哲学の歴史

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哲学の歴史

テツガクノレキシテツガクハナニヲモンダイニシテキタカ

講談社現代新書

現代思想の鋭く根底的な問いは、西欧の厖大な知の集積から生まれた。私は何か? 他者というアポリア、言語と世界の迷路をどう切り拓くか? 哲学が2500年にわたって問い続けた主題を、現代哲学の開かれた地点から捉えかえす。

哲学的伝統の魔力――近代初頭において、人間の認識の視点への拘束性が発見されていたにもかかわらず、反面では人間は、神と同様に、世界を全体として認識できる脱世界化された視点をもつ主観として構想されてくる。近代の認識論はこの両面を背負っている。……今日こうした形而上学の伝説から脱却がはかられているといっても、ことはそう簡単に運ばないのである。というのは、さまざまな概念の装置に浸透している伝統の魔力、思想の論理を貫く「原型的理論(モデル)」の威力がわれわれの経験に深く沈んですべてを制約してくるからである。かつての啓蒙の哲学者たちも、徹底的に先入見の解体につとめた。現代の哲学者たちもまたそうした努力なしに思惟をすすめることはできない。――本書より


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目次

●哲学の原型1――古代ギリシャにおける学知の成立
●二元論の誕生
●哲学の原型2――ヘブライ・キリスト教における創造の理想
●一方向に流れる時間
●哲学の原型3――近代科学の成立と哲学の役割
●「もの」と「こころ」に橋をかける
●「なにゆえに存在するものがあるか」
●形而上学の破壊
●自己・世界・他者
●ことば・テクスト・解釈

書誌情報

紙版

発売日

1989年12月18日

ISBN

9784061489776

判型

新書

価格

定価:924円(本体840円)

通巻番号

977

ページ数

210ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介

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