キェルケゴールの日記 哲学と信仰のあいだ

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キェルケゴールの日記 哲学と信仰のあいだ

キェルケゴールノニッキテツガクトシンコウノアイダ

キェルケゴールは、実存主義の祖とされる19世紀の哲学者です。合理的な近代の理性だけではわりきれない、「実存」としての人間に注目した哲学者、というのが教科書的な解説です。
ただ、近年、彼の哲学は、それだけではおさまらない深さと広がりを持つことが注目され、再評価されつつあります。
彼は、キリスト教国家であるデンマークに生まれ、生涯、信仰と哲学について、考え続けました。
その思索がなまなましくつづられたのが、彼の日記です。
いま、『死に至る病』などの著作だけでなく、膨大な日記を読み解くことが、キェルケゴール哲学を理解するカギとされています。
本書は、日記の中でも、もっとも深く信仰や哲学について思索した部分を抜萃し、編纂してあります。
そのピークには、「1848年の宗教的転機」という、信仰をめぐる大きなドラマがあります。
人が信仰をするというのは、どういうことなのか。これは、いうまでもなく、21世紀の現在、人類全体に問われている喫緊の課題です。
いま、キェルケゴールの日記を読み、彼の思索をたどることは、われわれにとって、きわめて意義深い営為だと言えます。
本書は、ていねいな解説や注も附し、読みやすく、深い思索に読者を導きます。


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目次

序章 キェルケゴールの思索の地平へ
第一部 1848年の宗教的転機まで
 父ミカエルと原罪/大地震と放蕩息子の帰還/コルサール事件
第二部 1848年の宗教的転機
 宗教的転機の端緒/展開/『キリスト教の修練』/帰結
第三部 1848年の宗教的転機後
解説 新しいキェルケゴール理解へ

書誌情報

紙版

発売日

2016年04月15日

ISBN

9784062195195

判型

四六

価格

定価:2,090円(本体1,900円)

ページ数

290ページ

著者紹介

著: セーレン・キェルケゴール(セーレン・キェルケゴール)

1813-1855 デンマークの哲学者、キリスト教思想家。実存主義哲学の祖とされる。『あれかこれか』『不安の概念』『死に至る病』など、数々の著作を残した。19世紀を代表する哲学者の一人。

編・訳: 鈴木 祐丞(スズキ ユウスケ)

1978年生まれ。上智大学文学部哲学科卒。コペンハーゲン大学セーレン・キェルケゴール研究センター研究員(2008年~2011年)。筑波大学大学院人文社会科学研究科哲学・思想専攻修了。専攻は、哲学。現在、秋田県立大学総合科学研究センター助教。主な著書に、『キェルケゴールの信仰と哲学』(ミネルヴァ書房)がある。

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