カントの「悪」論

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電子あり

カントの「悪」論

カントノアクロン

講談社学術文庫

誰も守れないような道徳法則が、なぜ成り立つのか。カントが確立しようとした絶対的に普遍的な倫理学とは何か。その思考の道筋とは?


カント倫理学の中で「悪」はどのように扱われているのだろうか。
カント倫理学にはアディアフォラ(道徳的に善くも悪くもない領域)が開かれていない。その倫理学に一貫しているのは徹底した「誠実性の原理」である。人間における快や幸福追求の普遍性と、その中心に「自己愛」があることを認めながら、そうした「幸福の原理」を従わせ、理性が道徳的善さの条件として命ずる「誠実性」とは何か。
また、人間が悪へと向かう性癖と、根本悪、道徳的善さに至る前提としての「自由」とは?
絶対的に普遍的な倫理学を確立しようと努力を惜しまなかったカントが洞察した善と悪の深層構造を探る。


Ⓒyoshimichi nakajima

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目次

第一章 自然本性としての自己愛
第二章 道徳法則と「誠実性の原理」
第三章 自由による因果性
第四章 悪への自由・悪からの自由

書誌情報

紙版

発売日

2018年09月12日

ISBN

9784065131602

判型

A6

価格

定価:1,265円(本体1,150円)

通巻番号

2524

ページ数

304ページ

シリーズ

講談社学術文庫

電子版

発売日

2018年09月11日

JDCN

06A0000000000052254R

初出

本書の原本は、『悪への自由――カント倫理学の深層文法』として、2011年に勁草書房より刊行されました。

著者紹介

著: 中島 義道(ナカジマ ヨシミチ)

1946年生まれ。 東京大学法学部卒業。同大学院哲学専攻修士課程修了。ウィーン大学で哲学博士号取得。電気通信大学教授を経て、現在は「哲学塾カント」を主宰。専攻は時間論、自我論。 著書に『哲学の教科書』『「時間」を哲学する』『ウィーン愛憎』『「私」の秘密』『「純粋理性批判」を噛み砕く』『哲学塾授業』『差別感情の哲学』『不在の哲学』ほか多数。

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