講談社選書メチエ作品一覧

対称性人類学 カイエ・ソバージュ(5)
講談社選書メチエ
カイエ・ソバージュここに完結 第5巻
新たな知の営みへ!
神話、国家、経済、宗教、そして対称性人類学へ。「圧倒的な非対称」が支配する世界の根源を問う冒険、ここに堂々完結。抑圧された無意識の「自然」は甦るのか?「対称性の論理」が切り開く新たな世界とは?野生の思考としての仏教を媒介に、来たるべき形而上学革命への展望を示す。

江戸の情報力 ウェブ化と知の流通
講談社選書メチエ
手法の革新と知の蓄積
タテ=上意下達の伝達経路にとどまらず、ヨコ=私人同士のネットワークとウェブ化が花開いた時代。情報量の増大のみならず、手法の革新が新しい知のストックを築く。日本人の情報=知の感覚を育んだ江戸の底力を検証。
【目次】
はじめに
第一章 「公」の情報ネットワーク 情報の創出と管理
1 「公的情報」の環境整備
2 「上意下達」と「横並び感覚」
3 「鎖国」による海外情報の占有
第二章 「私」の情報ネットワーク 「公的情報」を補う
1 武士たちのパーソナル・ネットワーク 広がる水平的回路
2 特定領域での情報網 蘭学から国学まで
3 新興勢力の情報網 町人たちのネットワーク
第三章 情報のウエッブ化 新しい情報発信と全国展開
1 不特定多数への情報発信
2 ニーズへの対応 速報性と宣伝力
3 各地での生活情報発信
4 ゆとり情報の創出 モバイルの時代へ
第四章 日本的情報伝達の手法 ウエッブ展開を促したもの
1 「パッケージ」としての歌舞伎
2 感性情報の魅力
3 「語り」コミュニケーション
4 浮世絵の精神
第五章 「知」のインフラを創る 情報のストックと組織力
1 巧みな組織力
2 多様な「スタンダード・モデル」の創出
3 情報のストックと「公」「私」の役割
4 「公」「私」のパワー・バランス
むすびにかえて
参考文献・史料

長城の中国史 中華vs.遊牧六千キロの攻防
講談社選書メチエ
<中華>VS.<遊牧> 2000年の攻防
山を削り谷を埋め、2000年の歳月をかけて築かれた中華世界の防波堤=長城。それは、澎湃と興起する遊牧民対策への最終回答たり得たか。秦の始皇帝から明代まで、長城を巡り展開する壮大な中国史。
【目次】
プロローグ 長城はなぜ作られたか
第1部 秦の始皇帝と長城
第2部 歴代の長城
第3部 明の長城――点から線へ
第4部 明の長城――充実と終焉
エピローグ 長城とは何だったのか

英語にも主語はなかった
講談社選書メチエ
主語の謎――英語は? 日本語は?
日本語に「主語」はない。それどころか、英語における「主語」の概念すら、実は歴史上遅れて発生した特殊なものなのだ。「主語」は普遍性を持たない文法概念なのである!1000年の言語史を遡行して、「天」の言語と「地」の言語を解き明かす、壮大な比較文法論。

中高年健康常識を疑う
講談社選書メチエ
粗食のほうが長生き? 家族との同居が幸せ? すべて高齢者を疎外する誤情報である!8割以上の高齢者が自立し、社会貢献している事実。旧来の保健・社会・栄養常識を塗り替える「老年学」の成果とは。天寿をまっとうし、豊かな死を迎えるために何をすべきか。中高年への福音書。
【目次】
はじめに
序 章 高齢者が社会を支える
第一章 老人の健康常識の嘘
1 食生活と栄養
2 やせ信仰の軌跡
3 血中コレステロールへの錯誤の軌跡
第二章 孤独死する老人は英雄だ
1 高齢者差別(エイジズム)
2 直角型の老化と高齢者の能力
3 高齢者の能力の実態
4 孤独死する老人は英雄である
第三章 世代間信頼と相互扶助
1 孝養意識の国際比較
2 戦後のわが国の世代間問題
3 世代間の社会・経済的関係
4 高齢者の若者世代へのサポート
5 高齢者の相互扶助
6 適切なサポート、不適切なサポート
7 情は他人のためならず
第四章 天寿をまっとうするには
1 すべての人が不幸死するストーリー
2 沖縄と百歳長寿者にみた救い
3 終末期は長いか短いか
4 最終臥床期間
5 死生観をめぐる問題
終 章 豊かな死にむけて
引用参考文献
あとがき
索引

文明史のなかの明治憲法
講談社選書メチエ
<国家のかたち>はこうして描かれた
「噫憲法よ汝已に生まれたり」国の内外で識者から迎え入れられた明治憲法。ウエスタンインパクトとナショナリズムの19世紀、木戸、大久保、伊藤、山県らが西洋体験をもとに描いた<この国のかたち>とは? 日本型立憲国家が誕生するまでのドラマを描く。

阿弥陀聖 空也 念仏を始めた平安僧
講談社選書メチエ
一たびも南無阿弥陀仏という人の蓮のうえにのぼらぬはなし
いかなる凡夫愚人も、ただ「南無阿弥陀仏」と唱えるだけで極楽往生で生きる……法然の浄土宗より200年の昔、ただひとり市中に遊行し、「一念往生」の思想を実践した空也。「捨ててこそ」の一念に貫かれた思想と行動、その本質とは。浄土教の歴史を塗り変える、本格的「空也」伝。
【目次】
まえがき
一、念仏の祖師の開いた安心の道
1 空也の実像を求めて
2 阿弥陀聖の登場
3 あたたかい思想
4 捨てて生きる
二、謎の出生と遍歴修行
1 空也の名をどう読むか
2 謎の出生と生育
3 少壮の日の遍歴
4 剃髪出家の謎
5 一切経を読む
6 孤島・湯島観音の祈り
7 奥羽巡錫の謎
8 山中修行
三、阿弥陀聖の念仏唱導
1 市聖
2 卒塔婆の歌
3 神泉苑の病女
4 南都興福寺
5 一同の念仏
四、東山道場の仏事
1 比叡山の大乗戒
2 十一面観音像を祀る
3 金字大般若教書写供養
4 西光寺の草創
5 慈悲行
6 閻魔への書状
五、入滅とその後
1 入滅往生
2 金鼓と錫杖
3 六波羅蜜寺と空也の墓の謎
六、心に所縁なし 空也念仏の風光とその思想
1 発心求道
2 市中はこれ道場
3? 捨ててこそ
4 空と慈悲の念仏
5 結び
略年譜
資料『空也上人の為に金字大般若経を供養する願文』(原漢文の訓み下しと略註)
あとがき
索引

安倍晴明の一千年 「晴明現象」を読む
講談社選書メチエ
老人? 狐の子? 美貌の貴公子?
1000年にわたる変貌の軌跡
わずかな史実から、いかにしてスーパーヒーローは生まれたか。
『今昔物語集』の説話から説経節の「狐の子伝説」まで、また歌舞伎から現代の伝奇小説・マンガの美貌の貴公子まで、刻々と変貌する「晴明現象」に託された人々の心性を探る。
【目次】
少し長いプロローグ 「せーめーさん」詣
第1章 それは『帝都物語』から始まった
第2章 院政期における「晴明現象」
第3章 近世初期の晴明――狐の母の物語
第4章 平安京は「四神相応の地」か
第5章 時代のなかの晴明
第6章 晴明の「敵役」たち
第7章 近代・現代文学における晴明イメージの変転
エピローグ
あとがき
参考文献
索引

皇后の近代
講談社選書メチエ
近代化への激動の中、皇后の果たした役割とは? 皇后美子(はるこ)・節子(さだこ)・良子(ながこ)、明治から三代の物語。聡明で学究肌、維新後の宮中改革に積極的だった美子皇后、病弱な大正天皇を補佐し、神ながらの道に邁進した節子皇后、春日のごとき良子皇后、それぞれの足跡を追う。
【目次】
はじめに
第一章 近代皇后の誕生
1 金剛石もみかすは
2 一条美子の入内
3 宮中改革
第二章 皇后の仕事
1 内廷夜話と金曜陪食
2 皇后、国民の前に姿を見せる
3 皇太子嘉仁の誕生
第三章 宮中と西欧化の進展
1 天皇と皇后の女性観
2 皇室外交のかなめとして
3 洋装化する皇后
4 憲法発布と大婚二十五周年
第四章 世代交代のきざし
1 名宮嘉仁妃の選定と東宮結婚
2 美子皇后伝説
3 「婦人の社会的進出」
第五章 寄り添う皇后 節子皇后
1 明治の先代とは異なる二人
2 天皇の病状発表へ 「健康」という価値
3 慈善恩賞の府としての天皇制
4 母子対立
第六章 神ながらの道に邁進する節子皇后
1 筧克彦の進講
2 『神ながらの道』の世界
3 宮中とキリスト教
4 プロパガンダとしての「救癩」事業
第七章 イデオロギーとしての母性
1 天皇裕仁と良子皇后
2 動員される皇后たち
3 総動員体制
4 「人間宣言」後
あとがき
註
主要人名索引

知の教科書 批評理論
講談社選書メチエ
楽しい「知」の世界へようこそ――
批評理論を知れば<読むこと>がこんなにも面白くなる
具体的なテクストから予期しない、おもしろい解釈が生まれる――。
読者反応論からニュー・ヒストリシズムまで、<読む>という行為を追究した批評理論の各々の魅力を、実践を通してわかりやすく紹介。文科系学生必携の一冊。

倭国の謎
講談社選書メチエ
中国史書に現われる「倭王」とは何か。奴国王はじめ、紀元前の統治者はいつ邪馬台国にとって替わられ、さらにはいつ皇室に敗れたのか。皇室の「神話」から排除された神々が語る「倭国」の真実。
【目次】
はじめに
第一章 倭国はどうして樹立されたか
1 倭国の出現とその意味
2 最古の氏族=アヅミ氏の国造り
第二章 神々と邪馬台国
1 弥生の大国・出雲
2 出雲古族の国々
3 大己貴が大物主となったわけ
4 三輪山・大物主は邪馬台国の山・神
5 “生ける治癒神” 卑弥呼の秘密
6 治癒神からタタリ神へ
第三章 初期九天皇は実在か架空か
1 九天皇非実在論を検討する
2 初期九天皇は全員実在した
3 初期皇室と「日向」
第四章 皇室の真正系図と記紀神話
1 皇室の系図を書き直す
2 原初の皇室の姿
第五章 邪馬台国から皇室へ
1 『古事記』の崩年干支
2 皇室の東遷・物部氏の東遷
3 尾張氏の東遷・天若日子族の滅亡
4 二回あった出雲の国譲り
5 邪馬台国時代の皇室
6 天日槍の渡来と服属
7 二人の「ハツクニシラス天皇」とは
第六章 倭王神功皇后と“倭の七王”
1 神功の朝鮮政策と七支刀
2 『高句麗広開土王碑文』の解説
3 稲荷山鉄剣銘文はどう読むか
4 “倭の七王”論
あとがき
注
索引

謎の哲学者 ピュタゴラス
講談社選書メチエ
奇行の人が発見し、教団が伝えたものとは?
三平方定理の発見者とされるピュタゴラス。数々の奇行が伝えられる哲学者は、イタリア半島南端に秘密の教団を主宰し、「数は万物の原理である」ことを看破した。プラトン・アリストテレスに刺激を与え、哲学の地下水脈となった謎の思考に迫る。
【目次】
第一章 ギリシャでいちばんユニークだった哲学者
1 古代ギリシャの哲学者群
2 エンペドクレスの活躍
3 エンペドクレスが手本としたピュタゴラス
第二章 同時代人の見たピュタゴラス
1 ピュタゴラスと「ピュタゴラスの定理」
2 同時代人の証言
3 証言から見えてくるピュタゴラス像
第三章 ピュタゴラスをソクラテスに語らせるプラトン
1 プラトンの描くソクラテスの変節
2 ピュタゴラス的言葉を使って語るソクラテス
3 親代わりのソクラテス
第四章 アリストテレスが伝えた奇行と奇妙な戒律
1 アリストテレスとピュタゴラス
2 プラトン説に反論するアリストテレス
3 アリストテレスのピュタゴラス理解
第五章 思考の地下水脈となったピュタゴラス
1 プラトンからプロティノスへ
2 プロティノスの魂論
3 ネオ・プラトン派とピュタゴラス
ピュタゴラス関連史
註
参考文献
索引

知の教科書 ニーチェ
講談社選書メチエ
哲学史の十字路に佇む孤独な怪獣
誤解され続けてきた哲学者ニーチェ。
病気に苦しむ哲学者の健康法とは、発狂後に描かれたただ1枚のスケッチが告げるものとは、思想誕生の秘密とは――。喜劇的で少し哀しい生涯を辿りながら、そのラディカルな思想の全貌を明らかにする。
〈本書の内容〉
●プロローグ――新しき海へ
●ニーチェの生涯と思想
●ニーチェのキーワード――教養俗物/ニヒリズム/ディオニュソス的なもの
●三次元で読むニーチェ――ニーチェ百景/アリアドネと2つの三角形/敵たちよ、敵などいないのだ
●著作解題――『人間的な、あまりに人間的な』/七つの序文/『道徳の系譜学』
●エピローグ――新しき海から
●知の道具箱――ブックガイド/ニーチェの軌跡

賢治を探せ
講談社選書メチエ
賢治の<すごさ>はどこにあるのか?
<文学者>賢治の真価を問う「仁義ある宮澤賢治論」
日本文学史上最もラディカルな作家=宮沢賢治。賢治が終生追い求めた「まことのことば」とは何だったのか。初期短歌から「銀河鉄道の夜」まで主要作品を精読し、文学の根源へと肉迫する賢治をスリリングに描く!
【目次】
序章 宮沢賢治とは誰か 「仁義ある」賢治論のために
1 仁義なき賢治論
2 文学者賢治
第一章 表現のはじまり 短歌から『春と修羅』へ
1 表現のアポリア 初期短歌
2 「わるひのき」から修羅へ
3 言葉を奪われた者 修羅誕生
第二章 まことのことばを求めて
1 ことばとウソ 「鹿踊りのはじまり」
2 なぜウソは生まれるのか
3 言葉がはじまるとき 「なめとこ山の熊」
第三章 貨幣と言葉
1 狐けんと貨幣
2 出版資本主義下の文学 賢治の生きた時代
3 物々交換と貨幣による交換
第四章 三人称
1 差異と反復 「竜と詩人」
2 介入する第三者
3 差異はなぜ生まれるのか
4 転機=「青森挽歌」
第五章 銀河鉄道の彼方へ
1 ユートピアとしての銀河鉄道
2 とまどうジョバンニ
3 働くジョバンニ
4 ジョバンニとは誰か
終章 「作家賢治」の旅立ち
註
参考文献
初出一覧
あとがき
索引

マキアヴェリ、イタリアを憂う
講談社選書メチエ
マキアヴェリの洞察力が見抜く人と国の姿。分裂状態のイタリア半島にいかに安定と統一をもたらすか。チェーザレ・ボルジア、ダ・ヴィンチなど同時代人との交流の中で磨かれた人間と社会に関する冷厳かつ普遍的な哲学。
【目次】
はじめに
第一章 西欧戦国時代のイタリア
1 マキアヴェリの時代のヨーロッパ
2 アルプス以北と異なる様相のイタリア半島
3 ルネサンスの人文主義
4 フィレンツェ共和国の状況
第二章 謎の青年時代から政治の表舞台へ
1 貴族出身、フィレンツェ書記官となる
2 政治の渦中を生き、人間を観る目を磨く
3 死後の評価
第三章 チェーザレ・ボルジアに君主の理想を見る
1 運命と力量
2 フィレンツェとイタリアと国際情勢の分析
3 マキアヴェリの思考回路
4 個人主義と自然主義
第四章 『君主論』は政治学の書ではない
1 国家をどう捉えるか
2 人間観察の妙
3 政体の吟味
4 同時代人文学者とマキアヴェリ
5 カンパネッラとヴィーコ
第五章 執筆と好色の日々
1 若者たちとの集い
2 詩人として作家として
3 最晩年
おわりに
主要参考文献

熱帯雨林を観る
講談社選書メチエ
樹高70メートルの頂ですべての木々が一斉に花開くとき、森は数年に一度のお祭り騒ぎにわきかえる。 生き残り戦略を競う植物たち、奇妙な生態の昆虫…… 多様性の森ではすべてがつながっている。地球上の生命の80パーセントが分布する遺伝子のプール=熱帯雨林。様々な生命が織り成す多様性のシステムとは? ボルネオ、スマトラの熱帯雨林に、生命の驚異と共生のドラマを観る。
【目次】
はじめに 一斉開花の森で
第一部 さまざまな熱帯林を観る
1 ボルネオ島ランビル 混交フタバガキ林を観る
2 スマトラ島カンパール川 湿地林を観る
3 ケランガス林・熱帯山地林・熱帯季節林を観る
第二部 生物の多様性が産み出され、維持されるしくみ
1 熱帯雨林の歴史的価値
2 熱帯雨林の植物の一生 交配
3 熱帯雨林の植物の一生 種子成熟から枯死まで
4 多種共存のしくみ
第三部 住民にとっての熱帯雨林
1 丘陵部に住む人々にとっての熱帯雨林
2 低湿地に住む人々にとっての熱帯雨林
第四部 熱帯雨林の保全
1 熱帯雨林の価値とは何か
2 熱帯雨林をどのように保全するのか
おわりに 二一世紀の人類と熱帯雨林
註
索引

ビールの教科書
講談社選書メチエ
古代人が飲んだビールの製法、圧倒的に芳醇なベルギービールの味の秘密、ビールとエールの違い、鑑定の方法から美味しい地ビール完全リストまで。すべてが分かり、ビールがもっと旨くなる決定版! (講談社選書メチエ)
一番「旨い」ビールとは? 答えは本書に! 古代人が飲んだビールの製法、圧倒的に芳醇なベルギービールの味の秘密、ビールとエールの違い、鑑定の方法……すべてが分かり、ビールがもっと旨くなる決定版!

ロシアの源流 中心なき森と草原から第三のローマへ
講談社選書メチエ
第三のローマ=モスクワはいかに生まれたか。東から西から、ルーシの地に歴史の圧力がかかる。モンゴル、十字軍、異教リトアニア、そしてビザンツの正教会。中世期、激動するユーラシアでルーシがロシアへと固まってゆくドラマを追う。(講談社選書メチエ)
第三のローマ=モスクワはいかに生まれたか
東から西から、
ルーシの地に歴史の圧力がかかる。
モンゴル、十字軍、異教リトアニア、
そしてビザンツの正教会。
中世期、激動するユーラシアで
ルーシがロシアへと固まってゆくドラマを追う。

<政事家>大久保利通 近代日本の設計者
講談社選書メチエ
日本の近代を拵(こしら)えた『意志の政治家』の足跡
「此れから先の事はとても駄目じゃ」。
英国の富に衝撃を受け、
欧米流国際政治の現実に直面した大久保利通。
彼は、日本近代の針路をどこに定めたのか。
ドイツか、それともイギリスか――。
明治政府最高の政事家が体を張って描いた
国家構想を捉え直す。

古文書を読もう
講談社選書メチエ
歴史の息遣いに直(じか)に触れる
復縁に際し妻に禁酒を誓う夫の証文。
徘徊する悪党の取締りを求める願書。
浜田から江戸、浜田と遍歴した女性の数奇な顛末を述べた口上書――。
寺子屋の教科書から領主文書まで、人々の息吹を伝える古文書を読みこなす。
難解文字・変体仮名など充実資料付き。