西田幾多郎の哲学=絶対無の場所とは何か

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電子あり

西田幾多郎の哲学=絶対無の場所とは何か

ニシダキタロウノテツガクゼッタイムノバショトハナニカ

講談社選書メチエ

『善の研究』から「場所の哲学」へ――。西田の哲学遍歴は「場所の哲学」にいたって、ついに独創的な境地にいたったとされる。
『善の研究』の冒頭に出てくる「純粋経験」からはじまって、後期の「絶対無の場所」にいたる思考とは、どのようなものなのか。
近年とみに影響関係が指摘されるベルクソンとの関係、あるいは仏教の時間論と西田の時間論の共通点と相違。フッサールやレヴィナス、あるいは鈴木大拙、井筒俊彦にいたるまで、あるいは量子論との相関など、様々な角度から丁寧に参照しつつ、著者はするどい考察を繰り広げて、独自のスタイルで西田の本質に迫っていく。
それは西田自身の言葉をかりれば、さながら「悪戦苦闘のドッキュメント」の様相を呈しつつも、きわめて鮮明に、西田哲学の真のすがたが浮かび上がってくる。
「存在と無」(=あるとない)という、われわれがごく日常的に想定する対立の以前に、「場所」というものを考え、そこに人間の根本をみようとした近代日本哲学の巨峰を、これまでにない明解な叙述で味わい尽くす力作!


Noboru Nakamura

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目次

序 悲哀について
第一章 純粋経験
第二章 超越、大拙、趙州
第三章 ベルクソン、フッサール、レヴィナス
第四章 場所
第五章 仏教の時間と西田の時間
第六章 世界の論理と相補性
第七章 場所的論理

書誌情報

紙版

発売日

2019年12月12日

ISBN

9784065182789

判型

四六

価格

定価:2,365円(本体2,150円)

通巻番号

717

ページ数

368ページ

シリーズ

講談社選書メチエ

電子版

発売日

2019年12月11日

JDCN

06A0000000000167919L

著者紹介

著: 中村 昇(ナカムラ ノボル)

中村 昇(なかむら・のぼる) 1958年生まれ。1994年、中央大学大学院文学研究科哲学専攻博士課程満期退学。現在、中央大学教授。専攻は、哲学。 主な著書に、『いかにしてわたしは哲学にのめりこんだのか』(春秋社)、『小林秀雄とウィトゲンシュタイン』(春風社)、『ホワイトヘッドの哲学』(講談社選書メチエ)、『ウィトゲンシュタイン ネクタイをしない哲学者』(白水社)、『ベルクソン=時間と空間の哲学』(講談社選書メチエ)、『ウィトゲンシュタイン『哲学探究』入門』(教育評論社)、『落語―哲学』(亜紀書房)など多数。 最近の論文に、「贈与、そして「相関主義の強いモデル」(メイヤスー)としてのウィトゲンシュタイン」(「中央大学文学部紀要 哲学 第61号」)、「土方巽試論」(「中央大学人文研紀要 第92号」)など。

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