中世の人間観と歴史 フランシスコ・ヨアキム・ボナヴェントゥラ

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中世の人間観と歴史 フランシスコ・ヨアキム・ボナヴェントゥラ

チュウセイノニンゲンカントレキシ フランシスコ・ヨアキム・ボナヴェントゥラ

創文社オンデマンド叢書

人間の尊厳、歴史の進歩の肯定―ルネサンス思想の基盤をなすこの二つの近代的精神は、中世キリスト教世界の中で徐々に形成された。本書は十二・十三世紀の三人の宗教思想家、フランシスコ・ヨアキム・ボナヴェントゥラに焦点を当て、彼らの思想がフランシスコ会の設立、発展を通じて如何に融合し、近代的精神の宗教的母型を作り出したかを探る、著者四十年の研究の集大成。

【目次より】
まえがき
序論
I 中世における人間観の発展
II 中世における歴史観の発展
第一章 フランシスコ会の創立をめぐって
第二章 アシジのフランシスコと宗教運動
第三章 アシジのフランシスコとカタリ派
第四章 フランシスコ会の教団組織について
第五章 フランシスコ会における党派対立の原因について
第六章 ボナヴェントゥラとアリストテレス哲学の関係
第一節 若き日のボナヴェントゥラとアリストテレス哲学の関係
第二節 晩年のボナヴェントゥラとアリストテレス哲学の関係
第七章 ボナヴェントゥラのフランシスコ伝について
第八章 ヨアキムの歴史神学とスコラ学者
第九章 ボナヴェントゥラの歴史神学とフィオレのヨアキム
第十章 ボナヴェントゥラの歴史神学におけるキリストの位置
あとがき
初出一覧
註(略語一覧)
文献表


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目次

まえがき
序論
I 中世における人間観の発展
II 中世における歴史観の発展
第一章 フランシスコ会の創立をめぐって
一 都市化社会と民衆宗教運動
二 フランシスコの生い立ちと回心
三 貧しきキリストヘの随順
四 初期の弟子たちの社会的出自
五 ローマ教皇庁への出頭
六 人間キリストの模範
七 宗教的脱社会運動と教会内志向の矛盾
八 党派対立と会の分裂
第二章 アシジのフランシスコと宗教運動
一 民衆宗教運動と個人主義・主観主義
二 オルドーとカリスマ
三 教会に対する従順
四 キリストの人間性に対する愛と教会
五 ベネディクトとフランシスコの敬虔対比
第三章 アシジのフランシスコとカタリ派
一 カタリ派の物心二元論
二 カタリ派に対するフランシスコの認識
三 フランシスコの形而上学的なカタリ派との対決
四 フランシスコにおけるカタリ派の仮現説否定
五 フランシスコにおけるカタリ派の生活態度否定
第四章 フランシスコ会の教団組織について
一 会則の問題
二 総会長・管区長・属管区長・修道院長
三 兄弟愛と互助による霊的団体
第五章 フランシスコ会における党派対立の原因について
一 党派対立発生の時期
二 托鉢修道会論争による清貧概念の明確化
三 ヨアキム主義の流入と清貧論争
第六章 ボナヴェントゥラとアリストテレス哲学の関係
第一節 若き日のボナヴェントゥラとアリストテレス哲学の関係
一 学説史的展望
二 ボナヴェントゥラの修学時代とアリストテレス哲学の進展
三 アリストテレスの誤謬に対するボナヴェントゥラの態度
四 ボナヴェントゥラにおける理性と信仰
五 アリストテレス哲学の受容とボナヴェントゥラの精神
第二節 晩年のボナヴェントゥラとアリストテレス哲学の関係
一 『十戒講話』におけるアヴェロエス主義批判
二 ヨアキム主義の影響とアリストテレス批判
三 『聖霊の賜物講話』におけるアリストテレス批判
四 『天地創造講話』におけるアリストテレス批判
第七章 ボナヴェントゥラのフランシスコ伝について
一 『聖フランシスコ大伝記』と口頭伝承
二 托鉢修道会論争と『聖フランシスコ大伝記』の関係
三 ヨアキム主義の影響と『聖フランシスコ大伝記』
第八章 ヨアキムの歴史神学とスコラ学者
一 ヨアキムの生涯と業績
二 ヨアキムの三位一体論と歴史神学
三 ヨアキムの歴史神学に対するトマスとボナヴェントゥラの態度
第九章 ボナヴェントゥラの歴史神学とフィオレのヨアキム
一 アウグスティヌスとョアキムの歴史神学
二 『天地創造講話』におけるヨアキム主義
三 終末論をめぐるボナヴェントゥラとョアキムの相違
第十章 ボナヴェントゥラの歴史神学におけるキリストの位置
一 『天地創造講話』の二つの刊本
二 アウグスティヌスの歴史神学の体系内におけるヨアキム主義
三 歴史の中心に位置するキリスト
あとがき
初出一覧
註(略語一覧)
文献表

書誌情報

電子版

発売日

2022年02月25日

JDCN

06A0000000000397086E

著者紹介

著: 坂口 昂吉(サカグチ コウキチ)

1931~ 2021年。西洋史学者。慶應義塾大学名誉教授。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院博士課程単位取得退学。博士(史学)。 著書に、『中世キリスト教文化紀行 ヨーロッパ文化の源流をもとめて』『中世の人間観と歴史 フランシスコ・ヨアキム・ボナヴェントゥラ』『聖ベネディクトゥス 危機に立つ教師』など、 訳書に、K.ブールダッハ『宗教改革・ルネサンス・人文主義』『アウグスティヌス著作集 第8巻 ドナティスト駁論集』(共訳)M.パコー『テオクラシー 中世の教会と権力』(共訳)ヴェルナー・デットロッフ『中世ヨーロッパ神学』などがある。

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