講談社選書メチエ作品一覧

満鉄全史 「国策会社」の全貌
講談社選書メチエ
国策という名の無策に翻弄され続けた40年。「陽に鉄道経営を装い、陰に百般の施設を実行する」満洲支配の尖兵。だが政・官・軍の対立と場当たり的政策に翻弄された「国策会社」は、必然的に破綻する運命にあった。創立100周年を機に、近代日本を体現する矛盾と迷走の全歴史をたどりなおす。(講談社選書メチエ)
国策という名の無策に翻弄され続けた40年
「陽に鉄道経営を装い、陰に百般の施設を実行する」満洲支配の尖兵。だが政・官・軍の対立と場当たり的政策に翻弄された「国策会社」は、必然的に破綻する運命にあった。創立100周年を機に、近代日本を体現する矛盾と迷走の全歴史をたどりなおす。
<本書の内容>
●満鉄とは何だったのか
●松岡洋右と国家改造
●日本の「満洲」・中国の「東北」
●満洲事変と満鉄の転換
●蜜月の終わり
●国策会社の凋落
●現代日本にとっての満鉄

連歌とは何か
講談社選書メチエ
中世人がもっとも愛した文芸の全貌
創作しつつ味わい、味わいつつ創作する、機知と友愛のアート。二条良基・一条兼良・宗祗ら天才の仕事を軸に、能・茶・花をしのぐほどの人気を誇りながら、近代とともに忘れられた文芸の全歴史をたどる。
[本書の内容]
はじめに
第一章 連歌の世界
1 「連歌」とは何か
2 短連歌の世界
3 長連歌の世界
4 連歌会の空間
第二章 連歌の式目
1 式目の世界
2 「水無瀬三吟百韻」を読む
第三章 連歌の歴史──起源から安土桃山時代まで
1 日本武尊から鎌倉時代まで
2 二条良基と本格的連歌の始まり──南北朝時代
3 連歌七賢──室町時代その一
4 天才宗祇とその弟子たち──室町時代その二
第四章 連歌その後
1 地方への広がり──中世から近世へ
2 安定と停滞──近世の連歌
3 明治以後のこと
註
おわりに
索引

イエズス会の世界戦略
講談社選書メチエ
宗教的情熱の下に隠された、宣教師たちのもう1つの顔
イエズス会はなぜ非ヨーロッパ世界の布教に成功したのか? 彼らが日本やインドなどで採用した適応主義政策とは? 布教活動のために貿易や不動産経営で生計をたて、信者と資産保護のため軍事活動も行った宣教師たち。「神の意志」実現のために世界を巡った「イエスの同志」の聖と俗に迫る。
【目次】
プロローグ
第一章 キリスト教とインド世界 イエズス会進出の前史
第二章 イエズス会 創立とその組織
第三章 地上の王と神の使者 俗と聖の饗宴
第四章 「情報」の収集・解析とイエズス会
第五章 「異文化」への処方箋
第六章 神の使者たちの「錬金術」
第七章 聖衣をまとった戦士たち
エピローグ
注
あとがき

階級社会 現代日本の格差を問う
講談社選書メチエ
格差大国日本。その衝撃的現実をレポート。今や日本は、世界的に見ても不平等度が高く、貧困者の多い国である。しかも階級格差は確実に拡大し続けている。客観的データに基づいて現代日本に警鐘を鳴らす。
一握りの富裕層が富を独占する一方で、職のない若者たちはアンダークラス化し、貧困層は増大し続ける。日本は今や階級格差の超大国であり、階級格差は今もなお拡大し続けている。衝撃的現実を客観的データに基づいてレポートし、現代日本に警鐘を鳴らす。
【目次】
はじめに
第一章 階級の死と再生
1 「階級」が死語だったころ
2 よみがえる「階級社会」
3 経済的格差の拡大
4 政治的な言葉としての「階級」と普通の言葉としての「階級」
5 階級とは何か
6 現代社会の階級構造
第二章 階級へのまなざし──近代都市東京と「階級」
1 社会史の中の「階級」
2 「みえる」存在としての階級
第三章 庶民とヒーローの階級闘争──『下町の太陽』と梶原一騎
1 戦後青春映画の中の階級
2 梶原一騎の階級意識
3 ヒーローたちの階級闘争
4 階級構造への適応と不可能な階級闘争
第四章 拡大する階級格差
1 格差拡大の意味
2 四つの階級のプロフィール
3 引き裂かれる被雇用者
4 搾取・疎外・階級闘争
第五章 アンダークラス化する若者たち
1 フリーターと都市下層
2 増加するフリーター・無業者層
3 フリーター・無業者層の階級的性格
4 アンダークラスとしてのフリーター・無業者層
第六章 女たちの階級選択
1 女性の階級所属を考える
2 配偶者選択と女性の格差
3 階級格差の中の主婦たち
4 ゆらぐ家族と貧困化する女性たち
第七章 「格差社会」のゆくえ
1 「格差社会」とは何か?
2 格差拡大と機会の不平等
3 「機会不平等」論の陥穽
4 教育学的誤謬
5 格差拡大はなぜいけないのか
6 「格差社会」を超えて
註
主要参考文献
あとがき
索引

項羽と劉邦の時代 秦漢帝国興亡史
講談社選書メチエ
鴻門の会、四面楚歌――
『史記』の虚実を読み解く
「秦を滅ぼすものは必ずや楚ならん」――。中国を最初に統一した秦帝国は、なぜ短期間で滅んだのか。なぜ農民出身の劉邦が項羽に勝利したのか。秦と楚、2つのシステムという観点から「鴻門(こうもん)の会」「四面楚歌」に代表される『史記』史観をとらえ直し、漢王朝成立までのドラマを描き出す。
【目次】
はじめに もう一つの項羽と劉邦
竹簡や木簡が語ること/秦と楚の社会システム
序 章 始皇帝と秦の統一
始皇帝陵と兵馬俑/秦国の興起/秦の富国強兵──商鞅の変法/法制と軍事編成/統一の理念/なぜ短期間で滅んだのか
第一章 南方の大国・楚
楚文化のイメージ/懐王の時代/長江流域の統合──鄂君啓節/楚の社会と習俗──包山楚簡/楚都の陥落/東方の楚国へ
第二章 秦帝国の地方社会
秦代の郡県制/地方行政と労役/沛県の官府と社会/劉邦と周辺の人びと/王族たちの怨み/東方社会の人びと/項梁と櫟陽の獄掾
第三章 陳渉・呉広の叛乱──楚国の復興
二世皇帝と扶蘇/辺境への徴発/秦の制度と戍卒/扶蘇と項燕を称す/陳王となる/楚国の復興をめざして/陳王の死
第四章 項羽と劉邦の蜂起──楚のもとで
秦と東方の異なる原理/始皇帝の巡行と江南社会/項梁・項羽の蜂起/楚の国家体制/沛県の蜂起/沛公の社会基盤/項梁の死/鉅鹿の戦い
第五章 秦帝国の滅亡──「鴻門の会」の謎
関中に王とする約束/項羽と章邯の会盟/沛公の行軍/覇上に駐屯する/鴻門の会/樊〓の自慢話/咸陽城の焼失
第六章 西楚覇王の体制──二つの社会システム
十八王の分封/漢中へ──分封への不満/関中の掌握/漢の社稷を立つ/義帝の死と諸侯/彭城の戦い
第七章 楚と漢の戦い──戦略と外交
戦いに敗れて/人質からみた楚国/韓信の戦略と兵法/斉をめざす韓信/生産と軍事補給/広武山の対面/外交の知恵を学ぶ/漢覇二王城での会見
第八章 項羽の敗北──第三の男、淮陰侯韓信
東方への進軍/垓下の戦い──四面楚歌/烏江での最期/項羽をめぐる伝え/楚王韓信の処遇/楚の体制の終わり/地域を再編する試み
終 章 漢王朝の成立──地域社会の統合
項羽と劉邦の評価/両陣営のブレーン/長安と地方社会/功臣から劉氏の封建/高祖の死と呂后/武帝と司馬遷/東アジアのなかで
あとがき
参考文献
戦国・秦漢時代の年表
人名索引

東京裁判への道(下)
講談社選書メチエ
残虐行為はなぜ裁かれなかったか?
尋問調書に残る、生々しい戦争責任の諸相。十五年戦争史の死角にまで迫る発言を残したのに次々と釈放される「訴追されなかった容疑者」。激化する冷戦に対応するために、恣意的に無視された証言や証拠は、大量にアメリカに残されていた。様々な新事実を開示することで、多角的に東京裁判の諸相を解明する「裁判開廷史」ついに完結!

近代日本の陽明学
講談社選書メチエ
近代日本が堕ちた「善意」の闇。善意が起こす「革命」はタチが悪い! 我々が創出した「近代」の問題の本質は、陽明学と水戸学の系譜が交差するとき明らかになる。陽明学の新たな解釈史にして、日本近代思想史の驚くべき読み直し。(講談社選書メチエ)
近代日本が堕ちた「善意」の闇
善意が起こす「革命」はタチが悪い! 我々が創出した「近代」の問題の本質は、陽明学と水戸学の系譜が交差するとき明らかになる。陽明学の新たな解釈史にして、日本近代思想史の驚くべき読み直し。

東京裁判への道(上)
講談社選書メチエ
「天皇不訴追」はなぜ実現したか?
「A級戦犯」28人はいかにして選ばれたのか?近衛文麿の死、木戸幸一の長大な弁明、陸軍の大物・田中隆吉の謎の変節。そして昭和天皇「不訴追」決定の真実――。膨大な尋問調書が語る、濃密な人間ドラマの開幕!

儒教と近代国家 「人倫」の日本、「道徳」の韓国
講談社選書メチエ
忠孝、人倫、理想道徳……
日韓それぞれの近代思想史!
同じく儒教を政治思想の基盤としながら、日本と韓国はなぜ、異なる近代化の道をたどったのだろうか。伊藤仁斎に代表される近世儒学の人倫論と、水戸学、明治憲法、教育勅語の関係とは。朱子学を柱とする韓国は、いかにして文明開化から戦後の朴正煕大統領の維新憲法にまで至ったか――。両国の近代と政治思想を問い直す画期的論考。
【目次】
はじめに
第一章 近代国家の基盤思想としての近世儒教
1 伊藤仁斎と人倫
2 性は気質である
3 韓国における普遍価値の追求
4 道徳理想主義への希求
第二章 西洋文明の登場とその受け入れ方
1 啓蒙思想としての文明開化論
2 西欧中心の文明開化──福沢諭吉
3 儒教中心の文明開化──兪吉濬
第三章 日本の近代国家への移行
1 国家理念の形成
2 万世一系の皇統
第四章 日本の近代国家の思想的組み立て
1 明治憲法
2 水戸学の「正名論」と「忠恕」
3 教育勅語と国民道徳
4 忠と孝、そして人倫
第五章 韓国の近代思想の諸相
1 近代意識の始まり
2 世界観の変化
3 朝鮮における近代意識の挫折
第六章 韓国の維新憲法と国民教育憲章
1 思想史からみた植民地時代
2 近代国家の樹立への構想
3 国民意識の高揚
4 近代国家への経験
おわりに
註
あとがき
索引

南の思想
講談社選書メチエ
世界の行きづまりを解きほぐす柔らかな思想
南イタリアから贈る哲学的エセー
遅さ、矛盾、自由。「南」には近代が忘れた富がある。力ではなく弱さを。所有の自閉のかわりにフロンティアの開放を。ブレーキの壊れた資本主義のかわりにゆったりとした「適度」を。「南=貧困」のステレオタイプを打ち破る、近代合理主義への「南」=地中海からの回答。

名匠と名品の陶芸史
講談社選書メチエ
荒川豊蔵から北大路魯山人まで
大作家たちの秘話で明かす「陶芸」の真実!
備前、萩、唐津、瀬戸、志野、織部…… 山中を踏破し、掘り出した古陶片から歴史の謎を解き、「やきもの」の伝統を復活させ、創意を盛り込み、それらを世界的な芸術へ昇華させた巨人たち13人。荒川豊蔵から北大路魯山人まで、波乱の群像劇を、豊富な秘話・逸話で綴る。
【目次】
序 現代陶芸の礎を築いた近代陶芸巨匠
第一章 荒川豊蔵(1894-1985)
第二章 三輪休和(十代 三輪休雪)(1895-1981)
第三章 石黒宗麿(1893-1968)
第四章 加藤唐九郎(1898-1985)
第五章 板谷波山(1872-1963)
第六章 富本憲吉(1886-1963)
第七章 金重陶陽(1896-1967)
第八章 河井寛次郎(1890-1966)
第九章 加藤土師萌(1900-1968)
第一〇章 濱田庄司(1894-1978)
第一一章 小山冨士夫(1900-1975)
第一二章 川喜田半泥子(1878-1963)
第一三章 北大路魯山人(1883-1959)
あとがき
参考文献
関連年表
索引

色で読む中世ヨーロッパ
講談社選書メチエ
色に込められたメッセージを読む
黄色に付随する負のイメージ。権力と護符の色としての赤。美しくも不気味な緑。15世紀に大流行する黒――。当時の人々は色にどのようなメッセージを込めたのか?色彩に満ちた時代はどのようにして始まり、そして終焉を迎えたのか?さまざまな色から中世ヨーロッパ人の感情生活を捉え直す。

日本海海戦とメディア 秋山真之神話批判
講談社選書メチエ
極秘海戦史でわかった語られざる真実
連合艦隊司令長官・東郷平八郎とその参謀・秋山真之。この軍神と天才によって敢行された丁字戦法によって、連合艦隊はロシアのバルチック艦隊を撃破――。日本海海戦の勝利は胸のすく快挙として昭和の軍国主義イデオロギーの核心を形成していく。その伝説の影響は今日にも及ぶといって過言ではない。これまで明らかにされることのなかった史実を、第一級史料『極秘明治三十七八年海戦史』を丹念に読み解き、浮き彫りにするとともに、神話を作りあげていったメディアの側をも批判的に検証する。
【目次】
はじめに
序章 日本海海戦イメージの変遷
「天気晴朗なれども波高し」は暗号か/日露戦争への道/史料について
第1章 「敵前大回頭」とは何か 21
一八〇度ターンは当然のこと/軍関係者は「大転舵」/「大回頭」の出自/無線通信のトラブル/円運動は遭遇予定地点のズレから始まった/艦隊編成について
第2章 軍神の誕生
緒戦の旅順口攻め/夜襲作戦の実際/山本五十六の批判/三度の閉塞作戦/秋山の「高ぶり」/副官電に登場した「軍神」/「成功」と報じたのは新聞/マカロフ提督戦死
第3章 ウラジオ艦隊、潰滅せず
戦艦「八島」沈没の隠蔽/輸送船被害キャンペーン/上村艦隊の苦渋/「報道の自由」時代か/体面をとりつくろう体質/八月十日、決まらなかった丁字戦法/八月十四日、ウルサン沖海戦
第4章 秋山作戦の迷走 109
「四月十二日」戦策/「四月二十一日」改訂追加戦策/「五月十七日」追加戦策/「五月二十一日」改訂戦策/藤井証言「艦隊戦策変更の真相」/藤井証言「奇
襲隊取止めの真相」/藤井証言「津軽海峡転位についての会議の真相」/島村速雄の遅参/東郷は気配り調整型
第5章 「開戦後三十分で勝利」したか
二時四十五分決着とした「戦闘詳報」/秋山が強調した「三十分」/第二戦隊「独断専行」のはじまり/第一戦隊と別れた第二戦隊/公刊戦史の奇妙な記述/検証されなかった「独断専行」/ロシア側が評価する上村の行動/「主将は口喧しき号令者にあらず」/ロシア戦史のロジェストウェンスキー評価
第6章 メデイアはどう報じたか 185
丁字戦法と明治三十七年「一月九日戦策」/海軍PR文と七段構え/事実を秋山の「論」に押し込む作為/PR文は特ダネか/丁字戦法成立の経緯/抜擢された
秋山の才/丁字戦法の明治三十七年、同航戦の三十八年/島村速雄の気質と秋山真之の傷
終章 その日とそれ以後
あとがき
資料 1 戦闘詳報 2 海軍PR文 3 連合艦隊解散之辞
索引

人物を読む 日本中世史
講談社選書メチエ
源頼朝は善人だった?
足利尊氏が天皇家を再興させた?
武士が興隆し「統治」が生まれた中世に、大きな足跡を残した8人の真実とは。明快な視座のもと、続々と明かされる仰天の新事実、そして立ちのぼる“王権”のダイナミックな姿――。人物史から読み替える、分かり易く新しい中世史!

起請文の精神史
講談社選書メチエ
小さな紙片に蔵された、広大なる精神宇宙
なぜ天照大神に誓いを立ててはならないのか。神と仏はどちらが上位か。本地垂迹の本質とは何か。中世日本の巨大なコスモロジーは、一片の起請文の中にある。神仏習合から新仏教まで、中世人の豊饒なる精神世界の全貌に迫る。
【目次】
序 章 方法としての起請文
第一章 起請文を読む
1 神文への着目
2 神仏の序列
3 日本の仏
4 弥陀と閻魔
5 死霊の系譜
第二章 神と死霊のあいだ
1 古代の神観念
2 〈命ずる神〉と〈応える神〉
3 御霊とモノノケ
4 〈応える神〉としての疫神
第三章 垂迹する仏たち
1 あの世の仏とこの世の神仏
2 中世人にとっての本地垂迹
3 浄土信仰と垂迹の役割
4 生身仏の時代
第四章 神を拒否する人々
1 コスモロジー論の検証
2 神を拒否する人々
3 神祇不拝の根拠
4 なぜ垂迹を排除するのか
5 法然の決断
終 章 パラダイムに挑む
引用参照文献一覧
あとがき
索引

東大駒場連続講義 歴史をどう書くか
講談社選書メチエ
歴史研究の最前線がわかる!
東京大学比較日本文化論テーマ講義
●日常生活をとおして見る歴史の再構成――衣服を中心に 義江彰夫
●天皇の即位儀礼――孝明・明治・大正三天皇の比較 三谷 博
●ヨーロッパ史における「王権」の表象――教皇の即位儀礼 甚野尚志
●モノで語る歴史――考古学と博物館 折茂克哉
●古代国家と稲――1200年前の品種札の発見から 平川南
●≪オランピア≫の変貌――美術史学と歴史記述 三浦 篤
●写真史が生まれる瞬間(とき)――ウジェーヌ・アジェと仏・米現代写真の言説 今橋映子
●植民地期インドにおける歴史記述――パールシーの書く「自分たち」の歴史 井坂理穂
●文学は歴史をどう書くか――日系アメリカ文学の場合 瀧田佳子
●歴史の多声性――歴史観の人類学的考察 伊藤亜人

マンダラという世界 ブッディスト・セオロジー(2)
講談社選書メチエ
聖書、インド思想、近代哲学、そして仏教
明快に語りおろす「世界」の本質
いま、社会の急激な変化に対して、仏教のうたう「普遍的な悟り」は有効なのか? 死すべき自分が「他者」の存在を理解できるのか? 各宗教の「世界」把握の方法論をたどり、現代日本に求められる世界観の体系を解明する。
【目次】
はじめに
第一章 世界に対する態度
第二章 自己空間と他者
第三章 世界の中にあること
第四章 縁起と世界
第五章 自然と神
第六章 行為と存在の弁証法
第七章 『旧約聖書』における世界
第八章 『新約聖書』における世界
第九章 インド思想における世界
第一〇章 仏教の世界観
第一一章 世界としてのマンダラ
索引

聖なるもの 俗なるもの ブッディスト・セオロジー(1)
講談社選書メチエ
諸宗教の多元的共存は可能か?
「仏教の神学」に挑む連続講義、開幕!
宗教という営みは何を目標としているのか? キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、そして仏教。異なる世界を出発点としながらも、その上に伝達可能で整合的な知の体系を構築することは、神学的方法論によって可能になる。「聖なるもの」を問う、仏教学第一人者の野心的な講義がはじまる!

信長とは何か
講談社選書メチエ
天下統一は必要だったか?
「武」の人信長。「力」のみを信じ、戦国大名でただ1人、天下統一をめざした男。だが、「力」に拠るものがいずれ「力」に倒れるのは必然であった。天下統一は必要だったのか? その日本史上の意義とは何か? 「信長」を根本から問い直す画期的論考。
【目次】
はじめに
第一章 「大うつけ」 若き日の信長
第二章 桶狭間
第三章 天下布武
第四章 岐阜城の信長
第五章 岐阜城下と楽市令
第六章 上洛
第七章 信長の敵 戦国時代とは何か
第八章 合戦と講和
第九章 公家になった信長
第一〇章 安土城下町(1) 城と家臣
第一一章 安土城下町(2) 町と楽市令
第一二章 本能寺の変 信長を殺したもの
あとがき
年表
参考文献
索引

会社のカミ・ホトケ 経営と宗教の人類学
講談社選書メチエ
入社式、社葬に隠された意味とは?
日本的経営の秘密をさぐる
ビルの屋上に祠をかまえ、物故社員慰霊の法要を営む。日本の会社=社縁共同体はなぜ神仏をまつるのか? 入社式や社葬の知られざる意味とは? 経営人類学の観点から日本的経営の本質を解き明かす1冊。
【目次】
プロローグ 経営人類学と会社
第1章 会社宗教とは何か
1 会社宗教のルーツ
2 カミとホトケの不均等二分
3 平等原理と不平等原理
4 カミとホトケの五行説
第2章 会社神社と社縁共同体
1 会社神をまつる神社
2 神々の合戦を制しヱビスビール
3 恵比寿の再開発と恵比寿神社
4 会社はなぜ神をまつるのか
第3章 会社墓と日本的経営
1 高野山と比叡山
2 供養塔建立の歴史
3 供養塔建立史を読む
4 追悼儀礼
5 会社はなぜ物故者を供養するのか
第4章 会社への加入儀礼=入社式
1 同期の桜
2 ソニーの入社式
3 ダスキンの入社式
4 入社時研究とイニシエーション
第5章 会社の不滅と再生の儀式=社葬
1 創業者の社葬
2 松下電器とソニー
3 ドーム社葬
4 社葬の意義
第6章 会社の神聖化装置=企業博物館
1 会社の神殿としての企業博物館
2 展示にみるカミとホトケの相克
3 スーパーと教会建築
第7章 経営者と宗教
1 経営者はなぜ宗教にひかれるのか
2 松下幸之助の経営宗教
3 船井幸雄の経営宗教
4 創世神話や終末論をこえて
エピローグ 宗教からみた経営
注
あとがき
索引