仏教思想の求道的研究

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仏教思想の求道的研究

ブッキョウシソウノグドウテキケンキュウ

創文社オンデマンド叢書

「仏教思想を単に過去に過ぎ去った昔の思想として対象的にとらえ、その文献的な考証とか歴史的な変遷とかを研究するものではなく、そのような客観的資料基盤を踏まえつつ、仏教思想の中から現在の我々自身の究極の拠り所(道)ともなり得る活きた宗教的真実を見出そうとするものである。およそ宗教とか道徳とか或いは哲学とかいうような、人間存在の根本にかかわる問題に関しては、その純客観的学術的な研究が今後ますます発達することはもちろん結構なことだが、しかし同時に主体的求道的な研究も学問として公然と本格的に推進されることが、今日のような思想的混迷の時代においては是非必要であると思う。・・・
そして仏教思想の求道的研究を通して、この「求道学」という立場を打ち出すことが本書発刊の素志のひとつでもある。・・・
著者が、はなはだ荒削りながら、ともかくも仏教思想の中から見出した最も根本的な宗教的真実は、般若の開顕ないし善の見性における実践的契機としての「透脱」の原理にほかならぬ。」
(「序」より)

【目次】

凡例
緒論 現代における宗教 
一 宗教の領域
二 現代における人間の主体性喪失と宗教

第一部 般若空観の展開
三 仏教における「空」思想の検討(般若経・竜樹を中心として)
四 無我と主体性
五 中論における一疑問
六 般若経における否定辞の二様の意味
七 般若経における「如幻」の意味について
八 般若経における「方便」の意味について
九 空観と大悲
十 仏教を虚無思想とする批判の一考察(とくに儒教からの批判を中心として)

第二部 禅の実践と華厳の世界観 
十一 在家仏教論(現代における大悲の実践)
十二 禅体験の一考察
十三 身体論と坐禅
十四 現代世界と仏教(華厳を中心として)
結語 求道学の理念


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目次


凡例
緒論 現代における宗教 
一 宗教の領域
二 現代における人間の主体性喪失と宗教
一、機械文明のもとにおける人間の主体性喪失
二、現代における主体性回復への試み
(イ) 主体性喪失に対する一般大衆の反応
(ロ) 学問思想の立場からの主体性回復の試み
大衆社会論
人間工学
マルキシズム(社会主義)
ニヒリズム(実存哲学)
三、主体性回復と宗教
般若 無住の主体
華厳 無礙の世界における主伴具足
禅 無位の真人の活作用
第一部 般若空観の展開
三 仏教における「空」思想の検討(般若経・竜樹を中心として)
一、縁起空観
二、縁起空観への疑問
論理的疑問
経験的疑問
三、真空観
主体的自己省察
空亦復空
三昧→般若
三昧即般若の意味
有の真実相(世界の本来の在り方)
真空妙有
大悲の実践
四、二つの空観の関係
四 無我と主体性
五 中論における一疑問
六 般若経における否定辞の二様の意味
七 般若経における「如幻」の意味について
一、「如幻」の意味の客観的文献的考察
二、「如幻」の意味の主体的実践的考察
八 般若経における「方便」の意味について
一、その本源的根本的意味
二、その派生的発展的意味
九 空観と大悲
十 仏教を虚無思想とする批判の一考察(とくに儒教からの批判を中心として)
第二部 禅の実践と華厳の世界観 
十一 在家仏教論(現代における大悲の実践)
一、真空から妙有へ
二、妙有建立の二方面(宗教的建立と現実的建立)
三、現実的建立の二方面(大衆的立場と指導者的立場)
(イ) 指導者的立場
如実に見る態度
不偏不党の態度
自主的批判的態度
開放的包容的態度
求道的綜合的態度
(ロ) 大衆的立場
四、大衆的在家仏教の諸問題
十二 禅体験の一考察
一、禅の出発点
二、見性体験の心理的省察
三、見性体験の論理的考察
透脱の原理と自同律
透脱の原理と弁証法
四、禅の大用とその限界
透脱の原理の展開
禅と現実の世界
十三 身体論と坐禅
一、身体論
二、身体と坐禅
十四 現代世界と仏教(華厳を中心として)
一、現代の世界情勢と新指導原理の要請
二、華厳の四法界観について
三、華厳思想の根底
四、華厳思想と現代世界
結語 求道学の理念 
一、求道の立場と学問の立場
二、求道学の意味
三、求道学の構造
四、求道学の開拓

書誌情報

電子版

発売日

2025年03月10日

JDCN

06A0000000000397408L

著者紹介

著: 増田 英男(マスダ ヒデオ)

宗教学者。仏教、老荘思想の研究など。

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