科書に採用されたことばの特徴的な例として「おかあさん」の場合を見てみよう。現在「母」をあらわすことばとして、最も一般的に使われているのは「おかあさん」だろう。しかし、この言い方は、少なくとも明治初期の関東以北にはなかった。幕末の日本語と英語を対比させたアーネスト・サトーの『会話篇』、ヘボンの『和英語林集成』でも、motherに対する日本語として挙げているのは、「はは」「ははさま」「母堂」「御母堂」「おっかさん」「おふくろ」で、ここには「おかあさん」ということばは出てこない。(中略)それなのに、なぜ、当時の国定教科書は「おっかさん」を捨てて「おかあさん」を採用したのだろうか?――本書より
「水滸伝」を読む
「水滸伝」を読む
著:伊原 弘
講談社現代新書
水沢の要塞・梁山泊に集結した108人の個性豊かな英雄豪傑たちの活躍を描き、ながく読みつがれ、民衆の支持を得てきた大河小説の面白さを史実と虚構の間から読み解く。 ひとり者の世界――『水滸伝』には多くのひとり者が登場する。そして、かれらがおんなに興味をもたないことを潔しとする調子で話が進む。これは現実の反映であろうか。都市化が顕著になると、流入者がふえる。かれらのなかには、多くの“一旗組”がいたであろう。それまでの自らの生活を放棄して、都市で一旗あげるのにかけた者たちである。かれらは、それゆえに、自らを自らの所属する組織から切り離したものたちである。そして、これは、当時の都市、否、当時の社会で生活していたもののかなりの家族組織が崩壊していたことを示すのではないか。おんなに興味をもたないのは、潔いのではない。かれらが家族を構成していないからである。――本書より
言葉のアヴァンギャルド
言葉のアヴァンギャルド
著:塚原 史
講談社現代新書
世紀が移り、新たな芸術が「運動」し始める。「切断の意識」につらぬかれた前衛──未来派、ダダ、シュレアリストたちが企てる言葉の解体・解放の冒険的な試み。意味を無化する方向に働く「20世紀の想像力」を考察する。 「20世紀」の表現者──彼らのほとんど唯一の共通項は、あの二重の「切断」の意識だったといってよい。一切の「過去」や「伝統」と断絶すること、そして「意味」や「内容」の支配から「外観」と「かたち」を解放することによって、アヴァンギャルド諸派は20世紀的なものの最初の表現者となったのである。──本書より
「戦後補償」を考える
「戦後補償」を考える
著:内田 雅敏
講談社現代新書
朝鮮人・中国人の強制連行・強制労働、従軍慰安婦、占領下の住民虐殺など、戦争が生みだした悲劇の責任と、今なお未解決の補償問題を幅広い視野から考察する。 「戦後補償」とは――戦後50年になろうとしてる今、アジアの各地から日本政府、あるいは日本の企業に対して戦後補償の請求がなされている。住民虐殺、「従軍慰安婦」、強制連行・強制労働、軍票の被害など、その請求の内容はさまざまである。これらの請求に特徴的なことは、それが国家から国家に対してなされているのではなく、被害者本人あるいはその遺族から、直接、日本政府あるいは日本の企業に対してなされていることである。――本書より